ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について②--数学から言表へ
新しい古文書学者の物語はどう展開するのか。
彼はとある概念を問題にする。つまり、言表である。ここで注釈するように、論理学を無視する。論理学ではなくて、むしろ数学によって、われわれは言表を読み解くことができる。
その際に彼が分析する唯一の例は、文字である。それも、偶然に記された、あるいは機械から書き写された一連の文字である。機械自体は言表ではない。しかし、機械に印字された文字列はとある体系の言表である。ドゥルーズにとって、このような文字列は数学における多様体でもあった。
数学を経由して、われわれは言表なる概念を理解できるということである。現時点の理解は、記号の列がとある体系を指示しているといったところである。
今後、筆者の言表理解は、読書が進むにつれて修正されるだろう。
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