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ストラディヴァリの登場
※本稿は『CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲』(共著、ナツメ社、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
名器の代名詞、ストラディヴァリ
天才外科医を主人公にした手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』 にこんな一話がある。北極圏に不時着した飛行機の乗客に世界的なヴァイオリニストがいた。彼は、避難のために機内に残した愛用の名器が気になって荒天のなかを取りに戻るが、ひどい
1960(昭和35)年度の音楽学部・音楽学科
当該年度の音楽学部・音楽学科の組織・定員を列挙した(だけの)記事です。とはいえ、現在と比較してみると面白いかもしれません。10年ごとくらいに見ていきたいと思います。
大学の記載順は『全国大学一覧 昭和35年度』に従っています。記載事項も、『全国大学一覧 昭和35年度』に従い、補足的に『音楽大学・学校案内 昭和35年度』を用いました。〈 〉で示した情報は『音楽大学・学校案内 昭和35年度』によって
モーツァルトの"驚異の耳"を証明する《ミゼレーレ》伝説
※本稿は『知ってるようで知らない モーツァルトおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
神童モーツァルトのエピソードは数々ありますが、ヴァチカンでの出来事ほど、神童に相応しいエピソードとして語られてきたものはありません。
1770年4月11日、モーツァルトはヴァチカンのシスティーナ礼拝堂に赴き
ベートーヴェンの家族関係は複雑!?ーー祖父を尊敬したが、両親とは心が通わず
※本稿は『知ってるようで知らない ベートーヴェンおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
ベートーヴェンのルーツはどこにあるのでしょうか? ベートーヴェンの祖先は、今日では、15世紀までさかのぼることができます。 彼らは、現在のベルギー北部に住み、農業や手工業を営んでいたとされています。
尊敬
就職活動として始まったモーツァルトの「御前演奏」
※本稿は『知ってるようで知らない モーツァルトおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
まずミュンヘンで、初の御前演奏
これまでに見てきたようにモーツァルトは、幼い頃から類まれな音楽能力を発揮して周りの人々を驚かせました。そんな息子の才能に驚き、そして喜んだ父レオポルトは、モーツァルトが6歳に
ベートーヴェン誕生は《第9》の季節――誤解の原因になった「ヴァン」
※本稿は『知ってるようで知らない ベートーヴェンおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
年も押し迫った12月下旬。現代の日本では連日《第9》が演奏されています。奇しくも、その作曲者ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが生まれたのも、同じ時期でした。
もっとも、ベートーヴェンの誕生日は、教会の
さすがに神童!モーツァルトの小さな体から音楽が湧き出ていた
※本稿は『知ってるようで知らない モーツァルトおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
音楽を学ぶことは、いつも楽しい遊び!
「音楽の父」バッハ、「楽聖」ベートーヴェン、「歌曲の王」シューベルト。日本人がクラシック音楽を受け入れる歴史のなかで、 このように大作曲家たちに称号が与えられ、私たちは
ヴァイオリンの名器と名工――名職人を生み出したアマティ一族
※本稿は『CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲』(共著、ナツメ社、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
アマティ一族の始まり
ヴァイオリンは、16世紀半ば頃の北イタリアで現在の形が考案されたと考えられている。 そのヴァイオリン草創期の重要な製作者で現在の楽器の形を作り出したとされるのが、ブレーシャで活動したガスパロ・ダ・サロと、その隣街クレモナで活動したアンドレア
ヴァイオリンの名器と名工――名器の聖地、クレモナ
※本稿は『CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲』(共著、ナツメ社、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
ヴァイオリン職人の卵あこがれの地
「クレモナってどんな街かな。 素敵な街だといいね」
「うん、古い街だって。 ヴァイオリン作りの職人がたくさん住んでるんだ」
これは、スタジオジブリのアニメーション映画『耳をすませば』 からのひとこま。ヴァイオリン職人を目指す中
聖人たちにあやかって付けられたモーツァルトの名前
※本稿は『知ってるようで知らない モーツァルトおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、現在絶版)で執筆した項目を、出版社の同意を得て転載するものです。
日本には「名は体を表す」ということわざがあますが、キリスト教的な価値観においても、「名は本質を表す」という聖書の思想を受けて、名前を付けることが大切にされてきました。ですから、モーツァルトの話を始めるにあたっ