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日本の若者の政治意識のリアル。海外の若者の政治意識との違いは?


みなさん、こんにちは!
DAKKOインターン生の遠藤です。

DAKKO note記事の第三弾となる今回は、日本の若者の政治意識とは?日本と、海外の主権者教育の違いとは?といったテーマについて探ってみます!




主権者教育とは

NPO法人DAKKOは、主な活動分野として、主権者教育の推進に関わる事業をしています。

※DAKKOの団体概要・DAKKOの推進する主権者教育、については、こちらの記事をご参照ください!


主権者教育
とは、

”主権者として求められる力を育成する”ための教育。
また、”社会の出来事を自ら考え、判断し、主体的に行動する主権者を育てる”ための教育、をいいます。

(出典: 総務省)


DAKKOの活動では、若者を中心に、政策や選挙の仕組みについて学んだり、実際に議員さんと交流できる場を提供しています。
このような場の提供を通して、日本全国での主権者教育を推進しています。


日本の若者の政治意識とは?~ 主権者教育の実態について考えてみる ~


近年、若者の政治離れが問題視されています。

2023年の調査*によると、Z世代の6割以上は、自身の「投票」は社会に影響を与えることができないと感じており、政治的効力感の低さが伺えます。
*SHIBUYA109 lab. 「Z世代の政治に関する意識調査」(18~24歳対象) 2023年)

出典元: SHIBUYA109 lab.


18歳を対象とした政治に関する調査*では、日本の政治に「期待できると思う」と答えた割合は、わずか20%のみです。
(*日本財団18歳意識調査結果 第54回テーマ「国会と政治家」 2023年)

また、政治に対するネガティブな意見として、「クリーン(不正や不透明なところがない)ではないと思う」と答えた若者が、81.3%にのぼりました。


今後、政治の仕組みにあったらいいと思うこととして、「ネット投票の導入」「若者・女性議員の増加」などが上位にあがりました。

出典元: SHIBUYA109 lab.


外国の”若者の政治意識”はどうなっている?


外国の若者の政治意識の一例として、今回はエストニアの若者の政治意識について紹介します。

※エストニアの基本情報・政策を紹介した記事はこちら!


私は、エストニアに3年半住んでいた経験があり、その際は肌感覚で「エストニアの若者は政治や国際情勢への関心が高い!」と感じていました。

例えば、エストニア国内の政治状況をよく把握しているだけでなく、普段の会話の中でも、国際政治や社会問題について、アカデミックな知識を必要とするシーンが多くありました。


エストニアの学校教育では、シティズンシップ教育(公民)の科目が国が定めるカリキュラムに組み込まれています。(義務教育は7歳から16歳まで[文献])

エストニアの10年生 ~ 12年生(日本でいう高校1年生~3年生に該当)は、基本的な社会的規範や、人道的・道徳的なテーマについても広く学びます。[文献]

シラバスには、市民は民主主義社会の構成員である旨が明記されており、「積極的な市民活動」といったトピックも、エストニアの公民科目の重要な柱です。[文献]


【★日本の若者も期待する”ネット投票”が導入されているエストニアの、若者投票率の実態】

エストニアは、有権者のオンライン投票が認められている電子国家ですが、オンラインでの投票は若者の投票率をあげる手段の一つとして、期待されてきました。

2005年に初導入されてから、ネット投票の利用者数は右肩上がりで、2023年度の国政選挙では半数以上の有権者が、オンラインから投票をしました。[文献]

年代別の投票率(2023年度国政選挙)では、ネット投票を含む10-20代前半の投票率は45.7%でした。

日本(令和3年度)は、10代投票率が43%、20代は35%と、少し低めの結果が出ています。

ネット投票が導入されているエストニアですが、若者の投票率とネット投票のポジティブな相関関係については、今のところ明確にはなっていない、と言われています。

ただ、エストニアのネット投票者は、再び次の投票へも足を運ぶ、というデータも出ています。[文献]

エストニアのシティズンシップ教育、ネット投票などが、若者の政治意識に与える影響については、今後もさらに研究する余地があると言えます。


執筆者のひとこと

〜個人のエストニア生活をふりかえり、若者の政治意識について感じたこと〜

若者の政治意識について、特に日本とエストニアの違いを感じた場面は、

  1. 政治や社会問題について話す上で、必要な知識が備わっている。(国際社会の構造や、社会問題における諸外国のスタンス・利害関係・歴史的背景など。)

  2. 政治的なトピックについて話すことが、そもそも嫌煙されていない。(少なくとも若者間では、お酒の場でも政治的な話題がでることは自然でした。)

  3. 社会問題についての、自分の意見は何なのか。をはっきり述べることが当たり前。(気候危機についてや、構造的差別、ジェンダー平等、LGBTQ+の権利、ロシアのウクライナ侵攻、などはよく話題に上がりました。データなどを交えながら、自身のスタンスをはっきり述べられる人が多い印象です。)


多国籍な環境にいたこと、政治学を専攻している友人が多かった、ことが影響しているかもしれませんが、日本に住んでいた時よりも政治や国際問題の話しをする機会が日常的にありました。

また、日本人として、日本の社会問題についてどう思うか、自身の意見を求められる場面も多かったです。(ジェンダー平等や、政治汚職、少子高齢化、移民政策など。天皇制についての質問もかなりの確率で聞かれます。)


次回予告


「北欧の若者(エストニア人・フィンランド人)に直接聞いてみた! 〜主権者教育や若者の政治意識はどう違う?〜」

今回の記事で文献だけではカバーしきれなかった、外国の若者の政治意識や、主権者教育について、実際に現地の若者にインタビューをしました!

次回は、インタビューを元に、日本と北欧の、若者の政治意識・主権者教育の違いについて、レポートします。エストニアとフィンランドから、リアルタイムな若者の声をお届けします!

それでは、また次回お会いしましょう!

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