小説「龍馬がやってきた~僕の鉄道維新物語⑦~」
7 別 離
「あぁ、しゃべりすぎたら少し腹がへったがぜよ」
龍馬さんは店内をぐるりと見回した。店の壁にはおすすめの料理が貼ってあり、それを見ている。そして「おお、軍鶏(しゃも)鍋があるじゃなかか」
「そうだ。龍馬さんは中岡さんとしゃも鍋を食べようとしていたところを……殺されたんでしたね」
「あぁ、わしとしたことが全くの油断じゃった」
僕は店員を呼びしゃも鍋を二人前注文した。南郷さんらが店を引き上げてからしばらくが立つ。僕は龍馬さんと残り、今日一日の出来事を二人で思い返してい