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チェインフェリス-幸せの再定義#9

以前から問題だった社員数の増加においての経験値のなさを補うための、ヘッドハンティングの準備が進んでいた。

「誰が良いと思いますか?僕はこの人でいいと思うんですけど」
「いや、事業サイドというより達観して支援している人が良いと思う
 現場責任者の3人はどう思う?」

「開発側からの意見ですけど、パッション的な人よりもロジカルな人が良いと思います。パッションの部分は社長が持ってらっしゃると思うので、そこをコンサルして一緒に歩める人がいいですね」
開発責任者の田端ゆうきが言った。

「なるほど。デザイン責任者の青木はどう?」
「僕はあまりわからないのですが、目に見えるスキルはあってほしいですね。そういうスキルがある人は説得力があって信頼できるので」
デザイン責任者青木振一郎が言った。

「最後佐野は?」
「泥臭いことを嫌わない人ですね。途中から入ってきた人なので煙たがる人がいる可能性はあるので、足を動かして一緒に営業先にも行ってくれる肩がいいです」
事業責任者の佐野史尭が言った。

「お三方の意見はわかった。その内容も踏まえてラスト幹部で話す。
 ありがとう。」
3人が退出した後秘書の飯村が

「良い人が見つかるといいですね」
「うん。。。この採用は慎重にいかないとな」

その後面接に面接を重ね、幹部とも話し合い「鈴木優」という年齢43歳で外資コンサルティングファームでベンチャー企業を中心にコンサルティングをしてきた人間を採用した。

「本日からジョインすることとなりました鈴木優と申します!趣味は筋トレです!歳は43歳と皆さんよりかなり上ですが、新米として精進してまいります!よろしくお願いいたします!」

彼は入社してから、社員全員とランチに行った。同じ目線にたって何が今社員の中で不満としてあるのかをうまく吸い上げたことにより信頼を勝ち取った。そして幹部・責任者に共有し、うまく潤滑剤として働いた。

結果として社員のチェインフェリスへの愛着度はあがり、バリバリ働くようになりリファラル採用などが盛んに行われるようになり3年後、チェインフェリスを設立して10年がたったある日社員数1,000人で、ついにアプリPV数日本1位のメディアへとなった。

この結果を祝うパーティーを開催することになった
「本日は社員の皆様ご参加いただきありがとうございます!
 この度チェインフェリスはPV数日本1位となりました!
 皆様のおかげだと思ってます!今後は世界を狙っていきましょう!
 乾杯!」
パーティーは大いに賑わった。

パーティー中鈴木が
「社長。おめでとうございます!
 このタイミングで上場することをおすすめします!社会的な信頼。
 そして規模の拡大をするなら今です」
と言った。

パーティーが終わり淳平と二人で乾杯をした
「社長おめでとう。」
「2人でいる時に社長はなるべく避けてくれよ。ありがとう」
「ついにここまで来たな」
「ああ、幸せな世界にまた一歩近づいた」

雄大がポツリ
「俺は鈴木という男が怖い」と言った。
淳平は
「え?」と言った。
雄大は
「彼が入社してから明らかに急成長した。
 凄くありがたい。
 しかし、今や俺よりも社員に尊敬されている。乗っ取られそうで怖い。」
淳平が笑いながら
「そんなことないって!
 嫉妬しているんじゃないか!」と言ってどこかへ行ってしまった。

今後破竹の勢いでメディアは成長し、テレビで良いことをしていると
『わああああ!チェインフェリスに載りたいだけやろ!』
と言われるくらいまでメディアは成長。

そして10年目の8月チェインフェリスは上場した。

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