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加藤美歓さん③『“ファシリテーション“は場の潤滑剤』

本日9/21でスキ数が900を超えました。
読者の皆様いつもありがとうございます。
これからも応援のほど、よろしくお願いします。

 こんばんは。『クローズアップNPO法人 〜現場の声から〜』の時間です。

初めてコモンビートを知る人が団体に対して持つイメージで最も多いのは、「なんか楽しそう」という言葉。
でも、ただ楽しいだけじゃないんです。
企画の現場にいつだってある“楽しんで学んでもらうための仕掛け“は、NPO法人として「社会貢献活動」を実現させる一つの手段でもあります。
では一体、その仕掛けは誰がどう作っているのか、企画がどう社会貢献に繋がっていくのか。
コモンビートを運営するメンバーの皆さんに伺います。

今回お話を聞かせていただいたのは、国際交流事業部で長期インターンから事務局スタッフになった加藤美歓さん(以下、みかんさん)です。
みかんさんは現在、秋田の大学の大学院生で日本語教師を目指し、日々学業と事務局のお仕事に励んでいます。

本日9月21日(水)は、③『“ファシリテーション“は場の潤滑剤』をお伝えします。

なお、みかんさんのシリーズは全4回。

22日(木) ④『ファシリテートお悩み相談(と、おまけ)』

と今後お送りしていきます。

⭐︎前回の記事はこちらから
①『興味と縁からインターン生活へ』

②『ラトビア留学が夢への決め手』

⭐︎みかんさんの企画【ファシリテート道場】はこちらから
NPO法人コモンビート 公式HP
https://commonbeat.org/blog/47898/

取材担当:広報インターン ジュン


⒈「ファシリテート道場」開催のきっかけ

「ファシリテート道場」とは
そもそもファシリテーション(facilitation)の原意は、「促進すること」、「容易にすること」などがあります。一言でいうと教育やビジネスなどの場面での「会議やミーティングを円滑に進める技法」のこと。
つまり、みかんさんがそんなファシリテーション能力を向上させるための特訓をする場をみなさんと共有していく企画になります。

ーー三つ目の質問に入ります。「ファシリテート道場」というものをされていますが、それを始めた理由はなんでしょうか。

長期インターンをするにあたって、自分の中で目標を持っていたいなっていう話になって。そのときに、ファシリテーション能力を向上させようと思って始めたのがきっかけ。
プログラムのコアスタッフになるに当たって人前で話す機会が増えたから、みんなが居心地が良いと思える雰囲気を作ることがすごく大事だなって思って。でも、私は人前で話すのがすごく苦手だから「このままじゃいかん」ってね。
最初はちょっと苦手かもしれないけど、少しずつ他の人を見て勉強したり自分で反省したりして、ファシリテート能力を伸ばしていって、プログラムの中で学んだことを活かして話したりとか、みんなが楽しめるようなプログラムを作れるようになりたいと思って。

でも、そうやって自分でただ観察してるだけとか振り返るだけだと限りがあるなっていうふうにも思った時、コモンビート内のいろんなチーム(部署)の人たちがどんな工夫をしてるのかを聞いて、そのノウハウを共有すれば、私だけじゃなくて他のチームの間でも何か学び合えることがあるんじゃないかなっていうふうに思って「ファシリテート道場」を開催しました。

ーーなるほど。コモンビートの職員さんって、みんななぜか話すのが上手ですよね。また、これはみかんさんが意図していないところかもしれませんが、ブログ内に書いてあった職員さんたちそれぞれのファシリテーションの仕方に個性が見えて楽しかったです。

確かに。みんなすごい喋るのがうまくて人前にめちゃくちゃ出てるのかなって思ったら、意外とハブ会議(※)に出てるメンバーの中には、「私はあんまり人前で喋るのが得意じゃないからそういうときは他の人に任せてるよ」っていう人もいたりとか。
そういうのもいろいろあるんだなっていうのがわかって、それぞれが何もかも得意ってわけじゃないけどそれを補い合ってるのがすごい素敵だなっていうふうに私もやってて思った。

※ハブ会議とは
コモンビート職員が集まるメインの会議の名称

⒉ファシリテーションはなぜ大事なのか?

ーーそんなファシリテートなんですが、そもそもファシリテーション能力を上げることの意味や重要性がどういうものなのかについてピンと来ていない部分が自分の中にはありまして。その説明をしていただけると助かります。

まず私個人の意味や重要性としては、将来日本語教師になるために必要だと思ってるから。クラス内の雰囲気作りや、みんなが発言しやすいような教室作りとかに繋がってくるんじゃないかな。あとは、国際交流イベントとかを将来作るときにも、楽しんでもらえるような話し方とかみんなを巻き込む力とかもすごく必要になるんじゃないかなっていうふうに思ってて。
全員がファシリテーション能力を上げるべきなのかっていうふうに聞かれたら、あるに越した事はないって感じはするけどね。

ーー教師の基本的な仕事って、教えたらとりあえず目的完了じゃないですか。みかんさんはそれに加えて、雰囲気を作ってあげたりとか良い環境を作ってあげたりとかまで考えを巡らせていてすごく親切だなって思いましたね。

私が今まで受けてきた授業の先生たちが良かったのかなって。授業が楽しいとその言語の勉強のやる気が出たりとか、今日クラス行くの楽しみだなって思えてもっと頑張ろうって思っていたのがすごく大きかったなって自分を振り返って思ったから、何か授業に行くモチベーションや勉強のモチベーションに繋がるようなことがしたいって思ってる。だから、今までの先生たちのおかげかな。

ーー自分が受けてきた楽しいことを、相手にも与えてあげたいっていう気持ちがあるってことですよね。
そのみかんさんの、自分の中だけで利益を留めておかないという姿勢はNPOという組織の性質と相性いいのかなって個人的に思いました。

