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【あがり症】60年以上読まれ続けている本

あがり症克服のために
トライアンドエラー
(セルフ人体実験ともいう)を
繰り返した、ロン毛のあがり症です。


今回は、
60年以上読まれ続けている
「不安障害を治すため本」を
紹介したいと思います。


それは、こちら。


『不安のメカニズム』
(クレア・ウィークス著)

海外での評判は凄まじく高いです
クレア・ウィークス


オーストラリアの医師、
クレア・ウィークスさんが書いた本です。


副題のとおり、
不安・恐怖を克服し
人生を取り戻すための方法

書かれています。


この本、
海外での初版の発行は
いつだと思いますか?


な、なんと!!
“1962年”です。



ざっくり、60年以上前の本です。


(日本語訳版は、1974年に
 講談社ブルーバックスから出版。
 私が読んだのは、2016年版)


この本、
60年以上たった今でも
読まれているのにはワケがあるなーと
思いました。



なぜなら、
本質的・普遍的なことが書かれているから。


とっつきにくい専門用語がほとんど
使われていないところにも好感を持ちます。


この本、緊張により、
身体の反応が強く出て困っている方、
パニックになってしまう方
には
是非、読んでもらいたい内容です。


ということで、
この本の中から役に立ちそうな箇所を
ピックアップして紹介します!

今どんなに大きな心の問題や重い心の病に苦しんでいたとしても、そこから立ち直り、再び人生の喜びを味わうことは可能です。これは大事なことなので繰り返し言います。どんなに重い心の病でも立ち直ることは可能です。

あなたが先に進むために必要な「道しるべ」は、この本の中にあります。

P11

勇気づけられる言葉ですね。


私も、あがり症を
改善させることができた一人として、
立ち直ることは可能だと信じています。

ストレス、とくに恐怖、悲しみ、怒りといった激しい感情を伴うストレスに長期間さらされると、神経は興奮させられて、その感情を記録しようとします。
~中略~
こうなった神経は、つねに引き金となる「きっかけ」を待つようになり、ほんのちょっとした刺激でも暴走するようになります。

P25

ホント、そうなんですよね〜。


強い恐怖体験をすれば、
それ以降、
人前に立つだけで無意識のうちに強い
緊張に襲われるようになったりします。


それは、
脳の一器官である
「扁桃体」の働きなんですね。


本の中に「扁桃体」の文字は出てきませんが、
著者は、60年以上前に
それに気づいていたということですね。

神経症が始まるのは、「恐怖→アドレナリン→恐怖」という悪循環に陥った時です。つまり、過敏状態にある人が、ストレスによって生み出されたさまざまな症状や異常な感覚に恐怖を抱くと、身体はその恐怖に反応して、さらに多くのアドレナリンを分泌します。すると、すでに過敏になっている身体は、アドレナリンに刺激されてさらに強く異常な感覚を感じ、それがまた新たな恐怖を生む…といった悪循環が始まります。私はこの悪循環を「恐怖→アドレナリン→恐怖」サイクルと呼んでいます。この悪循環に陥ってしまった時に神経症が始まるのです。

P62

私のnoteでも
繰り返し紹介している
いわゆる「緊張の悪循環」ですね。


これを知っているのと
知っていないのとでは、
「緊張」との向き合い方が変わります。


知っておきたい知識です。

治る力はあなたの中から湧き出るものです。「真正面から向き合う」というのはそのことを前提としています。
~中略~
基本的にはあなた自身の努力によって引き出されるものです。その努力の第一歩が、恐れているものに真正面から向き合うことなのです。回復のカギは、あなたが行くことを恐れている「場所」や、やることや思い出すことを恐れている「行為や体験」の中にあります。

