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知ることは、選択肢を増やすこと。


前回のおさらい

自身のウェルビーイングを達成するために私は自分がこれからやっていきたいアクションをお伝えしました。

①自分のことを理解する
②自分のことを相手に伝える

しかし、この「理解の仕方」「表現の仕方」にも色々ありますよね。
私は文章を書くのが好きですが、好きな気持ちだけでは伝わらない。
人が人にものを伝える時の課題というのは何事にも付きものです。

⒈その文章は人を選んでいないか?

さて、前回の記事の中でイラストを使用した理由はなぜか。
それは「文章という表現方法だけでは情報を受け取る相手が限られてしまう課題がある」と思ったからです。

以前、私の記事を読んだ友達に
「インタビューは動画や音声で作らないの?」と言われました。
理由を聞くと、文字だけ追っていると難しいところもあるから声のトーンや表情でもわかると内容が理解しやすい、とのことでした。

他にも、国際交流の企画もしている団体で仕事をしているなら、文章も多言語対応にできるとより良いのではないか、とも。

私はそれを言われてハッとしました。

長い文章を読むのが苦手という人、複雑な内容だと読むのが面倒だと思う人、言葉で説明され続けると疲れてしまう人などの文字情報が得意ではない人はもちろん、日本語が得意ではない人のことまで想定して記事を書いていなかったからです。

「みんなこの文章を読むことができて当たり前」ではない。

これに気がついた時、私はショックでした。
インターンを始めてから人には「違い」がそれぞれあるという事実について頭ではわかっていたはずなのに、実際に何かを共有する時に生じる「違い」に対する配慮には目を向けられていませんでした。
画面の向こう側にいる多様な読者に、自分の言葉を伝えて理解してもらうというのはなんて難しいことなんだろうかと改めて思います。

⒉ミュージカルの中の表現方法

そういえば、私と同じように言葉の理解という壁に登場人物たちが試行錯誤するシーンがミュージカル『A COMMON BEAT』の作中でもありました。

そこではお互いがスマホを手に取ってGoogle翻訳を使い・・・なんてことはなく、「〇〇は〇〇という意味だよ!」とジェスチャーをしたり、「うちの国はこういうことをするよ!」と音を奏でて踊ったりして教え合うのです。

現代人の我々からしたら「そんな手間のかかることしなくたって」と思うかもしれません。
しかし、例えば「多様性」というものを片っ端から文章で説明されただけで意味がわかるでしょうか。「日本人とはこんな感じです」というのが書かれた文章を翻訳しただけで他の国の人に伝わるでしょうか。
そもそも、文字に書かれた情報だけではすべてを受け取りきれないのが私たち生身の人間ではないでしょうか。

ゆえに、ミュージカルはただの娯楽作品ではないと私は思うのです。
人々を楽しませると同時に、多様な情報共有ツールの一つでもあるのです。

同じ劇場の中に何百人というお客さんがいても、台詞で理解する人、歌や曲の音で理解する人、ダンスで理解する人、キャストさんの動きや表情で理解する人、それぞれの人にそれぞれの選択肢が与えられています。

その空間では、情報を受け取る方法に「当たり前」は存在しません。
キャストさんたちが多様なように、観客の皆さんもまた多様。
文章が苦手でも日本語に慣れていなくても、作品という共通言語が私たち全員を繋げるのです。

文章表現や日本語が排他的だとまでは思いませんが、言葉にビジュアルや身体性が加わることでより多くの人たちにより多くのものを届けることができるのだとコモンビートのミュージカルを通して確信しました。

⒊まずは小さなところから気がついていく

しかし、この世のすべてをミュージカルで表現するにしても、普段から観衆を集めて歌い出したり踊り出したりするのはなかなか難しい!

そこで「もっとカジュアルにそういうことができないものか」と思い、Diversity Journeyというプログラムの説明会に参加してきました。

⭐︎Diversity Journeyとは
「違い」を切り口に「わたし・あなた・社会」に向き合い、対話とアクションを通して「多様性への身だしなみ」を学ぶ、1ヶ月間のオンラインプログラム。
(公式HPより)

その説明会の中で「交通弱者」という言葉についての話が出てきた時、「あ、私ってなんの問題もなく道路を渡れているからその言葉があるのすら知らなかった」と気がつき、「じゃあ私が道路を渡るときにそういう人が隣にいたらどうすればいいんだ」と、もしもの時の対応の仕方まで想像を巡らせました。
声をかけたらいいのか、身体に触れていいのか、「私はあなたを助けようと思っています」というのを表現する方法が私はわからないのです。

だからこそ、まずは日常で誰かと関わり合いながら色々な表現があることを理解する必要がある。
私も自分の文章に対して他の人からの提案があって初めて「自分には見えていなかった人たちがいるんだ」と気がついたように。

現実はミュージカルのように丸く物語が収まったりしませんが、そのミュージカルで人々がコミュニケーションをし合うように、現実にいる私たちも自身の理解や表現のやり取りをして少しでも明日を良くしていくことができるのだと思って私は生きていきたいです。

ミュージカル参加・観劇以外でも気づきの機会を増やすために、皆さんもDiversity Journeyをぜひ覗いてみてください。

【Diversity Journey 3期】参加者募集中!
[説明会]10/4(火)、6(木) 20:00-22:00

⭐︎公式HPより詳細が見れます


関西公演情報

【ミュージカル「A COMMON BEAT」再開記念シリーズ 関西公演】

▼日程
2022年10月2日(日)
初公演:開場 12:30 開演13:00
千秋楽:開場 17:00 開演17:30 ★オンライン配信あり

▼会場
吹田メイシアター 大ホール

▼詳細

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