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韓国佛教#02. 奉元寺〜ソウルにある比較的アクセスしやすいお寺〜

本日は韓国のお寺紹介でも。

ソウル特別市西大門区奉元洞にある、太古宗の奉元寺(봉원사)です。

延世大学近くの按山(アンサン)という山の麓に建てられた寺院です。
日本人がよく行く新村(シンチョン)・梨大(イデ)エリアからもアクセスしやすいため、比較的行きやすいお寺かなと思います。

エネルギッシュで賑やかなソウルを味わった後は、このようなお寺でのんびりするのもおすすめです。


太古宗総本山 奉元寺(태고종 총본산 봉원사)

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起源は新羅51代眞聖女王3年(889年)にまで遡ります。

道詵国師という有名な和尚が、現在延世大学のある場所に奉元寺を創建しました(当時の名前は「般若寺」)。その後、高麗恭愍王時代に活躍した普愚僧侶(号は「太古」)が寺院の規模を拡大、華々しく美しい作りへと改築し、多くの人々から賛嘆されるようになりました。

現在、奉元寺は太古宗の総本山として知られています。

2009年には、同寺院にて毎年6月6日に開催される霊山斎(영산재)がユネスコの人類無形文化遺産に指定され(国家重要無形文化財第50号にも登録)、2011年には韓国の伝統寺刹に登録されました。また、2014年7月にはソウル市有形文化財第363号に阿弥陀仏堂が、第364号に梵鐘が文化財として登録されました。

◆ 霊山斎(영산재)

霊山斎は、「人は亡くなって49日経つと、霊魂が極楽浄土へ行く」という仏教の考えが基となった儀式です。

亡くなった霊魂が平穏に次の世界へ旅立つこと、生と死によって引き裂かれた私たちが佛法を通して一つになることで再会を果たすこと、さらには、私たちが一つになることで世界平和と南北統一が達成されることを願って、毎年6月6日に行われます。

この、仏前で行われる荘厳な儀式は、「生きている人と亡くなった人が共に悟りを開き、離苦得楽の境地に至る」という重要な意義が含まれています。

霊山斎の様子はコネストの奉元寺のページでも動画で見ることができます。

私もいつかは見てみたいと思う伝統文化です。
でも、毎年6月6日に行うので、なかなか日程が合わないよねぇ。


◆ お寺までの道

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最寄りのバス停「奉元寺入り口(봉원사입구)」でバスを降り、そこから少し歩きます。

バスが難しい場合は、延世大から歩いて来ることも可能です。キャンパス内は自然が多く、ヒーリング気分で散歩もできるので、おすすめです。以前、私がこのコースを使ったときは、リス(エゾリスのようなやつ)が数匹走り回っているのを見ました。

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お寺までの道は人が少なく、古い韓国の雰囲気がするので、歩くだけでも楽しいです。

ハンアリ(항아리)と呼ばれる壺を見て、「あぁ、この家はテンジャン(韓国味噌)とかコチュジャンとか、ひょっとしたらお醤油とかも手作りで作ってるんだろうなぁ〜」なんて考えながら、トコトコ歩きます。

坂を登って行くと、奉元寺が見えてきます。

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◆16羅漢像

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入り口には16羅漢像と呼ばれる阿羅漢の像が並びます。

ちなみに阿羅漢とは、仏教の修行を全てやり終えて最高の悟りを得た聖者のことを言います。

ここにいる16体は、賓度羅跋惰、迦諾迦伐蹉、迦諾迦跋釐墮、蘇頻陀、諾距羅、跋陀羅、迦理迦、伐羅弗多羅、戍博迦、半託迦、羅、那迦犀那、因揭陀、伐那婆斯、阿氏多、そして、注茶半託迦です。


当たり前だが、漢字だらけで読めん・・・。


◆境内の様子

境内には、大雄殿、三千佛殿、大房、極楽殿、冥府殿、弥勒殿、七星閣、満月殿、全氏霊殿、雲水閣、霊晏閣、そして、鐘閣があります。

とても広く、清々しい風が流れます。

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◆観音岩(관음바위)

写真にはありませんが、按山へ行くと「観音岩(관음바위)」と呼ばれる岩があります。名前の通り、観音菩薩の形をした天然の岩です。

朝鮮英祖24年、奉元寺を移設するために、贊汁大師が伽藍に適した場所を探していました。途中で不思議な力のある渓谷の水で喉を潤すと、この観音菩薩の形をした岩を見つけたそうで、それにより、現在の場所に奉元寺を移すことにしたという伝説が残っています。それ以降、奉元寺は新しい寺という意味の「セジョル」とも呼ばれ、現在でも観音岩に向かって祈祷する多くの姿が見られます。

【出典】韓国仏教新聞の記事より一部を翻訳
(한국불교신문 http://www.kbulgyonews.com/)

◆四季を通して姿を変える

さてさて、これらの写真は桜が散る頃に撮りましたが(曇りなのが残念)、8月に行くと境内いっぱいに咲き誇った蓮の花を見ることができます。

同じお寺でも、季節ごとに囲まれる自然の姿が変わるので素敵ですよね。

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そういえば以前、奉元寺で大学入試合格を願う「100日祈祷(백일 기도)」というのを見ました。10万ウォン(約1万円)で、全国統一試験終了日までの100日間、毎日祈祷してくれるそうです。

すごく韓国っぽいなーと思いました。

日本でも、特に天満宮など学問の神様がいるところでは合格祈願をすることも多いでしょうが、100日間っていうところが韓国のすごいところ。

しかし、100日も祈祷してくれて10万ウォンって安いよなぁ・・・。
個別に祈祷するわけじゃないからだろうけど、それでも安い気が。

値段、見間違えたかな🤨


ではでは。

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