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12月の地震

 年の瀬が迫ってまいりました。「寅年は荒れる」との格言どおり、戦争をおっ始める国がありぃの、ミサイルぶっ放したり、コロナとの戦いも未だ終わりが見えず、案の定、今年の漢字は「戦」が選ばれました。4年前には災害が多かったことから「災」が選ばれましたが、今年は幸い目立った災害はありませんでした……が、まだ油断はできません。ヤフー天気の災害カレンダーをみると12月に起きた主な地震は、1605年の慶長地震、1944年の昭和東南海地震、1946年の昭和南海地震、1987年の千葉県東方沖地震、2004年のスマトラ島沖地震などが挙げられていました。今年1月に起きたトンガの大規模噴火をとらえた衛星写真や噴火に伴う衝撃波が地球を2周したといった話に驚かされましたが、日本近海でも小笠原沖やトカラ沖の海底火山が活発化の傾向を示していたり、7月には桜島で爆発的噴火が発生したとして気象庁は噴火警報を発表し、初の警戒レベル5の避難に引き上げられました。九州は火山が多く、関東大震災や東日本大震災の約50日前に霧島山系の御鉢や新燃岳の爆発的噴火が起きています。阿蘇山も東日本大震災以降、入山規制がかかったり解除されたりを繰り返しています。

阿蘇山火口(2018年頃)

 緊急地震速報の運用が開始されて以来、ほぼ毎月のように日本のどこかで緊急地震速報の音が鳴っている気がしますが、気象庁が今年発表した緊急地震速報(警報)の月別回数は1月から順に、2、0、6、0、2、2、0、1、0、1、1回。平成19年から令和3年までの12月の緊急地震速報回数は、0、0、0、1、1、1、1、0、0、1、1、0、2、3、2回でした。震央地はそれぞれ石狩地方中部、千葉県北東部、三陸沖、茨城県北部、長野県中部、沖縄本島近海、青森県東方沖、岩手県沖、新島・神津島近海、紀伊水道、トカラ列島近海となっています。2022年12月17日15時現在、今月はまだ緊急地震速報は鳴っていません。先の災害カレンダーをみると昭和の南海トラフ地震は12月に起きていますが、地球科学がご専門の鎌田先生によると南海トラフ巨大地震は2035年±5年と予想されています。また、南海トラフ巨大地震が富士山噴火を誘発する可能性も指摘されています。富士山は前回は江戸時代、歴史の教科書的には生類憐れみの令を発したことで有名な第5代征夷大将軍徳川綱吉政権下、宝永の南海トラフ地震の約50日後に噴火しました。東日本大震災以降、内陸の地下も不安定化しており、首都直下地震は、関東大震災から100年になろうとし、いつ起きてもおかしくないと言われています。順番的には首都直下地震→南海トラフ巨大地震→富士山噴火でしょうか。これらの激甚災害が1年の間に立て続けに起きるとは考えにくいですが、まだ傷の癒えぬまま迎える可能性が十分考えられ、その経済被害は合わせて300兆円を超えると想定されています。江戸時代もこうした地震や噴火のほか疫病や大火など災害が絶えず、暴れん坊将軍で有名な第8代将軍徳川吉宗は、幕府の財政再建のため享保の改革に着手し、教科書的には米将軍と呼ばれています。最近になって防衛費増税の話が出てきて、東日本大震災の復興税にも手を出すのかと議論されていましたが、コロナでも疲弊したこの国の経済において成長ありきで増税が語られていますが、成長どころか逆にこのまま何も起きなくても緩やかに衰退の一途をたどっているのが現状で、ひとたび有事が起きれば泣きっ面に蜂状態を危惧します。国家の安全を脅かすものは軍事面だけではありません。北のミサイル迎撃システム構築や台湾有事に備えるための安定的財源確保が必要なのかもしれませんが、阪神淡路大震災や熊本地震のような内陸の活断層型地震はラスボス級の海溝型南海トラフ巨大地震の伏線とされており、もしかしたらそれは次のさらなる伏線であり、我々はその布石を打つ必要性も迫られているのかもしれません。何だか雲行きが怪しい話題ばかりですが、来年は卯年、跳ねる、飛躍、好転といった縁起の良い年、パーッと霧が晴れたような、希望の光が射し込む年でありますように。

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