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韓国水安堡旅行#04.見ても食べても楽しい山菜定食

 前回記事の続きです。

 忠清北道(충청북도)忠州市(충주시)に位置する水安堡スアンボ(수안보)は、古くは高麗王や朝鮮王にも愛された韓国最初の天然温泉地です。

 山に囲まれた自然豊かな土地柄、昔からキジ肉や淡水に住む小さな巻貝のカワニナが郷土料理として親しまれていますが、山菜料理も有名です。今回は、山菜専門店でいただいた天然山菜の定食をご紹介したいと思います。

ヨンファシクタン(日本語だと『映画食堂』かな)

山菜定食(산채정식)

 こちらの山菜定食(산채정식)は、月岳山(월악산)で採れた天然の山菜を使用しています。メニューの横に飾られている写真を見ると分かるように、品数がかなり多いため、注文は2人前からになります。

◆前菜は豆腐(두부)

 まずはお通しにとでも言うかのように、キムチと木綿豆腐が並びました。 

 豆腐は湯がいただけのシンプルな一品で、醤油ベースのソースに付けていただきます。淡白ですが、大豆の味をしっかりと感じました。

 ここから、怒涛の山菜料理ラッシュが始まります。テンポ良く次々に並べられる小皿の大群は、写真に入りきれません。

◆テンジャンチゲ(된장찌개)と豆ご飯

 最後に韓国味噌で作ったテンジャンチゲ(된장찌개)とご飯が並び、すべての料理が出揃いました。

 テンジャンチゲには豆腐がたっぷり入っていました。出汁の効いた、さっぱりとした味付けです。

 ご飯には、これまた大きな豆がごろごろと入っています。お米一粒一粒に弾力があって、甘くて美味しかったです。

◆メインはプルコギ(불고기)

中央左のお皿がプルコギ

 山菜定食ではありますが、メイン料理はプルコギ(불고기)です。

 甘くて濃い目に味付けされた牛肉はご飯が進みますし、他のおかずと一緒にサンチュ(상추)に包んで食べるのもおすすめです。

◆山菜ナムル(산채나물)

 さて、本題の山菜料理です。

 知らない野菜ばかりで、分かるのは大根、ごぼう、しいたけ、わらび、タラの芽くらいです。

 このように色も形も似た料理が並ぶと、尚更、どれが何の山菜なのか区別が付きません。

 一体何が違うのか。

 正直、同じ山菜料理を出されても気づかないだろうと思いましたが、それぞれのお皿には山菜の名前が書かれているのに気が付きました。これは良いアイディアですね。お店の方に伺う手間も省けます。

 ほとんどの山菜は、乾燥したものを使用していました。一年中食べられるようにという工夫でしょう。

 特に青菜の山菜は味付けもシンプルで、それぞれ異なる風味と食感を味わいました。

イカリソウ(삼지구엽초・三枝九葉草)

 「食べ比べが楽しいなあ」

 そんなことを話していたら、突如として出会ってしまいました。強烈な苦みが口いっぱいに広がるイカリソウ(삼지구엽초・三枝九葉草)です。爽やかな、いい意味で青臭い山菜がほとんどだったなか、油断してしまいました。本当に、かなり、苦い・・・。でも、癖になります。

 ちなみにイカリソウは精力剤の漢方薬として知られているそうで、他にも腰痛や関節痛の改善、血行促進などに効果があるそうです。 

◆高麗人参(인삼)のてんぷら

 料理の中でもひと際存在感を放っていたのが、高麗人参(인삼)の天ぷらです。醤油ベースの爽やかなつゆに付けていただきました。

 高麗人参には独特の香りと苦みがありますが、ほのかに甘く、繊維質ではあるものの、少しほくほくっとしていて美味しかったです。

◆ツルニンジン(더덕)

 個人的に今回食べることができて一番嬉しかったのが、このツルニンジン(더덕)です。

 ツルニンジンには、高麗人参にも劣らない効能があると言われています。甘辛いコチュジャンベースの薬味を塗って焼いたトドッグイ(더덕구이)は、高麗人参に似た独特の香りと食感を楽しめる韓国ならではの逸品です。

◇◇◇◇

 これだけの品数の山菜定食は、ソウルでもなかなかお目に掛かることはありません。自然に恵まれた地方ならではの健康的な料理の数々。また機会を作って食べに来たいと思う食事でした。

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