週末のピスタチオ

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最近の記事

「どうにもゾワゾワする言葉」

おかげさまで、Webライターとしての依頼も増えてきた。例によって「どうしても気になる言葉」が溜まってきたので、備忘録を兼ねて書き留めておきたい。 深掘る おそらくは「深掘りする」の派生だと思うが、まだまだ一般的ではない。そもそも、響きとして何となく下品である。だいたい、「深掘りする」も「深く掘り下げる」の省略形なのだから、それをさらに短縮してどうしようというのか。 日常語としても、書き言葉としても使いたくない言葉である。 ドン引く 「ドン引き」はかろうじて知っていた

    • 「オワコン化するレジェンドたち」

      ついに、というべきか。 「きらきらアフロ」が9月いっぱいで終了することが発表された。 私自身、「きらきらアフロ」は初回から見ているわけではなく、最近になって気が向いた時にレコーダーのタイムシフト再生でちらっと覗き見する程度だったのだが、「笑っていいとも!」然り、25年以上続く長寿番組が幕を下ろすというのは、テレビフリークとして感慨深いものがある。 ここのところ、「レジェンド芸人のオワコン化」が急速に進んでいる。ある意味では老害といってもいいだろう。最近でも明石家さんまの

      • 「この声が届いたら」

        「この空を飛べたら」という名曲がある。作詞・作曲、中島みゆき。自由へのはかない渇望を歌った1曲だが、私の場合、「この声が届いたら」とジレンマにかられるシチュエーションがわりと多い。 私には脳性麻痺にともなう重度の言語障害があり、発話によって自分の意思を直接伝えることは基本的にはできない。普段のコミュニケーションにはPCやスマホの文字入力、あるいはアナログの五十音表を使っている。 しかしながら、何らかのアクシデントによりそれらのアイテムが使えない時には、やむを得ず発話による

        • 「『古畑任三郎』再放送に思うこと」

          ここのところ、毎日「古畑漬け」である。 『古畑任三郎』初回放送からちょうど30年ということで、ファーストシーズンから2006年の『古畑任三郎ファイナルSP』まで地上波で一挙放送される。私のような自他ともに認める「古畑フリーク」にとってはまさに、待ちに待ったスペシャル企画である。 しかし……古畑の再放送を見る度に、ほんの少しだけ心がざわつくのだ。 『古畑任三郎』が地上波で再放送される場合、オリジナルのパッケージのままで100%流されることはまずない。本放送との時間枠との違

        「どうにもゾワゾワする言葉」

          「歌姫を待ちわびて」

          中森明菜が騒がしい。 正確に言えば中森明菜そのものではなく、その周辺が何やら「中森明菜待望論」で盛り上がっている、という話なのだが、とにもかくにも、ここ数カ月の週刊誌は中森明菜復活論で持ちきりである。 私も最初のうちはたかだか週刊誌ネタだろうと冷めた目で見ていたのだが、地上波のワイドショーでも度々取り上げられるようになるとあながち無視もできなくなった。 中森明菜本人としても公式YouTubeやファンクラブを軸に活動再開に舵を切っており、2024年の紅白出場もあながち無責

          「歌姫を待ちわびて」

          「社会はヤクザでまわってる」

          山川光彦著「令和の山口組」読了。昭和の時代に隆盛をきわめ、現在もなお威光を放つ山口組の現状と問題点について研究者の立場から書き尽くした1冊。 徹底した現状分析はもちろんのこと、神戸芸能社、ひいては江戸時代までさかのぼり、山口組の起源まで詳しく掘り下げている点が興味深い。きわめて個人的な話になるが、幼い頃から父親が家でよく「仁義なき戦い」シリーズを観ていたため、暴力団や任侠の世界は何となく知っているつもりでいた。 こちらの本では何かと話題になった「暴力団排除条例」についてや

          「社会はヤクザでまわってる」

          「障害者の(クローズ)問題」

          Webライター歴、16年。まがりなりにも社会人として働き対価を得る、という経験をする中で、常日頃から考えることがある。 「職場でのクローズ問題」 ここでいうクローズとは、障害者が自身のハンディキャップを企業側に公表せず勤務すること。なお、ハンディキャップをあらかじめ伝えた状態で入職することをオープンという。 クローズ・オープン問題は以前より議論されてきたが、実に根深い。一般企業で働くうえでは障害をオープンにしたほうが有利にはたらくが、実際にはクローズの状態で働きつづける

          「障害者の(クローズ)問題」

          「森田一義にとって(タモリ)は何だったのか?」

          太田省一著「『笑っていいとも!』とその時代」読了。お昼の伝説的バラエティ「笑っていいとも!」を軸に、50年以上に及ぶタモリの芸能人生と彼を取り巻く時代背景を切り取った芸能ルポルタージュ。 私にとってタモリは、「すでにそこにいる存在」だった。「笑っていいとも!」は「学校が休みの日に見られるレアな番組」だったし、「世にも奇妙な物語」で見せるストーリーテラーの顔からは大人の狂気と少しの色気を感じていたものだ。 もともとアナーキーな毒気を身上としていたタモリだが、「笑っていいとも

