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8月7日 100日で完成する本 35日目 コーヒーと消費者教育

・コーヒーと消費者教育

・「より良いコーヒーを持続可能にするために何ができるか?」

以上の問いに対して、わたしができることを考えていこうと思います。今回紹介する本は『スペシャリティーコーヒーの経済学』です。この本は、まさにより良いコーヒーを持続可能にしていく可能性を探究している本です。

わたしの気づきを以下に書いていきます。

カリフォルニアのUCLAのマガリ・デルマスとロバート・クレメンツによる研究では、持続可能性と社会正義の認証の存在価値は、消費者の購入決定において、「品質/味」、「入手しやすさ/利便性」「価格」「友人の薦め」「焙煎業者の名前/評判」に次いでそれぞれ六番目と七番目に重要な要素にすぎないことが明らかになった。

『スペシャリティーコーヒーの経済学』より

消費者がコーヒーを選定する理由の1位は、「味」という非常に納得する結果ですね。「価格」は3位です。

確かに、普段コーヒーを飲んでいると、味と価格以外にこだわる人はほとんどいないのではないでしょうか。それが、アメリカの研究結果に如実にでています。

「持続可能性」と「社会正義の認証」は、今後もおいしいコーヒーを飲み続けるためには不可欠な要素です。ただ、日本でコーヒーを飲む人でそこまでこだわるひとは稀ですよね。

私は、実際にベトナムのコーヒー農園に行って、生産から精製までのプロセスを実際に見てきました。だからこそ、ある種の当事者意識を持ち、持続可能なコーヒー生産というところに興味をもっているのだろうと思います。

数パーセントでもいいので、この持続可能という視点を考えられる消費者を育てていきたいなと考えています。

認証プログラムが批判されているのは、プログラムがおもに消費国の関係者によって設計され、文化的社会的に認証基準の作成者とまったく異なるコミュニティーや個人に向かって押し付けられているという点だ。

『スペシャリティーコーヒーの経済学』より

これは確かにそうだなと思います。フェアトレードという言葉はかなり一般的になりました。ただ、この言葉を作ったのは、消費国である先進国なのですよね。

だから、消費国の論理で現地の農家さんに対して、フェアトレードという価値を押し付けている感じなのかなと思います。

様々な社会認証は、公正を達成するためには必要な要素だと思います。ただ、どれだけ農家さんや現地の方のことを考えているのでしょうか。もちろん、農家さん側のことを考えている団体もあるでしょう。

ただ、資本主義が行き過ぎている現代では、そこまで考えている組織はどのくらいあるでしょうかね。団体の大きさ、サイズ感は非常に大切かなと思います。

大手の商社が入ってしまうと、農家さんのことがなかなか見えなくなってしまいます。今後は、小さな個人の商店か小さい会社と農家がつながり、そういったある意味家族的な組織が点在する世界がいいなと考えています。

消費者がコーヒーを自分たちに届けるサプライチェーンの持続可能性を気にかけているとしよう。消費者が知っておくべきことは、コーヒーにおける持続可能性とは実際にどのようなものか、サプライヤーに何を求めるべきか、不透明なものを明らかにするのはどうすればよいのか、といったことだろう。

『スペシャリティーコーヒーの経済学』より

「コーヒーにおける持続可能性とは実際にどのようなものか」、「サプライヤーに何を求めるべきか」、「不透明なものを明らかにするのはどうすればよいのか」

これらは非常に重要な問いだと考えます。本書の後半では、消費者教育が重要だと書かれています。上記の3つの問いに対する自分の暫定解を、今後書いていきます。それが、coffee teacherの指針になりそうです。

持続可能なコーヒーを生産していくためには、教育が重要。持続可能なコーヒーがより良いと思える公正な教育を目指していく。それが私にできることの一つなのではないかと考えています。


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