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カルチャーコラム100連発

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目につくものすべてがネタです! 毎週木曜更新でカルチャーについて語っていきます。
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2023年11月の記事一覧

『大きな活字の 新明解国語辞典 第七版』より「あ」①

編者は見出し語「あ」を提示する。「あ」は亜・阿・啞・痾・鴉と漢字で表記され、括弧で閉じられる。下矢印の指示にしたがって見ると、漢字は字音語に関係することがわかる。実はこれらの漢字は字音語の造語成分であった。

木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』第14章「帝国主義とアジアの民族運動」と第15章「二つの世界大戦」について--中核諸国

本稿では、ウォーラーステインの「近代世界システム」における「中核諸国」に着目して、帝国主義時代から第二次世界大戦終結までの国際社会を論じる。

世界システムの条件は分業体制と多数の文化である。世界システムは二種類に分けられ、本稿で適用する「世界経済」においては全空間を覆う単一の政治システムが欠落している。このような「世界経済」の先進地帯が「中核諸国」と呼ばれる。

1881年以降、列強(つまり、中

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木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』第16章「冷戦と第三世界の自立」第17章「現代の世界」について

本書の第二次世界大戦後の章を政治の観点から紹介する。

本書は戦後の世界を国際関係の変化から説き起こしている。

戦後、世界は米ソ両大国を中心とする2つの勢力の対立関係に置かれた。そうした動きに対抗するかたちで、欧米諸国から独立したアジア・アフリカ諸国が非同盟勢力として国際政治上の役割を果たした。

しかし、各陣営における指導力の低下を受けて、1970年代から米ソは緊張緩和(デタント)の時代を迎え

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今日の更新は立て込んでいて、ムリです。明日に回します。

スミマセン

木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』について

今日は木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』山川出版社、2008年を紹介したい。

本書の目的は、人類が過去から未来への方向を案出することである。

そこを目指して、本書は高校レベルの世界史を自学自習するための参考書として編集された。しかし、本書は、漫然と学ぶのではなくて、読者が世界史をみずから再構成することを勧めている。

というのも、われわれは過去を学ぶことで現在の意味を知り、

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について⑥--主体

ドゥルーズは言表における主体を論じる。

文の観点から見ると、〈主体〉は言説を開始する力をもっている。しかし、言表は〈主体〉という唯一の形態とは関係なく、むしろ可変的な内在的位置に関係する(「長いあいだ、私は早くから床についた……」という言説が言語学的人称としての〈私〉にも、作者プルーストにも結びつくように)。内在的位置は〈主体〉の形象という形式に還元されない。むしろ逆に、内在的位置が言表に由来し

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