【あがり症】情動脳と理性脳
あがり症克服のために
トライアンドエラー
(セルフ人体実験ともいう)を
繰り返した、ロン毛のあがり症です。
今回のテーマは、
「情動脳と理性脳」です。
脳科学の本を読んでいると、
「情動」と「理性」の2つのワードが
対になって書かれているのを見かけます。
今回は、これらのワードを、
あがり症という切り口で考えてみようと思います。
「情動脳」と「理性脳」とは?
はじめに、
「情動脳」と「理性脳」とは一体何なのか、
見ていきましょう。
情動脳は、感情や欲求・生理機能を司り、
理性脳は、思考を司っているということですね。
次に、脳のどの位置にあるのか見てみましょう。
情動脳は、別名「原始的な脳」と言われており、
人間のみならず、哺乳類、爬虫類も持っています。
一方、理性脳は、人間しか持っていません。
いわば、人間ならではの、
高度に発達した脳ですね。
これらをまとめて、
表にしてみるとこうなります。
次に、情動脳と理性脳の働きを、
具体例を使って説明します。
(例)
「山を歩いている時、足元にヘビがいるのに気づき、
恐怖により咄嗟に飛びのいた。
しかし、よく見てみると、ロープがとぐろを巻いて
置いているだけだった。」
この一連の行動を、
「情動脳」「理性脳」の働きに
当てはめてみると、こうなります。
・「情動脳」:危険を察知し、咄嗟に飛びのかせた。
・「理性脳」:確認して、ロープだと理解した。
つまり、危険を瞬時に察知し、
身を守る行動をとらせるのが「情動脳」。
思考を働かせ、自分の置かれた状況を
分析し、把握するのが「理性脳」となります。
情動脳の働きは、理性脳の働きに勝る
ここからは、あがり症の話になります。
あがり症の方が人前で話す時、
動悸や震えといった強い身体反応に、
無意識のうちに襲われることがあります。
その理由は、前述した、「情動脳」の働き。
なぜなら、あがり症の方にとって、
人前で話すことは、危険な行為。
だから、情動脳が危険を察知し、
闘争や逃走に備えて、
身体を変化させるということです。
そして、そうなった時には、
思考(理性脳)を働かせることが難しくなる。
なぜかというと、脅威に直面した時に、
あれこれ思考していれば咄嗟に反応できないから。
つまり、脳の危機管理システムは、
理性脳より情動脳が優先されるということです。
例えば、朝礼スピーチやプレゼンの場面。
緊張に圧倒され、
手足がプルプル震えるような時には、
思考することが難しくなります。
(場合によっては、
頭が真っ白になってしまうことも、、、)
このように、情動脳の働きは、
理性脳(思考)の働きを凌駕するほど
強烈だということです。
ちなみに、このことは本にも書いているので、
参考までに引用しておきます。
情動脳の反応を鎮める
過去の失敗体験等によって、
あがり症になってしまった方は、
情動脳の働きが過剰になっています。
なので、その反応を鎮めないといけませんね。
ちなみに、私はどうしたかというと、
“人前で話す練習会”に、
継続して通ったことが良かったです。
その中で、
役立ったことをいくつか挙げておきますね。
・同じ悩みを持つ仲間と知り合い、
孤軍奮闘していた状態から解放されたこと。
・人前で話すことから逃げずに、
スモールステップで成功体験を積んだこと。
・緊張を受け入れたこと。
このようなことを行ったことで、
「危険」であった人前で話す行為が、
「安全」に変わっていったということです。
それは、過剰に反応していた情動脳が、
健全な状態に戻ったことを意味します。
そうなれば、人前で話す時の
身体反応が軽くなりますね。
情動脳に身体を乗っ取られず、
理性脳(思考)を働かせながら
話せるようになります。
まとめ
今回は、情動脳と理性脳について紹介しました。
今回紹介したように、
“情動脳の働き”>“理性脳の働き”です。
ですから、情動脳の過剰な働きを鎮めて、
理性脳が働くようにしないといけません。
そして、最終的な目標は、
以下のような状態だと思っています。
ヴァン・デア・コークさんの書いていることが、
ある意味、
あがり症改善のゴールのように思います。
上のスライドのように、
情動脳と理性脳のバランスの取れた状態を
目指したいですね。
私の体験談が
皆さんのあがり症克服の
お役に立てれば幸いです。
(関連リンク)
・緊張した時に、「頭が真っ白になる」理由を、きちんと知っておく
・緊張の第1波と第2波
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