そういうふうに思ったことなかったけどそうかもね。

⒊みかんさんと私の失敗談

ーー今までのインターン期間の中で「これやっちまったなぁ」みたいなことはあったりしますか。

結構いっぱい笑。やらかしたことをファシリテート道場のテーマにしたりとかっていうのはある。
あるオンラインイベントをやったときに、イベントが始まるまでの時間はのぶをさん(※)がその時間の雰囲気作りを結構やってくれてて、私はいつものぶをさんと一緒にその時間にいたから特にそこに対して意識はしなかったんだよね。
ただ、のぶをさんがいなかった時があって……。
私だけでその時間を保たせることになったら、もう沈黙が苦しすぎて笑
みんなも苦しいみたいな感じになっちゃって「もうどうしよう!」みたいな笑
あと、「〇〇さんどう思いますか」って聞いて、たくさん意見を言ってくれたのに「ありがとうございまーす」って言うだけで特に何もコメントできない!みたいな。
私ってコメント力がすごくないんだなあと思って。これは課題だなっていつも反省点がいっぱい出てくる。

↓みかんさんのこの失敗談が書かれているブログはこちらから

※のぶをさん (国際交流事業チーム 中林信人さん)

ーー自分も「ファシリテート道場」の記事を読みながら、「自分だったらどうしようかな」とかいろいろ考えてすごい楽しかったです。

じゅんちゃんって、演劇を作ったりとかしてるんだよね。そうすると、何かをするファシリテート能力や雰囲気作りとかって何か考えたりしているの?

ーー考えていたというか、「考えとけば良かった」っていうのが素直な感想です。演出をさせて頂く機会があったんですが、ものすごく事務的にやっちゃってて。滞り無く作品が作れれば良いとだけ思っていて。それがその時の自分の中の正解だったんですが、「これは仕事」としか思っていないから現場に行っても全然楽しくないし、周りの人への感情表現も少ないし、作品への愛着があまり湧いてこないみたいな。(自分で言っていてこりゃ酷いなと編集時に思いました笑)
でもコモンビートに入ってからは、場の雰囲気作りがパフォーマンスにものすごく影響することを身をもって知りましたね。

関東公演のときとかもさ、もうみんなもうすごい感動してっていう感じだったもんね。

ーーそこまで気持ち的にコミットして関われるっていう状態が本当にすごいなって。雰囲気って数字にできないし、合理的じゃない場面もあったりするじゃないですか。でもそういうものを大事にして、一緒に関わっていくっていうのも必要なんだなと。
これって演劇だけじゃなくて、オフィスでもそういう雰囲気作りとかって絶対大事だなとは思いますね。

ーー確かに。教師だけじゃなくても、ミーティングをやるときのそのミーティングの雰囲気とかで意見を言いやすいかどうかって影響してくるだろうなあ。そう考えると、みんなでファシリテート能力を上げたらいろんな場所で使えそうだね。

自分が気に入らないと思っている空気の主導権を他人に任せきっていたら文句ばっかりになっちゃうじゃないですか。だから、一人一人がちょっとできるようになったら少し変わっていくのかなって思います。

⒋リーダーシップとは似て非なるもの?

ーーファシリテートの本質はリーダーシップがあるかどうかだと思っていたのですが、みかんさんとの会話の中でそうではないことに気がつきました。単純に、コミュニティーの中で生きる人間の気配りとして普通のことなのかもと。

リーダーシップがあるってどういうことなんだろうって、最近ちょっと疑問に思い始めてる。
「みかんちゃんってクラスの中ではリーダーっぽいよね」って感じで友達に言われて、全然リーダーとか向いてないなっていうふうに思ってたけど、なんでそう思われたんだろうって思って。そこから、そもそもリーダーシップある人って誰なんだろう、なんなんだろうって思い始めた。

ーーそれって、強くてたくましくて賢い人が必ずしもリーダーであるわけでないことにも繋がりそうです。

私の場合はただ声がでかいっていうだけなんじゃないかな笑。メガホンみたいな笑

ーーメガホン笑。ただ、身体的な声の大きさと発言における声の大きさは比例しそうですよね。
高いファシリテート能力を持つ人が、そうじゃない人の声をかき消すようなことがあったらいけないなとも私はすごく思って。
そういうところで注意することはありますか。

そうだね。声が大きい人だけが発言できるっていうのはよくないなって思って。私も居心地の悪い場ではあんまり意見が言えないことがあるから、ファシリテートをする人が「みかんちゃんはどう思う?」とか聞いてくれると話しやすいなっていうふうに思う。そういう風に、みんなが平等に意見が言えるようにしたいなっていうふうにはすごく思ってるよ。

だから、日本語の先生になる時も、普段自分からそんなに発言しないような人も手をあげたり何か言えるような雰囲気とかを作りたいなっていうふうに思う。声が大きい人の意見だけがいつも通ってると、みんなの意見が聞けないし、結局いつもその人が思うような方向に全部動いていっちゃうなっていうふうに思う。そうなると、声が小さい人が抱えている不安をあまり言えなくなって、みんなに伝わらないみたいなこともあるから。
いつも一定の人の意見だけに偏らないようにするっていうのはすごい大事かなって。

明日9月22日(木)はシリーズ最終回
④『ファシリテートお悩み相談(と、おまけ)』
をお送りします。


関西公演情報


【ミュージカル「A COMMON BEAT」再開記念シリーズ 関西公演】

▼日程
2022年10月2日(日)
初公演:開場 12:30 開演13:00
千秋楽:開場 17:00 開演17:30 ★オンライン配信あり

▼会場
吹田メイシアター 大ホール

▼詳細


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