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#エッセイ

アーティストとはどんな人か

 先日、大竹伸朗展に行って、自分なりに「アート」というものがどういうものがわかった。わかったような気がした。
 
 何年も前の話だが、アーティストの友人と一緒に焼肉屋に行った事がある。もう一人いて、三人で話したのだが、話をしている間、友人はずっと手元のおしぼりをいじっていた。
 
 手を動かさなければいられない彼の性分が見えた気がして、私は(この人はやっぱりアーティストなんだな)と思った。
 
 

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パッケージ化されたもの

 自分の目で物を見るのは難しい。私はほとんどの人間は自分の目で物を見ていないと思っている。同じ事だが、ほとんどの人間は自分の価値観を持っていない。

 私自身は自分の価値観を持って生きているので、他人もそうだろうと思ってきた。だが、実際はそうではないらしい。私が自分の価値観を語ると、不快な気分になり、激高する人間がいる。そういう人は、私の価値観に対して、その人の価値観をぶつけてくるような事はしない

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多様性から一様性へ

多様性から一様性へ

 多様性の時代だそうだ。しかしその割には、世界は一様性へと向かっている。少なくとも日本社会はそういう方向に動いている、と私には感じられる。
 
 身近な所で言えば、私はヤフーニュースをトップページにしているのだが、そこでヤフー独自の特集が組まれる事がある。このヤフーのオリジナル記事というものが、全然特色がない。大体、タレントの話ばかりで、私の知らないジャンルで、そのジャンルに詳しくない私を唸らせる

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「流行り物」という宗教

 映画『すずめの戸締まり』はヒットしているようだ。私はこの作品の公開前から、やたらと広告が打たれ、また、やたら企業とタイアップしているやり方に何か過剰なものを感じてきた。

 映画が公開されると、実際に、ヒットしていると言う。このヒットは、口コミで徐々に人気が広がるというようなものではなく、最初からヒットが予定されて、実際にヒットしたといような形になっている。私はここに現在の気味悪さを感じる。

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