P85

私の実体験に照らし合わせても
ここに書いている通りでした。


私は、人前で話さずコッソリと
あがり症を克服しようとしましたが、
それではダメでした。


結局、自分が恐れている
“人前で話す行為”を行う
必要があったということです。


逃げていては良くならない
ということですね。

真正面から向き合う心の準備ができたら、次のステップは受け入れることです。
~中略~
「受け入れる」というのは、「身体から力を抜き、できるかぎり楽な状態で、恐怖の対象である症状や体験から尻込みせずに、それらに向かって進んでいく」ということです。あるがままを受け入れる、なんとかうまく付き合っていく、あるいは、風に吹かれて揺れる柳のようにやりすごす、パンチを受けてもただ受け流すなどと言ってもいいでしょう。

P90

回復の道は恐怖をなくすことにあり、 それは「適切な方法でどのようにして恐怖を乗り越えるかを学ぶこと」によってしか達成されません。 そして、その適切な方法とは受け入れることです。

P97

「緊張はあって当然」と受け入れ、
緊張の悪循環を切ることが重要ですね。


逆に、「緊張はダメなこと」
という思考だと、
交感神経の活性化につながり、
緊張の悪循環にハマってしまいますから。


ちなみに、私の経験上、
緊張による身体の変化は
「いつものやつ」として、
扱うとうまくいきました。


事実、過去に数えきれないくらい
経験しているわけですから、
名実ともに「いつものやつ」ですね。

受け入れることが一つの心の状態として確立され、身体がそれに慣れて、最終的に平穏な状態がもたらされるまでには時間がかかります。

P121

すごく分かります。


最初のうちは、
身体の変化を受け入れようとしても、
難しいと思います。


なぜなら、
凄まじい緊張に圧倒されると
受け入れる余裕が無くなるから。


そういう時は、
まずは自分が出来そうなことから
やることがいいです。


いわゆる、
スモールステップですね。


手の届きそうなところから
人前で話す成功体験を積む。


そうすれば、
無意識に湧き上がる緊張は収まり、
少しずつ受け入れる余裕ができてきます。


時間はかかるかも知れませんが、
コツコツ着実にやることが、
結局は近道になると思います。

わざと悪化させようとしても、症状を悪化させることは「できません」。それどころか、意識的に悪化させようとすると、反対に症状が改善されることすらあります。
〜中略〜
真正面から向き合い、受け入れることによって悪化することは決してありません。

P128

身体が震えたら、震えさせておけばいいのです。それを止めなければいけないと考えるのはやめましょう。他人の目に正常に見えるようにしようとするのもやめましょう。リラックスしなければいけないと思うこと自体やめたほうがいいのです。

P136

ほんと、恐れ入ります、、、


60年以上前に、
“不安のメカニズム”
分かっていたんですね。


緊張した時の身体の反応は
自律神経の働きによるものです。


自律神経は、
文字通り「自律」して働いているため
思考の力で抑えることはできません。


抑えようとすると、

抑えなければならない
危険な状況
だということを
脳(扁桃体)が察知し、
身体の反応が強くなりますからね。

恐怖から逃げないようにしましょう。
恐怖を見つめ、分析して、それが単なる身体的な感覚の一つであり、それ以上の何ものでもないことをしっかり頭に入れましょう。
単なる身体的感覚の「こけおどし」に惑わされてはいけません。

P314

「こけおどし」ときました(笑)


確かに、
言ってしまえば、
ただの自律神経の働きですからね。


しかし、
なんと心強いメッセージ!


痛快です。




さて、ここまで、
本の内容をピックアップして
紹介してきましたが、
そろそろ、まとめます。


この素晴らしい一冊を読んで、

60年以上前に
不安のメカニズムに気づいた著者に
頭が下がる思いです。


今回紹介した以外にも、
ためになることが沢山書かれているので
是非読んでみてくださいね!


最後に、
著者の素敵な言葉を紹介して終わります。

勇気は「本気で求めれば得られる」という、すばらしい性質を持っています。
ですから、あなたが勇気を持ちたいと本気で思っているなら、きっと手に入ります。

P310

私の体験談が
皆さんのあがり症克服の
お役に立てれば幸いです。

(関連リンク)
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