94日目🇳🇵7.24 サランコット、高級宿とワイン

今日は簡単に。

朝はなんだか頭が重い。
最近気付かれすることもあったり
旅が中だるみしているのか
無気力な時間が流れている。
なんだかなぁ、と思っていたが、
最高な時間が待っていた。

神宿のオーナーが
日本人がマネージャーをしている
宿が近くにあるから
行ってみるといいよ、と
教えてくれて出陣。

ネパールのことや
手仕事、暮らしや文化について
聞いてみたいことは
山盛りあった。
けれど、日本人の方は
忙しくていないみたい。

代わりにポカラ出身の方が
いろいろお話してくれたり
ホテルを案内してくれる。
この人がとにかくいい人で
すごく好きになった。
大人だけど素直で正直で、
誠実でチャーミングで、
ものすごく魅力的な人だった。

めちゃくちゃ高級ホテルの
スイートルームなんかも見せてもらって
新しい体験だった。

と、同時に思うこともあった。
ここで働いている人は
お給料もいいだろうが、
2.3ヶ月間一生懸命働いて
やっともらえる給料と
1泊が同じ値段の部屋に
サラッと泊まりに来る人を
毎日見て従事するというのは
思うことがたくさん出てきそうだなぁと。

その小さい版の経験は
社会人のときに少しした。
羨ましさや妬みや嫉妬だけとは
ちょっと違ったストレスがある。
自分とは違う世界線の人に
繕った自分や知識で接していて
ウソをついているような、
そこまではいかなくても
本当の自分では接せないような。
その自分の中のギャップの
違和感がずっとあるような。

ポカラも15-20年で
大きく変わってしまったという。
手仕事もほとんど残っていない。
メリットがないから、と言われた。
シンプルで分かりやすい理由だ。
そのことについて
考えることがたくさんあるので
それはまた別でじっくり書きたい。

ここの農業も同じ。
効率が悪く、お金にならなくて、
時間がかかってタフなもの。
続ける理由がないそう。

時間をかけて野菜を育てても
スーパーで売っている農薬や機械を使って
大量生産される野菜や
輸入される野菜には
全く勝てない。

世界がグローバル化して
いろんなものが変化していく中で
この土地で従来の方法で
農業を続けるのはリスキーだと言うこと。

昔はみな村の人は
同じライフスタイルで
みな農業をしていたから
貧富の差はなかったという話。　　

今はいろんな仕事があって
出稼ぎに行ったりと
情報もあって、アクセスしやすくなって
様々なものが変わっている。
ほんの十数年で。

わたしも今の小学生が
当たり前のようにプログラミングができて
放課後はオンラインで
ゲームの中で繋がっていたり、
赤ちゃんが少し
大きくなったくらいの子でさて、
顔よりも大きなスマホをいじっている光景は
かなりジェネレーションギャップを感じる。
いろんなものが変わっている。
手仕事も顕著だ。

従事者にとっても
消費者にとっても
双方にメリットがないと
続かないし、続けるべきではないと思う。

レンガの家はずっと気になっていて、
その話を聞くのも面白かった。
昔は自分たちでレンガを作って
家を建ててたけど、
今はコンクリートの家や
リゾート宿がどんどん増えているなど。

とにかく心に響く話が多く
話してくれた彼も
寂しそうな顔をしながらも
風が吹くように、川が流れるように
思い出話しのように
いろんな話をしてくれた。

朝は雨だったが晴れてきた。
最近雨が続いて景色が楽しめなかったので
久しぶりの晴れ間を
楽しまないわけにはいかない。

宿に帰ってワインを飲みながら
ご飯を食べることにする。
これが最高時間すぎた。

暑すぎて困っていたところに
オーナーさんがパラソルを
持ってきてくれる。

壊れていて下の台がないが、
代わりに植木に刺して紐で固定して
どうにかやってくれた。
とにかくめちゃくちゃいい人。
神宿すぎる。

久しぶりにお酒を飲んだ。
ネパールはビールが高いし
お酒じゃなくて
チャイが飲みたくなることの方が多い。

久しぶりに
最高の景色と美味しいご飯とお酒、
何か幸福感がカンストしていた。

いつも、こんないい景色を姉とか、と
言うのが妹の鉄板ジョークだが、
今日に限っては
姉妹だからこその最高感があった。
誰も気にせず最高の景色で
900円のワインを昼間から飲む。

お酒は美味しいのも大事だが、
必ずしも美味しい必要はなかった。
ご飯は美味しくあってほしいが
安くてそこまで美味しくないお酒でも
景色と雰囲気と全てが最高だった。

朝のあの気持ちはどこへやら、
人生って楽しいな、と
幸せってたくさんあるな、と
こうして旅してるなんて
最高じゃないか、と
とにかくハッピーな気分になった。

夜はマハさんの小説の続きを読む。
思わず引き込まれて
めちゃくちゃ素敵なお話だった。
風を止めないで。
さいはての彼女。
オススメです。

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