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イノシシを拾う公務員

先日、僕の前々職である公務員についての記事を書きました。

ありがたいことにたくさんの方に読んでいただいているようで、その中の誰かの1人にでも役に立ってくれたらいいなっていうのが率直な思いです。

この記事の中にもある通り、意外な仕事を実は公務員がやっていたりするってことがあるんですよね。

そして、その仕事は該当部署への異動で、誰にでも回ってくる可能性があります。
今回はそんな仕事の中でも特に印象的だったものを記事にしてみました。

休みの日に一本の電話

あれは土曜日か日曜日の昼下がりの出来事でした。
休みの日に仕事用の携帯が鳴ります。
画面を見ると当時の上司の名前が。

せっかくの休みの日になんだよ~と思いながら出ると。。

「イノシシが死んでるから拾いに行ってくれんか?」とのこと。
場所は当時勤めていた自治体の町から外れた山間部。

ちょっと話は逸れますが、イノシシが死んでいる場所によっては僕が拾いに行かなくても良かったんです。

国道であれば国の管轄なので、国土交通省の方が拾いに行きます。県道であれば県の方が拾いに行きます。
(よく黄色いパトロールカーとか走ってますよね。)

要は「自分の土地のゴミは自分で拾って、きれいにしとかないといけない。」っていう法律があるわけです。(廃棄物処理法というやつ)

で、今回の現場は道路よりちょっと外れた場所だったので自治体が処理をしないといけない箇所だったわけです。
そんな経緯で、当時の担当だった僕に電話がかかってきました。

以前の記事にも書きましたが、自治体の規模感によっては委託業者にお願いするということがありますが、当時の僕が勤めていた自治体ではそれがありませんでした。

周りから見られている感

突然の出来事ですが、本当であれば断りたいところです。
例えば一般企業に勤めている場合であれば、「いま出かけていて…」なんていう嘘の1つでもついて、断ることもできなくはないです。

でもなんかこう、言い方は難しいですが、公務員という立場上、うそをついて断ることはできないんですよね。
もちろん一般企業でも嘘はついちゃいけないんですが。。

要は、これはあくまで当時の僕の感覚ですが、「公務員の立場として嘘をついて仕事を断るというのは、住民の方に対して嘘をついている」ような感覚があったんですね。

なので、断るとかそういう選択肢はありませんでした。
実際他の公務員の方でも、命令があれば嘘なんかつかずに対応する方がほとんどだと思います。(もちろん本当に都合が悪いときは上司や他の方にお願いすることもできました。)

要は、公務員という立場が自分を縛り付けていて、常に住民の方の目を気にして仕事をしないという状況だったんですね。

軽トラにイノシシを積んで

そんなこんなで、結局自分で軽トラを運転して現場に向かいました。
横たわっていたのは80キロくらいの大きなイノシシ。

僕より重いです。当時は筋トレなんかやってないので、持ち上げることなんてできませんでした。
後ろ足を持って引きずろうにも、ビクともしません。

なので、結局上司の助けを求めて来ていただき、2人掛かりで何とか荷台のせ、運んで行ったのです。
その時の腐敗臭やらハエのたかり具合は、思い出すだけで吐き気がします(笑)

そんなこんなで僕の休日は終わりました。という話でした。

まとめ

そんな経験を公務員の頃にしました。
何度も繰り返しになりますが、僕はそういう特殊な部署の試験を受けたわけではなく、一般事務として自治体職員の試験を受けてから入庁しています。

なので、その自治体に同じ試験を受けて勤めていたら誰にだって、その部署に異動する可能性もあったというわけです。

ただ、ちゃんと休日出た分は振替休日として平日に休みを取ることができました。この辺りは公務員はしっかりしていますよね。

なので、これから公務員を目指す方は、入る自治体によってはそのような可能性があるということだけは考慮して、試験を受ける自治体を選ばれた方がよいのではないかと思います。

公務員1つとっても、入る自治体によって職務内容が全然違ってきます。
何かの参考になれば幸いです!




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