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子供のためのルーブル美術館(34)黒のドレープ/前代未聞の共同購入・ルーブル美術館とオランダ美術館が買ったレンブラント
2枚の肖像画のきまり
今日の絵は、ルーブル美術館とオランダ美術館が共同で買った絵です。
5年間ずつ、フランスとオランダでかわりばんこに展示するという珍しいきまりがあります。
そして必ず2枚いつも一緒に飾らなくてはいけないという約束も。
ふたつの違う国の美術館がお金を出し合ってまで買ったレンブラントの絵とは、いったいどういう絵でしょう。
エレガントな黒
モネやルノワールは黒は使いません。
でも黒はおしゃれな色。400年前の黒い絵をちょっとのぞいてみましょう。
1枚目、
自信に満ちた堂々とした立ち姿。黒に白のレース、銀色に輝く飾りがきれいです。
でも一番目立つのはどこ?
![](https://assets.st-note.com/img/1713011541808-BKgtMejVLD.jpg?width=1200)
やっぱり靴。
銀の糸でできた丸いロゼットが、歩くたびにきらきらひかります。
![](https://assets.st-note.com/img/1713011845078-yzavHghcVN.jpg?width=1200)
そして、この豪華なプリーツのそで。
レンブラントは黒色につやのある美しい曲線で、プリーツを描きました。
![](https://assets.st-note.com/img/1713012903184-3vWAdEirva.jpg?width=1200)
手袋を持つ手は、おとなりの2枚目の絵を指さしてこちらに紹介しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1713015769380-P4zIsz8MsW.jpg?width=1200)
2枚目。
静かな顔の表情、そして後ろのカーテンの色も地味で暗い色なのに、
この女の人は優雅で華やかに見えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1713013885615-X5dNh6G9zH.jpg?width=1200)
1枚目の絵と同じ黒でもこちらはうすい黒の布。ドレスのもようが現れてやさしい黒です。
真珠のブレスレットに、細やかに透けて見えるレース。
![](https://assets.st-note.com/img/1713015009415-eSgYfdZP4B.jpg?width=1200)
おしゃれのポイントはやっぱり、白ですね。
さて問題。
顔にわざとつけたなにか、おしゃれなものに気がついた人はいますか?
よく見てね。
![](https://assets.st-note.com/img/1713016200215-XM2FllIPc8.jpg?width=1200)
お顔の色の青白さを強調する昔のおしゃれ、
わざと黒の丸い布(ムーシュ)をおでこにつけています。びっくり!
レンブラントは、目の前にいる人をよく観察して、見たままに、ありのままを描いたので、その人の持っている性格や雰囲気まで伝えることができました。
先月、ふたりはアムステルダムの5年の旅を終えて戻ってきたばかり。
今年から5年間、パリのルーブルにゆっくり滞在するのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1713021843103-BMDrCXgXmb.jpg?width=1200)
Rembrandt Harmensz. van RIJN, dit REMBRANDT
Portrait de Marten Soolmans, 1634
Portrait d'Oopjen Coppit, 1634
レンブラント・ハーメンツ・ファン・リーハン
マルテン・スールマンスの肖像 1634 Rijksmuseum所蔵
オッペン・コピットの肖像、1634 ルーブル美術館所蔵
マルテンとウープイェンは、レンブラントが等身大の立像と全身像を描いた唯一のカップルである。 マルテンは、アムステルダムで製糖所を経営して成功した裕福なフランドル移民の息子である。 高価なレースをあしらった豪華な衣装に身を包み、靴には巨大なロゼットをつけ、レンブラントのために堂々とポーズをとっている。 二人はおそらく、マルテンが法律を学んだライデンで知り合ったのだろう。
オッペンの肖像画は、黒いドレス、地味な表情、そして暗い背景は、一見厳かであるにもかかわらず豪華さを醸し出している。ダイヤモンドをあしらった指輪、高価な布地、ムーシュ(肌に直接あしらわれた小さな黒いタフタのパッチ)によって強調された顔の青白さなど、細部に至るまで、この女性の優雅さとスタイルを物語っている。オッペンの祖父は穀物と火薬で財を成した
musée du louvre
レンブラントの描いたカップル、5年ぶりにルーヴルへ
2016年2月1日、オランダとフランスは、ライクス美術館とルーヴル美術館の間でレンブラントの作品2点の共同購入という前代未聞の合意に調印した。
フランスは「オッペン・コピットの肖像」、オランダは「マールテン・スールマンスの肖像」を購入した。しかしこの2点が分離されたり貸し出されたりすることはない。展示はルーヴル美術館とライクス美術館の5年ごとの持ち回りとなる。最終的なローテーションは、2つの美術館でそれぞれ8年間となるであろう。
お読みいただきありがとうございました。
先月、5年ぶりにフランスに戻ってきたペアの絵をご紹介しました。
深い黒に輝くばかりの白。繊細なレースや飾りが本物のように迫ってくる等身大の大きな絵。レンブラントの現実を忠実に瞬間をありのままに描いた美しい作品でした。
2枚の絵をめぐっては、当時フランスにあったものですがオランダも取り返したく、2014年にロスチャイルド家から、2点合計1億6000万ユーロでフランス、オランダ両国で買い取られました。
国家同士の合意で調印され、決して貸し出ししたり、1枚ずつ別々に展示することはしてはならない、ということですが、現実の2人は当時とっくに離婚し再婚していた…という事実もあるようです☺️
[English below] 🇫🇷 Ils sont de retour pour 5 ans ! 🤝 Les deux portraits de Marten Soolmans et d’Oopjen Coppit,...
Posted by Musée du Louvre on Friday, March 15, 2024
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