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ヴィーガンとアンチヴィーガンの間には。~中編~

(やっぱり長くなったので3回に分けます<(_ _)>)
写真は大豆ミートから揚げ

ヴィーガンになるには、家族の理解が必須。

私が一番大変だったのは、食べ物でも物でもなく、夫からの理解を得るのに時間がかかったことです。

ヴィーガンというと、10年前は、一部の海外の人がやっているだけという印象だったので、私は、マクロビから入りました。マクロビの資格を取ったり、有機について勉強しました。動物のことや、イルカ追い込み漁によるイルカ捕獲数などは追いかけていましたが、ヴィーガンという言葉は特に使っていませんでした(浸透もしていなかった)。

あと、聞こえ的に特別な印象がするため、菜食という言葉を使うこともあります。夫も以前はヴィーガンが大嫌いで、私が魚もやめるというと、「いい加減にせいよ」と機嫌が悪くなっていました。

肉をやめたときも、大変でした。
外食いってもつまらんとか、焼肉に一緒に行けないとか、変なこだわりをするなとか、ルーのパッケージの裏を見ていると(ヴィーガンあるある)、下らんこと言うなよ、とか言われていました。

ただ、何年もかけて、何回も喧嘩して、資料を見たり、動画を見たり、私がなぜそういう選択をしたいかやっと、分かってもらえました。

食べることが悪ではないのです。
「買い物は投票」ということです。

ヴィーガンとは、「搾取企業にNOを言う」ライフスタイルなんです。

その真実を知ると、夫はやっと、納得したようでした。
彼はヴィーガンにはなっていません。私も押し付けません。

でも、私が作ることも多いし、私に選ばせてくれることも多いので(布団とか)動物の犠牲になっていないものを極力選ぶことができています。

平飼いにしても、過密飼育ならケージより酷いことも多いので、平飼いなら何でも良いというわけじゃなく、福祉を改善させるためには、食べることを減らすことが必要不可欠です。

夫は、そういった現実を知って、月に1回程度、2個入りとか4個入り卵を買ってくると、それはそれは大事に食べています。
劇的に我が家では、動物性の消費は減っています。

そして、彼は私に、動物性がはいっていないものを買ってくるようになりました。「小豆バー」とか、おせんべいとか、枝豆とか、豆腐とか、フルーツとか、、、「こんなものにも乳成分が入ってるんだ」と、夫自身も色々と詳しくなってきました。ほんの微妙な成分を入れるより、アレルギーでもヴィーガンでも食べられる方が、よほど儲かるのにという食品も沢山あるのです。日本は添加物があまりにも多すぎます。

私が美味しそうに食べるところを見るのが趣味な彼は、私と一緒に美味しいものを食べられなくなったことが一番ストレスだったようです。
でも、菜食にも美味しいものは沢山あるし、彼自身好きになったものも色々あるので、だいぶん楽になりました。
サイゼリヤもモスもココイチもタリーズもスタバもロイホも行けるし、マクロビ系のレストランやヴィーガンスイーツ、ラーメン屋さんもとても増えてきました。(ありがたいことです)。

そして万一、カツオ出汁が入っているときはいただくこともあります。
人との付き合いも大事だと思っています。ヴィーガンは、可能な限り搾取をしない方法なのですが、不可抗力はあります。
完璧になんて、無理なので。


ヴィーガニズムとは、宗教ではなく政治経済である。

例えば、夫が「ガム食えよ。顎を鍛えろ」といいますが、「ガムにはゼラチンが入ってるから」NOといいます。すると「噛んでも出せばいいんだから食べたことにならないじゃん」と言います。これが、ヴィーガンが何かわかっていない人の言い分なんです。

ヴィーガンとは、買い物投票です。結局そこで「買って」しまうと、買い支えてしまうことになる。「ゼラチンが必要」だから、「強制的に産ませて」その1頭のために「規格外・病気・小さい」などの理由で沢山の子供たちが「淘汰」される。麻酔なんてつかってもらえません。殴ったり、壁にぶつけて殺されています。ほとんどの畜産農家さんで。

