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連載小説:芸能人の僕が干されたから、フリーランスになりました⑨

「このたびは、関係者ならびにファンの皆様にご迷惑をかけてしまい大変申し訳ございませんでした。自分の弱さを今回痛感いたしました。今後は役者業に専念し、精進してまいります。」

記者の前で深々と頭を下げた。多くのカメラがフラッシュで光った。
半年間で薬物は身体から抜けて、デザインに没頭することができかなりスキルとしてはうまくなった。役者としての評価は落ちておらず、仕事のオファーは多く来ていた。ハリウッド撮影で交友があった俳優から、復帰おめでとうと連絡が来て、ぐっときた。

「今後は事務所社長である私まつもとも全面的にサポートしつつ、一大人として大きく成長させていければと思っております。」

かざみも一緒に記者会見に出てもらい、謝罪対応をしてくれた。
本当に感謝である。
記者会見が終わり、翌日から撮影がある。今日は早めに家に帰って明日からの撮影に整えた。

撮影に入り、身体がいつも以上に動いた。
薬物が抜けたのと、自分が役者として生きていこうと決められたことで演じるより、乗り移る状態で演技ができた。
今回の撮影は猟奇的な役であり、元々イメージが悪くなった自分にとってかなりフィットしていた役であったので、評価が高かった。
元々は正統派の爽やか系で売り出していたが、事件以降はブラックの役を演じることができた。徐々に仕事も増えていき、2年後には安定したクセ強めの役が増えていった。

かざみとの関係は相変わらず続いてきた。その頃には月の殆どを一緒に住むようになった。その頃には俺もかざみのことを本気で好きになってきており、古川と別れて結婚をしないかと迫るように俺はなっていた。

「かざみ。この前のこと考えてくれた?」
「ああ、結婚の話?」
「うん、、、どうかな」
「、、、流石に難しいわ。あなたと私は社長と社員。
 更に夫の古川の逆鱗に必ず触れるわ。そうなったら最後」
「そっかあ、、、気づいたら俺がかざみを追っかけているようになったな」
「私も敦のこと好きだよ」
「そっか、、、ありがとう」

沈黙があり、俺の感情は抑えきれなかった。
「やっぱり俺かざみのこと諦めきれない!全部の仕事なげうってでも
 かざみと一緒にいたい。どこか2人しかいないところに行こう」
「敦、、、、ありがとう」
このときはかざみと一緒に未来を歩んでいくと思っていたが、
まさかこれが地獄へ落ちる一歩だったとは。

後日仕事帰り1人で歩いていると、いきなり頭が揺れた。
何かで頭を強打され、車でさらわれた。

語り手

復帰をしたが、終わりに連れ去られてしまいましたね。
さてここからが第一章のクライマックスです。

干されるまで後2話


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