ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について⑤--並行的空間、規則、ベクトル

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※今回の記事は数学用語をかなりラフに使っています。もし数学プロパーの方がいらっしゃったら、ご教示いただけると幸いです。

引き続き、ドゥルーズは言表の規定を試みる。かれは言表とその他の要素との関係を素描する。

並行的空間は、同じ集合に属している他の言表によって形成される。しかし、言表と空間は形成の規則の水準では同一である。というのも、言表の集合や族を形成するのは、同一水準での変化の諸規則であるからだ。変化の諸規則がこの族を分散と非等質性の環境にする。

連合し、隣接する並行的空間であり、これは同じ集合に属している他の言表によって形成される。〔…〕この二つ〔=空間と言表〕は形成の規則の水準では一緒になってしまうのである。〔…〕言表の集合や族を「形成」するのは、同一水準での移行や変化の諸規則であって、これがこのような「族」を分散と非等質性の環境にする。

ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、河出文庫、19-21頁。

言表や、言表の族や、言説的形成は、固有の変化の線、あるいは連合的な空間に配置されるベクトルの場によって定義される。

言表や、言表の族や、言説的形成は〔…〕固有の変化の線、あるいは連合的な空間に配置されるベクトルの場によって定義される〔…〕

ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、河出文庫、22頁。

ドゥルーズは言表と空間を幾何学的に特徴づけている。それを踏まえて、かれは形成機能としての言表を提唱する。その原理は、変化する規則(ベクトル)である。

これ〔=線やベクトルの場によって定義されるものとしての言表〕が、根本的な機能としての言表であり〔…〕

ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、河出文庫、22頁。

筆者は読みつつ、デカルト座標を念頭に置いて理解を試みた。ただ、理解の仕方としては違うのだろう。解析学が分からないから、深追いできない。

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