たかがガムのゼラチンといえども、経済を回してしまうんです。
1頭のために、1粒のために、沢山の命が犠牲になるんです。
「買って」しまうと、「お客様が求めるから」につながってしまう。
だから、ゼラチンなしのガムを買っています。
ゼラチンなしのガムも、噛み応えがあって十分美味しいですよ。


で、こういう理屈を理解してもらえると、昔だったら「どうでもいいわ」とか否定されてたのですが今は「じゃあ、ゼラチン入っていないガムかめよ。二重顎になってるぞ」といってくれるようになったのです(え、どっちもディスってる?)

これは、めちゃくちゃ大きい進歩なんですね。うちにとっては!
私は元々お肉スキーだったし、彼は、食の制限を批判していた人だったので一生理解してもらえないかと心折れていた時期もあったので。
やっぱり、諦めずに、タイミングを見て、ちゃんと説明していくってとても大事だなぁと思います。


ヴィーガンは不健康?

昔は、夫から、動物性たんぱく質を捕らないと病気になるとか、老けるとか、色々言われてましたが、彼がコロナになっても私は風邪もひかず、
彼が花粉症で苦しんでいても私はアレルギー完治、
血圧も高かったのが正常になり、病院の健康診断でもひっかかったことがなく、逆に彼は、昼は外食が多いのでひっかかり。。。
彼より健康&10年以上たつので、一切言われなくなりました。

しかも、私は夫より11歳年上なので。元々不健康だった私が菜食で健康になっているのだから、ヴィーガンが不健康、というのは間違い、と理解してくれたようです。
菜食になると、必然的に材料をよく見るし、栄養を考え、満足感を出そうと色々な野菜も食べるので、結果、健康になるということもあります。
逆に、何も考えずコンビニ弁当を食べたり、ジャンクフードを食べたりする方がずっと不健康だと今は納得してくれています。
制限があるって、実は、結構楽なんですよね。
買い物も早くなるし、悩まなくて済みます。
自炊が増えるので、経済的にも安くつきます!


ヴィーガンになりたい方、興味がある方は、家族の理解を得られる方が、長く続けるうえでは絶対に楽なので、制限するのではなく、美味しく入れ替えていくことをおすすめします。
例えばホイコーローを作るなら、お肉の代わりに大豆ミートや、お揚げを、歯ごたえにエリンギや椎茸を入れるなど…。

焼肉のタレを使った鉄板焼きや、照り焼き、餃子やパスタ、ピザやグラタン、天ぷら、カツ、ハンバーグも。動物性の代わりに植物性にすればよいだけです。私は大豆ミートより豆腐や厚揚げ、きのこが好きですが、大豆ミートも色んな食感や味があって、使いやすくなっています。

味付け、歯ごたえが満足できるので(ご飯に合う系)、我慢している間隔ではなく、夫も十分だ、とよく言ってくれます。
日本には精進料理や和食があり、カツオ出汁を昆布出汁にするだけで、結構何でも食べれることに気づけます。

最初から完璧を目指さない(外食時にカツオ出汁が混ざってても最初は良しとするとか)、ということが長く続けるコツかと思います。
一か月完璧を目指すより、10年間減らす方がずっと意義があります。

でも、これまでと同じでは、破滅するだけ。
現代は、無駄な殺戮や虐待が蔓延り、そのせいで野生動物は絶滅に瀕し、温暖化は止まらず、雨量は増え、感染症は蔓延している。

諸葛孔明も、昔、人柱を立てることを止めて代替品にした。
代替できるものなら、どんどんしていくべきじゃないでしょうか。それが人間の進化でもあり、英知だと思っています。
地球は限界をとっくに超えています。餓死者がどれだけいるか。
菜食を取り入れれば多くの人が食事にありつけるのです。
植物や自然も大量に失われずに済みます。

パンやお菓子も食べれますし、安くて良い化粧品もあります。ダイソーからも出ています!
今はオシャレで丈夫な合皮も、羽毛に負けない布団もあります。
買い物は投票です。ぜひ、未来へつなぐ一票を入れませんか?


