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韓国美術館#05.石坡亭ソウル美術館~自然も楽しめる癒しの空間~

 今回はソウルにある石坡亭ソクパジョンソウル美術館(석파정 서울미술관)についてご紹介したいと思います。

 現代アート作品だけでなく、美術館の庭園では美しい自然とソウル市有形文化財第26号に指定された石坡亭を鑑賞することができます。

石坡亭ソウル美術館(석파정 서울미술관)


石坡亭ソウル美術館(석파정 서울미술관)

 石坡亭ソウル美術館は、鐘路区にある閑静な住宅街の付岩洞プアムドン(부암동)に位置します。

 地下鉄駅からは遠いため1020、1711、7016、7018、7022、または7212番のバスに乗り、「紫霞門チャハムントンネル入口(자하문터미널입구)」で下車すると、徒歩1分で到着します。


1.ソウル美術館

 ソウル美術館は2012年にオープンし、新たな文化を創り出す国際文化都市としてのソウルをより鮮明な色彩で表現する文化的空間を提供しています。

 同美術館では、何よりも「鑑賞する者が創造者になる美術館」を目指しているとのこと。来客者が情報を受動的に受け取るのではなく、「自らが鑑賞の主体になり創造的に芸術を楽しむ」空間になるよう努めているそうです。


◆過去の展示

 ソウル美術館では、毎年異なるテーマを掲げ、韓国および世界の現代美術作品を展示しています。

 以前行った際は「生活の発見(생활의 발견)」というテーマのもと、日常の中にある芸術を探求することを目的とした展示が行われていました。

『안봐도사는데 지장없는전시(別に観なくても生きていける、支障ない展示): Unnecessary Exhibition in Life』

 このときのプロジェクト名がとても素敵でした。

안봐도사는데 지장없는전시:Unnecessary Exhibition in Life
「見なくても生きるのに支障がない展示」

 1日24時間の間に、意味なく通り過ぎていく瞬間たちーー。
 
 それらはどのような意味を付与するのか、
 また、
 私たちの日常生活にどのような影響を及ぼすのか。

 国内外の芸術家21チームにより、視覚的に表現された作品たちです。

朝のラッシュを描いた作品。絵なので人々の動きは止まっているものの、そこには確かに、動きと騒音がありました。今にも動き出しそうな人々が、感情もなく無機質に、例えるならばただ流れる小川のように、目的地へと進んで行きます。
”次の人生では、もうちょっと違う生き方をしてみよう。もっと笑って、もっと愛して、世界を旅するんだ。ただ、恐れなければいいだけなのさ”『ラストホリデイ(라스트 호리데이)』”
なんだか綺麗。
時間が不規則に書かれた階段。あなたは今どこにいますか。そして、どこへ向かいますか。
とても大きな作品でした。光が表現する静寂の世界が、美しかったです。
確か、絵画の一部分を撮った写真だと思います。全体を撮っておくんだったと、少しばかり後悔が。ただ、これはこれで油絵ならではの豪快さと勢いを感じます。特に立体感が良いですね。それが好きで、この写真を撮ったわけです。
韓国画。そういえば、韓国画をきちんと見るのはこれが初めてだった気がします。
昔の喫茶店を模した展示。韓国の画家・李仲燮(イ・ジュンソㇷ゚)の作品を展示していました。


2.石坡亭(석파정)

 ソウル美術館は仁王山の麓に建てられ、東側には北岳山があります。山々に囲まれた自然豊かな庭園には、「石坡亭」と呼ばれる歴史的・文化的価値の高い東屋があり、散歩をするのに大変おすすめです。

左下に見えるのが石坡亭。かなり質素で、言われなければ分かりませんでした。

 石坡亭は、朝鮮王朝末期に興宣大院君フンソンテウォングンが使っていた別荘にある東屋です。韓国と中国の建築様式が見事に組み合わさった文化的価値の高い造りから、ソウル市有形文化財第26号に登録されました。

 ちなみに、石坡亭を見るには美術館のチケットが必要です。石坡亭だけを鑑賞するチケットはありませんので、ご注意ください。

石坡亭へは、興宣大院君の別荘だった建物を通って行きます。
敷地内には川が流れていました。大きく丸みを帯びや岩々が、透明感あふれる水の行く道を案内します。とても風情のある景色で、何時間でもいられそうです。
葉っぱが元気よく青々と茂ります。夏の暑い日に来ましたが、秋に来ると紅葉が綺麗でしょうね。また、冬は冬で雪景色が素敵だろうなあと想像します。四季を楽しむのに最高ですね。
この巨大な岩壁は、これで一つの岩だというので驚きです。「願いを叶えてくれる岩」と言われているとか。他にも、ゾウの姿に似ていることから「ゾウの岩(코끼리바위)」とも呼ばれることがあるそうです。ただ、この写真では分かりにくいですね。現地で見ても分かりませんでした。
石坡亭を初めて見たときの感想は、「ふ~ん。ちっちゃ。樹々に埋もれてよく見えないな」。この日は遠くから見ただけで終わりました。確か、そろそろ改修作業が必要だと書いてあったような、なかったような・・・。
別荘からの眺めは最高でした。
自然に囲まれ、ここにいるだけで心も身体も癒されそうです。
樹々の向こうにある建物を見ていると、遠い昔の夏の風景を思い出します。
「韓屋」といわれる韓国の伝統建築家屋は、いつ見ても趣があります。
綺麗に剪定された庭園も素敵です。


◆◆◆


 石坡亭ソウル美術館は、アートと自然を楽しみたい人には最適の観光スポットです。

 ただ、夏の暑い時期に行くと歩くのが大変なので、春や秋など気候の良い時期を選んでいくのが良いと思います。

 また、近所にはカフェやレストランもたくさんあるので、食を楽しみつつゆっくりとした時間を過ごすことも可能です。


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