          「森田一義にとって(タモリ)は何だったのか?」

          「新たな居場所を見つけつつある話」

          先日、Xでライターの募集案件を何となく検索してみたところ、興味深い団体を見つけた。 「政経百科」 10代~20代の若者を中心に、国内外の政治経済関連のトピックについて記事の形で発信したり、議論を交わしたりする団体らしい。ライター募集というキーワードで検索に引っかかったが、オンラインでの座談会も定期的に開いているとのことだった。 早速、団体の公式LINEに登録。すぐに直近の定例会の案内が届いたので、思いきって参加してみることに。オンラインだがZoomであればチャット機能を

          「新たな居場所を見つけつつある話」

          「この社会の片隅で」

          「ハートフルワールド」をネットフリックスで見た。河川敷のホームレスや外国人労働者、風俗嬢、高級クラブのホステスまで、社会の片隅でひっそりと(しかし懸命に)生きる市井の人々の人生を記録した、CBCテレビ制作のドキュメンタリー。 ホームレスや風俗嬢など、毎回1つのテーマに沿ってドキュメンタリーは進んでいく。東海地方で放送されるテレビ番組ということで名古屋・岐阜あたりが取材のメインだが、多摩川で暮らすホームレスが特集される回もあり、他人事ではいられなくなった。 LGBT、外国人

          「この社会の片隅で」

          「明るいひきこもり生活」

          6月からついに、FF14デビューしてしまった。 厳密に言えばこれまでにもFF14はPS4でプレイしていたのだが、30万のノートPCを思いきって購入したということで、PC版でも遊んでみることにしたのである。 ノートPCでFF14がプレイ可能かどうかについては、購入前に店頭ですでに確認済み(店員がわざわざその場でベンチマークプログラムをインストールしてくれた)。 購入後、自宅でも念のためベンチマークを実行したところ、「とても快適」の表示。サウンド、グラフィックともに申し分な

          「明るいひきこもり生活」

          「キレイゴト抜きの遺伝学」

          安藤寿康(じゅこう)著「教育は遺伝に勝てるか?」読了。遺伝学のスペシャリストの観点から、「才能は遺伝か、努力か」という永遠のテーマにこたえを出した1冊。 中学校の理科でおなじみの「メンデルの法則」を下敷きに、遺伝の基本的な仕組みや遺伝子が及ぼす影響の割合について解説が進んでいく。高度で専門的な内容ながら、小中学生レベルの知識を前提として解説が進められるため、理系オンチの私でもそれなりに理解できた。 「才能や能力において遺伝の影響は決して無視できないが、すべての遺伝子が影響

          「キレイゴト抜きの遺伝学」

          「ますだおかだはなぜ(松竹の中川家)になれなかったのか」

          中村計著「笑い神 M-1、その純情と狂気」読了。2000年から始まった漫才の頂上決戦「M-1グランプリ」を軸に、笑い飯、千鳥、ブラックマヨネーズなど歴戦の勇者たちの栄光と葛藤を克明に記録したドキュメンタリー。 笑い飯をはじめ、吉本芸人のルポルタージュが綴られる中で、ますだおかだの記録が出色だった。「M-1」の歴史においては数少ない松竹芸能所属のコンビということで、当時は差別と偏見がかなり強かったようだ。「非吉本」という重圧を見事にはねのけ、ますだおかだは2002年のM-1で

          「ますだおかだはなぜ(松竹の中川家)になれなかったのか」

          「破天荒、ときどき繊細」

          5月26日放送、日本テレビ系列「電動車いすヤンキーもんちゃん~僕は優しさを広げたい~」を観た。生まれつきの難病により全身を自由に動かせない体でありながら北海道札幌市で自立生活を送り、Webデザイナーとして生計を立てる「もんちゃん」の暮らしに密着したドキュメンタリー。 両手の拘縮が進み、腕が胸の高さまでしか上がらないもんちゃん。電動車椅子への移乗にも10分以上かかるという大きなハンディを抱えながら24時間ヘルパーを利用し、地域で自立生活をエンジョイするその姿は素直に憧れだった

          「破天荒、ときどき繊細」

          「共生か対立か、敗北か」

          今井翔太著「生成AIで世界はこう変わる (SB新書 642) 」読了。昨今何かと話題の生成AIの現状と将来的な展望について専門家の視点から語り尽くした1冊。 はっきり言って、専門的な解説部分は私にとっては難解すぎて1ミリたりとも理解できなかった。やはり、生まれついての文系人間には理系の最前線は縁遠い世界らしい。 とはいえ、とにもかくにも生成AIの台頭によって多くの職業が存亡の危機にさらされることは理解できた。特にライター業は人工知能との親和性が高い領域であり、1カ月後にも

          「共生か対立か、敗北か」

          「ジェンダーって何だ」

          シェアハウスに入居してから、漫画をよく読むようになった。王道の「週刊少年ジャンプ」から始まりマガジン、サンデーと、今では主要なコミック雑誌をほとんど読んでいる。 どの作品もそれぞれに刺激とオリジナリティがあり、読んでいて惹き込まれるのだが、漫画を読んでいて時々、ふっと心がざわつく瞬間がある。 「ジェンダーって何だ」 漫画(あるいはコミック)を読んでいると、そんな疑問が浮かぶ。書店のコミックコーナーには胸の大きい、いわゆる巨乳(爆乳?)とされる少女が表紙の作品がずらりと並

          「ジェンダーって何だ」