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子供のためのオルセー美術館(48)ゴッホとモネの積みわら/刈り取られたワラのダンス

はたけたら、みわらがありました。
むぎをかりったあとのはたけに ぽつんぽつんとありました。

モネは みわらがいろんないろにどんどんわっていくのにおどろいて

朝早あさはやくからしずむまで
なつに、あきに、ふゆにも、何十枚なんじゅうまいものきました。


ゴッホはこんなそらしたみわらをきました。

豊作ほうさくだ!
黄色きいろひかったはたけはうねうねとうご
小麦こむぎ収穫しゅうかくよろこびます。

あっ ひとがいる

カマを持ってむぎをかりっているひと
一緒いっしょにうねうね、よろこんでいるみたい。


いくつもつづくみわらは


まるで ならんでダンス、ダンス

あ、まだかりられていないむぎがある。
どこにあるかわかるかな。

ゴッホが むぎをどのようにいているか、よく見てさがしてね。


Claude Monet
Meules, fin de l'été 1891
クロード・モネ
つみ藁 夏の終わり

画家が住んでいたジヴェルニーの田園地帯ではごくありふれた存在だった積み藁は、モネに特別なモチーフを提供した。季節や時間帯によって無限に変化する光を色彩がどのように再現するかを実験した。この作品では、ノルマンディーの寒い朝のように澄んだ緑と青を背景に、積み藁が際立っている。

musée d’orsay 

Champs de blé avec moissonneur, Auvers-sur-Oise MI-JUILLET 1890
Toledo (Ohio), Museum of Art,
フィンセント・ファン・ゴッホ
収穫する人と麦畑 1890 7月中旬 
オルセーゴッホ企画展にて上記美術館より借用

この麦畑あるいは干し草畑の風景は、オーヴェールでは珍しい黄色が主体であることから、長い間アルル時代のものと考えられてきた。しかし背景には、台地から見た地平線、教会のシルエット、工場の煙突がはっきりと見える。

musée d’orsay

Gerbes de blé
MI-JUILLET 1890
Dallas, Dallas Museum of Art, 
オルセーゴッホ企画展にて上記美術館より借用

この絵は、アルルやサン・レミの明るい麦畑と主題は結びついているが、ここでは、静物画のようにやや上からの視点というタイトなフレーミングによって、まったく新しい方法で扱われている。水平線がなく、閉鎖的で引き伸ばされた空間の中で、ゴッホは、モチーフを繰り返し対角線を交差させ、麦わらの黄色と影の紫色(経年で青色に退色している)という対照的な補色で遊ぶことで、構図をリズミカルに盛り上げている。

musée de d’orsay

お読みいただきありがとうございました。
モネもゴッホも場所は違えど、時ほぼ同じくして日常の平凡にも見える積みわらを描いていました。
それぞれの積みわらの捉え方、どれも感じ入るところがありますね。
 年も改まり、本年も皆様にとって健やかな年になりますように。
今年も楽しいおはなしをお届けしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
  子供のためのはじめての美術館 mrs yama.
   



(本note記事は、当該美術館の発信する説明、事実に基づいたお話を、お子様、美術館はちょっと堅苦しくてと思われる皆様に、やさしくわかりやすいよう心がけて記事をお届けします)


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