植物は可哀そうじゃないのか?

TwitterやYouTubeで、「#ヴィーガン」を叩けばPVを稼げていいねもらえるから馬鹿にして否定しまくってる人たちも残念ながら、かなり多いです。

否定しかしない人に説明して消耗するのは時間と労力の無駄。
彼らはトレンド入りすることが目的なので、興味もないし、調べることすらしていません。「なぜヴィーガンがペットを飼ってるの」「植物は可哀そうじゃないの」という、トンデモ質問も飛び出してきます。

「植物は可哀そうじゃないのか?」と、菜食の何十倍も水も植物も使い、環境破壊になる肉食をする人が、ヴィーガンを叩くときだけ植物の味方になるのはおかしいですよね。動物と植物は違うんです。どちらも貴重な命ですが、その接し方、成長の仕方は違う。種差別をしないというのは、同じ「動物」の中での話です。犬や猫と、豚や鶏の違いはない、ということ。

動物を殺すことと、ネギを切ることは違います。ネギは切ってもまた伸びます。犬や猫は、殺したら生き返らない。土の中でジャガイモを育てることと、動物を生き埋めにすることの違いは分かりますよね。

ペットの飼育に関しても、保護と、販売や繁殖目的の違いは分かりますよね。ヴィーガンとは、搾取に加担しない、弱い者虐めを無くそう、という生き方になります。助けられる命は、助けたいと思います。


そもそも、ヴィーガンになる必要はあるのか?


私はヴィーガンとは結果論である、と思っています。
嗜好品というのは、意外と根強く、そうそう簡単には無くならない。フォアグラも取引が禁止されていっているけど、完全に0にはなっていない。

培養肉も登場しているし、オーツミルクや豆乳など植物ミルクの人気も高まっています。制限というより、代替の方が進んでいっていますよね。
何を選ぶかは人それぞれだけど、将来の子供たちのために、大人たちの最低限の責任として「問題を知って」「出来る改善」して、「時には我慢」を取り入れる必要があるのではと思います。取りつくして、乱獲して、廃棄しまくってきたのだから。

その為に、ヴィーガニズムを取り入れると、楽です。
どこをどれくらい取り入れるかは、自分に合ったところからやればよいと思います。
プラントベースは食だけじゃなく、服も化粧品も安くて良いものが沢山ある、ヴィーガンレザーのバッグも、ブランド物でも、リーズナブルで丈夫で雨にも強い。

海に行った時に、サンゴ礁が死なないUVクリームで安いものがいくつもある。昔はラーメンが好きだったけど、食べた後いつも体が重かったのですが、ヴィーガンラーメンは過去最高に美味しくて、もたれないので前よりも食事を楽しめるようになりました。

先ずは、動物や畜産の現状を知ろうとすることが大事だと思います。
結果的に、ヴィーガンになる人もいれば、ペスカになる人もいれば、フレキで付き合いの時だけ普通に食べる人もいるだろうし、人それぞれでいいと思います。

ヴィーガンは嫌いだけど、ペスカやベジの人は好き、という人もいます。言わんとしてることは分かるのですが、ヴィーガンも結局、結果論なのです。産卵鶏や乳牛のほうが、肉牛よりも悲惨だから食べない。
しかも、卵と乳製品は代替品が豊富にあります。
お菓子も美味しく作れる。無理に買うこともない。

結果的にヴィーガンになるのであって、別にマウントを取るためでも、完璧主義なわけでもないです。


ただ、生産量を減らさなければ虐待や過密飼育や感染症はなくならないので、ヴィーガンになる必要はないけど、「ヴィーガニズム」は全員が取り入れる価値がある、と思います。企業応援にもつながるし、国産の旬の野菜や玄米を食べれば、健康にもなれて自給率を上げることにもつながるんじゃないかな、昔ながらの和食を見直してもいいんじゃないかなと、

後編につづく


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