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10年前ロンドン街頭で出会った「ボブという名の猫」とジェームズ

今日は2022年2月22日と2続きだから、日本ではスーパー猫の日なんですってね!笑

そんな日を記念して、10年前に出会ったボブとジェームズについて当時の別ブログに書いた記事を訂正加筆しました。

まだ全く無名なビッグイシュー販売人だったジェームズと、彼の肩に乗っていた茶トラ猫ボブ。彼らが本や映画になって一躍有名になる数年前のことです。

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それは2010年11月の、冷え冷えと寒い夜でした。当時はまだロンドンで同居していた娘と一緒に、ソーホーで食事をした帰り道。

駅に向かって歩いていたところ、娘が「あっあれ見て!あの人の肩に乗ってるの猫じゃない?」と前方を指さしたのです。

「ええっどこどこ?・・・あーホントだ!キャー♪」と走り寄ってお会いしたのが、この2人組。

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それが猫のボブとジェームズ。彼らはフリス・ストリートのカフェやパブ付近で、「ビッグ・イシュー」を売っていました。

ジェームズの胸には登録身分証も付いていたから、正規販売人なのが分かりました(というのもイギリスでは時々古い号を売っている非正規な人がいて、彼らは売上金の半分を運営する団体に払わないので要注意なのです)。

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ホームレスの自助努力を促し、彼らの社会復帰に貢献することを目的とするビッグ・イシュー。1991年に英国で創刊されたから、もう30年以上も続いているんですね。

この販売人になって収入を得たのを足掛かりに、大勢の人たちがホームレス状態から脱出したわけです。でも中には、やはり挫折してストリート・スリーパーに戻ってしまう人たちもいるし・・・ホームレスの社会復帰というのは、きっと簡単な事ではないと思います。

「いつもはエンジェル駅付近がシマなんだけど、今日はちょっと遠征しに来たんだよ~」、と朗らかな口調でお喋りするジェームズ。肩に乗っかるボブとは、その4年前に迷い猫だった頃に出会ってからの相棒なんだ!と言っていました。

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その晩もかなり寒かったけど、まだ11月。どんどん冷え込みが厳しくなり、悪天候も多くなる季節を控えていました。

相棒のボブは客引きだけじゃなく、ジェームズにとってホッカイロでもあるのかな。部屋に戻ったら2人で身体を寄せ合って、冷えた体を温めるんだろうなぁ・・・と想像して。

凍てついた硬い歩道ではなく、暖かいベッドで今日の疲れを癒している、2人の姿が目に浮かぶような気がしました。

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その数年後にはジェームズが書いた本が出版され、それを元に映画化され、イギリスだけでなく世界中で人気者となったボブ。昨年、交通事故で虹の橋を渡ってしまい本当に残念です。

ジェームズという1人の男性はもちろん、私たちにとっても希望と勇気のシンボルであり続ける猫。

今も天国で、神様とハイタッチしているかしら?



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