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-人間の内面は外的な運命よりも強靭-フランクル先生の著書『夜と霧』を読んだ

先日、フランクル先生の著書『夜と霧』を読みました。
その中で、心に残った言葉はたくさんあったのですが、
一番心に残ったのは『人間の内面は外的な運命よりも強靭』という言葉です。

今日はこの、『夜と霧』についての感想を書いてみようと思います。

〇 『夜と霧』を読んだきっかけ

昨年、キャリアコンサルタントの資格取得のための勉強をしました。
その中で、精神科医で心理学者のフランクル先生について学びました。

詳しい内容は学ばなかったのですが、「ロゴテラピー」を創始したフランクル先生。著書に『夜と霧』がある。と学びました。

この『夜と霧』は、フランクル先生自身がユダヤ人として強制収容所に収容され、生還した体験を記載したものです。

私はキャリアコンサルタントの資格取得中は、この著書を読んでいませんでした。

「強制収容所での体験・・辛いだろうなあ・・。」

辛い内容だと思って、読むのを躊躇していました。

最近ふと、何かの本で「ロゴテラピー」という文字を目にしました。
「ロゴテラピー」といえばフランクル先生です。
この「ロゴ」とは、「意味」という意味です。

フランクル先生は、「意味への意志」について提唱しています。
「意味への意志」とは、人間は生きる意味を強く求める、という事です。

私は、「意味への意志」について提唱しているフランクル先生は、『夜と霧』でどんな体験を綴っているのだろう、と思い、読んでみることにしました。

〇 読んだ著書

V.E.フランクル 池田香代子訳|『夜と霧 新版』みすず書房|2002年

〇 『夜と霧』から、感じ取った感情

著書からは、様々な複雑な感情を読み取りました。
私がその感情を列挙したとしても、まだまだ表面的なことかもしれませんし、表現し難いものではあります。
ただ、一つ言えることは「辛い」という感情だけでは無いという事です。

例えば、受け入れ難さ、絶望、過酷さ、希望、雄大さ、ユーモア・・

極限の状況の中で、様々な感情が渦巻いています。

読み始めて、はじめの数ページは、「辛いだろうな・・」とおそるおそる読みました。
しかし、途中くらいから、様々な感情が渦巻いている中で、夢中になっていっきに読み進める感じでした。

また、本書の内容には、「余白」があるように感じました。
現実に起こっている辛さや過酷さも、もしかしたらもっと詳細に書けたかもしれません。心の内面の希望や雄大さも、もっと詳細に書けたかもしれません。

それを敢えて詳細には書かず、「余白」を残していることで、読み手にも感じ取る「余白」を残してくれているような気がします。

〇 心に残った言葉

収容所にあって完全な内なる自由を表明し、苦悩があってこそ可能な価値の実現へと飛躍できたのは、ほんのわずかな人びとだけだったかもしれない。けれども、それがたったひとりだったとしても、人間の内面は外的な運命より強靭なのだということを証明してあまりある。

V.E.フランクル 池田香代子訳|『夜と霧 新版』|みすず書房 2002年 |114ページ

私はこの、「人間の内面は外的な運命より『強靭』なのだ」という所に、力強さを感じました。

また、フランクル先生が「意味への意志」について提唱しているのも、この壮絶な体験をして、身をもって提唱しているのだと思います。
意味への『意思』という言葉にも、力強さを感じます。

〇 おわりに

フランクル先生の著書『夜と霧』からは、辛さだけではなく、様々な感情を感じました。そして、人間の内面についての「力強さ」についても感じ取ることができたと思います。


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