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開業、創業、起業

結局は振り出しに…

  2ヶ月半ほど前に書いた記事を、もう一度読み返してみる。
    この頃、まだ実家の母は入院中。誰も居ない実家の留守番を兼ねて、譲り受けた土地や建物の周辺を片付けていた。
    猛暑の続く夏が訪れる直前のこと。既に日射しは強く照りつけ、たまに降る雨のたびに伸びる雑草に頭を悩ませていたのが、ついこの間のように感じる。
    土地と建物を譲り受け、これを基盤に仕事をしようと画策していたのだが、手詰まり感が半端無い。
    法人(合同会社)を設立してはみたものの、動き始めるための資金の確保も儘ならない状態。一度休業の手続きをして、次の一手を模索することにした。

春先の建物の様子
玄関前が少し明るくなった。この頃は、なんとか事業スタート出来ると思っていたのだが…


    行政書士業のほうは、事務所を整備していないにも関わらず、知人からは少しずつ相談をいただくことがある。まずはそれを切っ掛けに立て直しを図ろうと思う。
    それにしても現金収入が途絶えて久しい。ここ数年、心身ともに不調続きだったこともあって、現実から目を背けてしまっていたことは否めない。改めて通帳残高を見て青ざめている。遅ればせながら固定支出の見直しに手を付け始めた。今さらではあるのだが…
    なんとかなるだろうといった楽観的な気持ちもあった。動き出せば何かが変わるだろうと思っていた。実際変わったことは間違いない。少なくとも良くなってはいない。
    しかし諦めずに、もう少し悪足掻きしてみる。
「持てるものは、その責任を負う」
    そんなことは散々わかっていたはずなのに、どこか他人事だったのだ。この5、6年の間に病気とケガで2回も命拾いした自分なのだから、何か為すべきことが残っているのだという、根拠のよくわからない使命感を持っていたのも確かだ。
    たぶん、これから寝る間を惜しんで働かなければならないのだろう。寝る間が無いほど仕事があればいいのだが、如何せん年齢の問題もあるし、体力の衰えは誤魔化せなくなった。
    人生の岐路は、これまでも幾度となく訪れた。今、目の前にある問題は、それらの選択が招いた結果だ。
    金を選ぶか、命を選ぶか…
    少なくとも公務員という立場を捨てなければ、おそらく金銭的に困ることは無かっただろう。ただし、あの時の状態で仕事が続けられたとは思えない。いずれはメンタルを病んで退職していたかもしれない。鬱の入り口に差し掛かっていたように思う…というか、メンタルクリニックでもそのように診断されていた。何せ、朝方になると理由もわからず涙が溢れていた。取り返しのつかない症状になる前にストレスの原因から離れて良かったのだ。
    次の試練は頭への直接ダメージ。
    高所転落からの外傷性くも膜下出血の診断…これは本当に参った。入院中、起き上がると襲ってくる吐き気と闘いながら、連日の作業療法と脳の働きを診断するテストが繰り返された。
    レントゲン写真やCT画像から頭蓋内出血の影も消えたので退院したのだけど、ともかく頭が働かないのが自分で実感できる。
    本や新聞が読めないのだ。スマホの画面に出てくる文章は読めるのだけど、紙媒体の活字を読み進めることが出来ない。雑誌やマンガも読めなくなった。気分転換しようにも、その気分が起きないし、気力が湧いてこないから体も動かない。初めての経験だった。
 この3年間というもの、それの繰り返しで、とても気力を振り絞って新しいことにチャレンジすることなど考えられなかった。
 今思えば、動き出しがあと2年早ければ、金銭的にはもっと楽だったろう。そのことを悔やんでも仕方ない。あちこち遊び回ってたり、YouTubeチャンネル動画のシナリオ書いたり、このnoteに駄文を開陳していたではないかとお𠮟りを受けるかもしれないが、すべて元通りに頭を働かせるためのリハビリだったのだ。
 自分の好きだったマンガから徐々に読むことに慣れていき、最近は雑誌や新聞にも目を通せるようになった。

 動画のシナリオライティングは、依頼を止めてもらっているので、現在は書いていない。とてもじゃないが、ストーリーの組み立てまで頭が回らない。
 プロットまで提供するから、シナリオライティングだけ請け負ってもらえないかと打診されたが、そもそも無理のあるプロットを示されても、それに従ってストーリーを書き上げるのは困難を極める。しかも文字単価が安すぎる。あらかじめプロットまで示しているのだから、今までの半額で…とか言われてもお断りである。文字単価にして0.2円以下…そんな金額ではやってられないのだ。以前、請け負っていたクライアント様は、プロットを提供されてのライティングだったけど、字数も少なくて、文字単価に換算すると0.3円ぐらいにはなっていた。
 これからWebライターに挑戦しようとしている方々、安すぎる単価では良い仕事は出来ませんよ。少なくとも文字単価1円以上にならないと仕事になりません。一日1万文字書ければ一日1万円。それぐらいなら仕事とも呼べるだろうし、0.5円ぐらいで請け負うのなら、趣味と実益を兼ねて小遣い稼ぎにはなる。それ以下では話になりません。気を付けましょう。
 単価アップしますとか、昇給ありですとか言っても、私は半年以上経って、自分の書いたシナリオで作成された動画の再生数が、それなりの回数になっても単価は上がりませんでした。

 さて、行政書士業務なのだけど、ともかく法律やら条令を読み取って、申請に必要な情報を集めなければならない。ようやくここまで漕ぎつけたと思う。
 ゲストハウスについて、そのロケーションから興味を持ってくださる方は多いのだが、如何せん整備にかける資金に全く目処が立たないでいたところ、なんと妻が突然出資を申し出てきた。
 晴天の霹靂というか、かなり嬉しい申し出ではあるけれど、もう少し冷静に状況を分析して判断することにしよう。
 夫婦で路頭に迷うようなことはあってはならないからだ。
 差し当たって現金収入を得るため、別の仕事先も紹介してもらった。そこで働くかどうかは未定だが、ここまで来たらやれることは何でもやろうと思う。
 そして、まずは建物をなんとか使えるようにして、そこから始めるしかない。

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