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子供のためのオルセー美術館(65)ルノワールとモネ・友だちのしるし/一緒に描いた絵

ルノワールとモネのいたはな


ここはセーヌ川近がわちかくのまち、ブージバル。
ルノワールとモネは、おなはな一緒いっしょきました。


ルノワールは、びんのダリアやひまわりをかみいっぱいに、

もうはじけるくらいあかるいきました。

あかやオレンジ、黄色きいろはなびらはいくつもかさなって、

ちかくでるとたくさんのいろと、いきおいのいいふでのあとがえます。

あおしろはなほそせんですっすっとていねいに。びんのあおもおはなみたい。

ルノワールは、こんなていてうれしくなるようなはなきました。


ルノワールのとなりにはモネがすわっています。

モネは、はな果物くだもの、あと、しろいテーブルクロスにあたるひかりはどんなだろう、とおもいながらきました。

つやつやひかってる果物くだもの、あのうしろにあるりんごはどういうふうにえる?

テーブルクロスはたいらだけど、わざとをつけて。

みじかせんいたはなは、ひかり反射はんしゃしてあかるいところとくらいところと。
そして、モネは、どう描いたらあのやわらかいかんじのはなになるのかかんがえて、ふで使つかったのでした。


ね、ルノワールとモネ、ふたりは仲良なかよし、
キャンバスをならべて、どんなはなしをしながらいたのかな。


ルノワールは、この花の絵を5年後の最初の印象派展覧会に出しました。

Auguste Renoir 
Fleurs dans un vase 1869
Boston, Museum of Fine Arts,  (オルセー美術館印象派150周年企画展)Première exposition impressioniste, 1874, probable n° 145
オーギュスト・ルノワール
花瓶の中の花 1869
第一回印象派展 1874

ルノワールが第1回印象派展の5年前に描いたこの絵は、モネとの友情の証であり、モネはルノワールと並んで同じ花を描いている。
この色鮮やかなひまわりとダリアの花束の絵は、ルノワールの卓越した技量を示している。花の絵は当時も人気のジャンルだったがこの作品が購入されたのは1890年代初頭のことだった。

musée d’orsay 

Claude Monet
Still Life with Flowers and Fruit  1869
Getty Center,Museum West Pavilion 
クロード・モネ
花と果物のある静物  1869

アトリエで描かれたこの静物画には、モネがセーヌ川沿いのブージヴァルに住んでいた1869年の夏から秋にかけて行った屋外での多くの試みの影響が見られる。形の輪郭を柔らかくする方法や、筆使いによる描写の探究をした。
テーブルクロスは広くて平坦に、リンゴは大胆に、花びらは短く密に、とモネの技法は、花、果物、テーブルクロスの表面を生き生きとさせる光の使い方や、色彩が光や反射や相互に影響を受ける様子にも表れている。これらの革新的な試みは、その後数十年にわたる印象派の技法発展の基礎となった。

Getty Center, Museum West Pavilion

お読みいただきありがとうございました。
現在オルセー美術館印象派150周年企画展に展示されているルノワールの花の絵と、当時一緒に同じ花を写生していたモネの絵をネット上で見つけることができたので、併せてご紹介しました。
それぞれの花の捉え方、描き方、また性格までもが感じられるようなふたりの絵でした。さあ、どちらが皆様のお好みでしょう。

オルセー企画展会場での、ルノワールの作品群の華やかなこと。
第1回印象派展での、彼らの自信と希望を物語るかのように、この絵もひときわ輝いて見えました。

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