イジメられのカリスマ2 〜娘もイジメられた〜 第伍話
小学6年 10月某日 決意の日 夕方
血が流れる手首をタオルで縛り
身体の震えを止めようと深呼吸をした。
何でこんなアホな事したんやろ？
死ぬ気なんて最初からないのに…
何でこんなアホな事したんやろ…
只々、手が痛いだけ…
すぐに治るよ…
学校に来なくなったのはサキだけ…
リノ、ジュリア、マイカ、ヒメカは学校には来てたけど、1ヶ月位、公園に来なかったことがあった。
皆、ユカとハズキにグループラインを退会させられて、気まずくなり、公園に行けなくなった…
サキは、体育の授業中、ハズキが騒いで皆の気を引いてるウチに、ユカがサキの髪の毛を引っ張り
後ろにこかしたらしい。
手を挙げられたのはサキだけじゃなく、皆やられていたらしい。
それで公園に来なくなった。
ハナが心配してユカに聞いたら
「しんどいんやろ？すぐに治るよ！」
ウソつき…
ハナに手を挙げなかったのは、トトが怖いからって…
でも、今ハナの眼の前に、壊れた文房具や
破られたり、落書きされたノートがある…
この半年で急に増えたのは、ハナがイジメられてたからやった…
てっきり年の離れた弟や妹がやったと思ってた…
ゴメンネ… 疑って…
まさか、ユカとハズキがやってたなんて、
夢にも思わんかった…
ホンマにゴメンネ…
トトに買ってもらった、スヌーピーのタオル
血で汚れた…
ゴメンネ…
ちゃんと洗濯して、血がとれなくても
ずっと大切に使うから…
ホンマにゴメンネ…
トトが買ってくれた物、壊れても大切に残したい…
だからゴメンネ…
涙で前が見えなくなってきた…
外の声が静かになり、カカが家に入ってきた。
「ハナー。大丈夫？」
玄関から階段に向かってカカが呼びかける。
上がって来たら怒られる。
部屋の鍵を閉めようとした時
「トト帰って来たでー。車で待ってるよー。」
トトー！！！
第陸話へ続く…
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