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実家通信

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週に一度、都内の実家に泊まりで通っています。 こちらのnoteマガジンには、認知症で要介護認定を受けた母と過ごす時間の記録、ぼやきを含めたつぶやきなどをまとめています。 実家から…
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#認知症

夕食後、実家に一つだけある苺スプーンで苺をつぶしイチゴミルクを作っていたら母が自分もそうしたいと言う。スプーンを渡したら「こりゃ便利」と嬉しそうにつぶしている。練乳と牛乳をかけてあげたら「こりゃ美味しいわ!」とまるで初めて食べたかのように無邪気に喜んでいる。’忘れる’ことも佳き。

食べてもらうしあわせ

食べてもらうしあわせ

最後に母が作ったものを食べたのはいつだったのだろう。
料理好きだった母が、料理をしなくなり半年近くが過ぎた。正確にはできなくなって、だが。

今でも私たちが「お母さん、このキャベツ切ってくれる?」「これ菜箸で炒めてくれる?」とお願いする形で作業をしてもらうことはある。
すると、迷いなく手は動く。何十年やってきたことだ。体が覚えている。

料理をするということは、思っている以上に様々な段取りや手順が

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こんなことしてていいよ

こんなことしてていいよ

母の抑うつ状態が続いている。

「認知症になったら、人が変わったようにずっとニコニコしているの」
いつだったかそんなお友達の親御さんの話を聞いたこともあり、たとえ何もわからなくなっても、穏やかに微笑んでいてくれればいいなぁと思っていたが、現実はそうではなかった。もちろんこれからそうなることもあるのかもしれないが。

最近の母は
「お母さん、こんなことしてていいの?」
「お母さん、ここにいていいの?

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きのう初めて母を

きのう初めて母を

きのう初めて母をお風呂に入れた。
すっかり足腰が弱くなり、認知機能も衰え、実家の古いお風呂に1人で入るのが難しくなってきたから。

着替えを手伝うことはしていたけれど、お風呂の介助は初めて。
私は服を着たままで。
腕まくり足まくりをしたら気合いが入った。

まだ寒いので、重ね着しているから服を脱がせるのも一苦労。一枚、一枚…脱ぐのにも時間がかかる。やっとのことでスッポンポンになった母は、痩せてしま

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週に一度のおツトメ。夕方、実家に着くと母が驚いた表情で「どうしたの??」という。「毎週来てるでしょ」「お母さんのごはん作りにきたよ」と返してもワケわかってない。もう慣れたけど。台所に行くとテーブルにジャムの瓶。トースターにはパンが用意されている。母なりに夕飯の準備をしたらしい笑。

ハッピーバレンタイン♡お休みの今日は朝から母のレクリエーションにおつきあい。最近は歌のほかに塗り絵も楽しんでいる。姉が用意してくれた高齢者用の塗り絵は、ページ毎にひと言と大きくてシンプルな絵。母がこれまで塗ったページを得意げに見せてくれた。黄色いバラとありがとう。上手に塗れたね。