テボルムなので麦ご飯ビビンバを食べた
そんなことを言いながら、韓国人の旦那くんは夕食のお皿を並べていたわけですが、正直な所、何の話をしているのかよく分からなかった私。とりあえず「あ~あれね」的な雰囲気を装ってその場をやり過ごし、いつものように食事を楽しんだ後は、コンピュータの前にすっと座ってカチカチ検索することにしたのです。
◇◇◇
テボルム(대보름)
名節と関係があるだろうとは思っていましたが、果たして2月24日は陰暦の1月15日でした。
新年最初の満月の日で、韓国ではテボルム(대보름)と呼ばれる代表的な名節の1つです。上元(상원)や正月テボルム(정월 대보름)とも呼ばれ、祭事風俗(※)では正月や秋夕(추석)と並んで最も重要な日とされています。農耕社会だった韓国では、伝統的に陰暦1月1日から15日までが正月、16日から農作業を再開する習慣があったためです。
ただし15日までが休みの期間というわけではなかったようで、14日までは先祖を祭り、新年の始まりを準備する期間。15日は生きている人間が新年を迎える日という意味合いが強かったそうです。
さて、前述通り、陰暦の15日は満月の日。
テボルムはのテ(대)は「大」から来ており、15日という意味のボルム(보름)と合わせると「大満月」になります。つまり、1年で最も大きく、明るい神聖な月の光が闇を照らし、疾病や災いなどの悪い運気を祓ってくれると信じられていました。
そして、この日に食べる代表的な料理の一つが、もち米、きび、小豆、もちあわ、麦などを入れた五穀飯だったわけです。
◇◆◇
麦ごはんのビビンバ
テボルムの日には他にも、クルミや栗、落花生、松の実などの音の出る堅果類や、冬の期間に乾燥させた野菜で作ったナムル(묵은 나물)を食べる習慣があります。
ということで、翌日はビビンバ(비빔밥)を食べることにしました。ナムルたっぷりの、麦ごはんで作ったビビンバです。
料理がすべて運ばれたら、まずは8種類のナムルを麦ごはんの上に慎重に並べ、たまごを中心に置きます。うん、彩もきれいで、大満足。
ここにコチュジャンを回し掛け、ごま油を、これまた慎重に垂らし掛けたら出来上がりです。お店では、お好みで醤油ベースのタレも選べました。
サイドには、牛肉入りのテンジャンチョングクジャン(된장청국장)を注文しました。
テンジャン(된장)とは韓国味噌のこと。チョングクジャン(청국장)も大豆を発酵させて作った味噌の一種ですが、納豆のような強い香りが特徴です。
このテンジャンチョングクジャン。例えるならば、ガツンとした強めの、野性味たっぷりなお味噌汁です。
ビビンバの合間に食べてもいいですし、ビビンバに数スプーン入れるのもおすすめです。味噌の豊かな風味が追加され、ご飯もしっとりとするので、美味しく頂けます。
◇◆◇◆◇◆◇
さて、肝心なお月さまですが、残念なことに今年は天候が優れず、お目に掛かることはできませんでした。雨に雪が混ざったような天気。
よし、来年に期待しよう。
■■参考サイト■■
(日本語)
・韓国のテボルム | 名節(旧正月・秋夕) | 韓国文化と生活|韓国旅行「コネスト」 (konest.com)
・オゴッパプ(오곡밥) 五穀飯 l KBS WORLD Japanese
(韓国語)
・대보름(上元) - 한국민족문화대백과사전 (aks.ac.kr)
・서울식품안전뉴스 웹진 (seoul.go.kr)