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「書く本」を読み比べてみたら━

いやぁ、久々に本を読みながら声を出して笑っちゃいました。

なんて、面白い人なのだろう。

電通でコピーライターとして勤務しているときに、Xに投稿した映画の感想が、とあるサイトの主催者の目にとまり、その後、執筆依頼がくるようになり電通を退職。

青年実業家ならぬ「青年失業家」と名乗り、様々なサイトに寄稿している田中泰延さんの本。

ライターさん、就活中さん、読んでみて

本を開くと、「なんでこんなに文字も行間も大きくて、文章量が少ないの?」と思ったら、「今の人は長い文章は読まないから、文字は少ないほうがいい」とあり納得💦

出だしから笑えて、どんどん本に引き込まれていきました。
就活のエントリーシートの書き方も大爆笑!
とはいえ、これが役立つのです。

いゃあ、さすがとしか言えません。

とにかく簡単に読めて笑えるけど、「書くこと」にまつわる貴重な内容がしっかり詰まっています。

これまで読んできた文章読本とは全く違う観点で書かれていて、特に「ターゲット(ペルソナ)を決めて書かなくていい」とか「人のために書くのではなく、自分が読んで面白いもの、自分のために書け」という言葉に驚きました。

なにしろ、これまで聞いてきた一般的な文章術とは真逆ではないですか。

でも、それで見事に結果を出しているだけに納得せざるを得ません。


一方、50歳からブロガーになり、出版&起業された中道あんさんの本では、真逆のことが書かれていました。

2人に共通することは、元々文章を書いていた人ではないこと。
そして、ライターとして活躍し、編集者から声をかけられて出版されていること。

田中さんはコピーライターだったけれど、長くても200字しか書いたことがなかったそうです。

そして、中道さんは、マーケティングの仕事に携わっていました。

それだけに、書く際は「具体的に誰に向かって書くのかペルソナをハッキリさせること」を重要視しています。

何歳の何処に住んでいる人で、どんな職業をしていて家族構成は、、、と、これでもか!というほど、届けたいターゲットをより具体的に落とし込むワークが本書に載っています。

「たった一人のために書け」と。

一方で田中さんは、「たった一人のために書けとよく言うが、それならLINEで送ればいい」という、笑。

書く媒体は違えど、「ペルソナを決めたところで、広告は新聞、雑誌、駅など、あらゆる世代が見るものだから、誰に刺さるかわからない。だから決める必要はない」と田中さん。

そういう意味では、Webに掲載されるブログというものも、広告同様、いろいろな世代が見る事ができる場所であり、同じことが言えるかもしれません。

とはいえ、どちらが正解とかではなく、どちらも「そうだよな」と納得するだけに、答えは自分で出すしかないのでしょう。

田中さんの凄さは◯◯にあり

まだWebライターという職業がなかった頃、私は紙媒体の編集をしていたのですが、記事は全て取材して書いていました。

ところが、現代はWebというものが主流になり、Webライターが書いている内容は、ほぼWebで調べて書いているものが多いのではないでしょうか。

既にWebに掲載されているものをパズルのように組み合わせて記事にしているものが多い印象を受けます。

Webだけでなく、本も参考に調べて書くという人もいるでしょう。

もちろん、そうではない記事も沢山あります。

とはいえ、Webの仕事依頼がきたとき、キーワードと構成を見たら「あれ?これ競合媒体で見たものと、ほとんど同じ内容だ」と思ったことが、、、。

Webライティングに面白さと物足りなさを感じてしまうのは、取材記事を書くことをしてきたからかもしれませんし、好みの問題もあるでしょう。

田中さんにとって、書く意味は、「まだ誰も読んでいない文章を自分で作る」ことにあるそう。
だから「誰かがもう書いているなら読み手でいよう」との鋭い言葉が刺さりました。

 他人と同じことを書いてネットの世界に放流すると、あなたのもとに寄せられる反響は「◯◯さんが言っているのと同じですね」である。他人の真似をして書いたもので原稿料をもらおうとすると、あなたのところにやってくるのは賞賛ではなく、警察である。もしくは著作権者からの内容証明郵便である。
「わたしが言いたいことを書いている人かいない。じゃあ、自分が書くしかない」
 読み手として読みたいものを書くというのは、ここが出発点なのだ。

『読みたいことを、書けばいい。』(田中泰延/ダイヤモンド社)

また、書く際は「情報の原点」を探しに探し、情報の行まりを見つけ、その一次資料を元に記事を展開していくという。


こんな風に、書き方にはいろいろあるけれど、最終的にどうしたらいいかというと、、、

田中さんの本の最後のページにあるオチが見事で、また笑ってしまった。

その「見せ方」にも。


そんなわけで、興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

文字が大きく、文章量が少ないので、数時間でパッと読めますし、本当に笑えます。

「自分が読んでも、面白いと思える記事」が書けているかな、、、と、それを忘れかけていたなと考えさせられる本でした。

それでは、また。

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