5.26 ルアンパバーン、手漉き和紙と織物

今日からやっと手仕事の旅に戻る。

これまでラオスでやってたことの8割は
よ!1杯!と言ってくれる愉快な地元の人たちと
ビールを飲んでたことである。

連日飲みすぎて、
今日は飲まない、と言っても
地元の人に誘われあれよあれよと
たのしく乾杯する毎日。

血液がビアラオに入れ替わっていて
寝不足でもある。
熱中症も相まって2人ともさすがに少し
具合が悪い。

今日は絶対何があっても飲まないと
ビアラオ不可侵条約を結ぶ。

朝は通りかかったお店でカオソーイという麺を。
賑わっていてオープンでいいお店。

まずは芸術美術少数民族センターという所へ
行ってみる。

印象に残ったのは、
少数民族の伝統的なテキスタイルの模様が
''インスピレーション''と言って
彼らの伝統や模様の意味を学ばず
違う形で模倣され、彼らには恩恵が全くない
ファッション業界の展示と
それに対する取り組み。

リスペクトを持った行いならば
彼らの伝統や大切にしているものが
様々な人に伝わりながら公正な価格で取引され、
彼らの生活にも恩恵があるように思えた。

テキスタイルやファッションに限らず、
模倣品は線引きが難しい。

手仕事を見てただただ可愛い、キレイ、と
言うだけにしたくない気持ちが共感する。

どんな人たちが、どんな生活の中で、
どんな意味を持ってその手仕事を作っているのか、どんな風に生活に溶け込んでいるのか。

どのようにしてその手仕事が発展しているのか、
風土や境遇ならではの物語を知りたいし
それを伝えられるように
手仕事の記事を書いている。

次に手漉き和紙と織物の村へ。
ラオスはコットンとシルクが有名なよう。

村からは離れているが
近くの手漉き和紙の工房へも足を伸ばす。
花や葉っぱが並んだ
表面のボコボコした素朴で可愛らしい
ラオスの紙が大好きになった。

直感で気に入ったノートを持ち帰り。
手提げとして入れてくれた袋も
ノートにぴったりの色の手漉き和紙で
きゅんが止まらない。

全部で歩いて1時間近くあり、
暑すぎて毎度おなじみの熱中症気味。
途中でカフェで休憩する。

こういう時は結局
キレイで冷房のついたカフェを
選んでしまう。

そして再開。
30分ほど歩いて村が見えてくる。

1番手前のお店がいきなり
素敵な雰囲気を放っていて足を止める。

大きな窓の奥にはメコン川と自然が広がり
静寂と誠実さのある雰囲気。

奥で話していたのかご飯を食べていたのか、
奥さんと旦那さんが気が付き
電気と扇風機を付けてくれる。

そして奥さんは織り機の続きを再開する。
実際に作っていなくても
織り機が置いてあり、
少しパフォーマンスをして
ハンドメイド、という所もあるだろう。
けれど、彼女からは誠実なものを感じる。

色んな糸を手繰り寄せて
複雑な模様を織っていく。
その様子が美しく、しばらく見とれていた。

優しそうな旦那さんが
テーブルクロスを広げて見せてくれる。
壁に掛かった大きな作品は
2ヶ月もかかるそうだ。

もっとたくさんこの工房の事や模様のこと
ラオスとルアンパバーンの織物のことを
聞きたいが、言葉の壁がもどかしい。

その後も村を歩いていて、
気になったお店を見て入るも、
やっぱり最初の織物の工房が好きで
ときめいている。

村には手漉き和紙の工房と織物の工房が
点在している。
ヴァンビエンで見た素敵な雑貨屋さんに
置いてあり、工房の名前を
教えてもらったところもあった。

工房の横にショップがあり、
庭に咲いているお花や葉っぱを詰んできて
並べていくのが素朴でとても可愛らしい。
ラオスらしくてもっと好きになった。

ここでもハガキサイズのノートを購入。
友達や旅中にお世話になったみんなに
これで手紙を出すのが楽しみだ。

だけど、この街のことや手漉き和紙のことは
やっぱり上手く聞けない。
楽しく飲むには少しの言葉でも充分だが、
深く知りたいときの言葉の壁に
もどかしさを感じる日だった。

一通り歩き終わり、お腹が空いている。
暑さもありどこかに入って休みたい。

外に机が出ていて地元の人が食べており
隣で桶でたくさんの食器を洗っている。

けれどメニューが置いてあったりする
雰囲気はなく、ここはレストラン?と聞くと、
違うよ〜と行ってすぐ隣の奥に
川の景色の綺麗なレストランがあるよと
教えてくれる。
シャイだけど明るく答えてくれて
優しさが溢れ出ていた。

行ってみると、小雨がパラパラ
降ったり止んだりしているが、
メコン川が良く見えていいところ。

曇りだが少し晴れ間から
青空も見えてサンセットが
見えるか見えないかの時間。

この景色とメニューを見て、
流石に1杯と結局ビアラオを飲んでしまう。

のどかなメコン川の眺めと
美味しいおつまみはあるが、
地元の人たちと連日賑やかに飲みすぎたせいで、
元気なニョック!モッ!が恋しく
2人だけでは寂しく感じる。

が、2人だけなら
1本軽く飲むだけでも全然満足で、
やっぱり地元の人たちとは
飲みすぎていたと再認識。

明るいビアポリスのおじさんが
少しグラスが空こうものなら
じゃんついできて、
乾杯!一気!と言われ
がんがん飲んでいたのだ。

高校生くらいの女の子たちが3人で
注文を取ったり運んできてくれたりする。
妹がビアラオTシャツとビールを片手に
写真を取っていたら中々爆笑されていたらしい。
可愛くていい子たちである。

お手伝いの場所を聞いたら、
あっちと指差しをせず
曲がり角まで言ってここを真っ直ぐ
左手です、と教えてくれた。
やっぱり可愛くていい子たちである。

飲んでいるとお店に入ったときに
少し話してくれた女性が
声を掛けにきてくれた。

ラオスのあとはバンコクに戻って
チェンマイに行くと話すと、
本当に?わたし、チェンマイ出身なの!
と、とても可愛らしい笑顔で話してくれる。

そしてしばらく話して、
宿とここへどうやって来たの?と
聞かれたので、

徒歩できて、帰りはタクシーを呼ぼうかな、
と話すと、ここはタクシーいなくて呼べないよ、
彼氏に聞いてみる、と言って
便利な橋まで送ってくれることに。

その橋は車は通れないが、
宿までは20分の距離。
熱中症で少し具合の悪い中、
40分も歩くのを短縮してくれ、
女神に見えた。優しすぎる。

そして橋。
原付の通れる道の横に
申し訳ない程度に追加されたような徒歩の道が
足元が空いていて怖すぎる。
支えているのが1mおきに
鉄の棒のような細さだけ。

しかも長いので行きもひぃひぃ
言いながらなんとか歩いたあの橋。

帰りは少し飲んだのもあり、
また余計に怖さが増す。
ジェットコースターは普通だが、
トンネルや高速の運転だったり
不安定な高いところだったり
信頼できない場所が苦手である。

変な汗をたくさんかきながら
気の遠くなるような橋を歩く。
渡りきったときにはかなり
具合がかなり悪くなっていた。

宿に戻ってゆっくり休む。
ラオスでは毎晩飲んで帰ってきて
寝るだけだったので、
日記が相当溜まってしまっていた。
久しぶりに書けたこの感覚がうれしい。

1杯は飲んだとはいえ、
血液もビアラオがやっと抜けてきて
正常に戻りつつあるも、
明日はライスウイスキーの街である。

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