見出し画像

不登校対応は「大人の立場や思い込みや認知」が難しくしている

今回は、不登校対応の難しさについて述べていきたいと思います。今回は、学校の先生目線のお話になります。もしこれを読まれた方が保護者だったら、先生も大変だなぁーと思っていただければと幸いです。

では早速ですが考えてみましょう。自分のクラスの子どもが不登校になった。「学校に行きたくない」と言い、家から出てこれないと保護者から電話連絡があった。「本人と話をしたい」とお願いするが、「本人が嫌だ!」と言っている。

あなたが「担任」ならどうしますか?

① 放課後に家庭訪問して本人と直接会ってみる

② 担任ではないカウンセラーに話を聴いてもらうことをすすめる

③ クラスメイトにプリント&お手紙を持っていってもらう

などなど、色んな方法がありますよね。これらの方法に「正解」ってありません。というか「全部正解」なんですよね。だから難しく感じてしまう。けどこれって子育てに確実な正解がないのと一緒です。

では次に、空想のケースで考えてほしいと思います。中学校2年生のA子。明るくて活発で人のお世話をするのが好きな子です。1学期のGW明けから登校しぶりが始まり、夏休み明けからほぼ完全不登校の状態に。A子は担任(若い教員)が大嫌いです。理由はこうです。

「実力テストは成績にも響くから、来年の進路選択にも関わってくる大事な試験。だから何とか頑張って学校に来てテストを受けなさい。そうじゃないと0点になってしまう。」って担任から電話がきたけども、学校は嫌だから行かなかったら、わざわざ家まで担任がやってきた。そして家の階段を上って私の部屋に入ってきて、私の布団を無理矢理引っぺがして、無理矢理連れ出そうとした。だから担任は嫌い!あいつなんて最低の教師だ!もうあの担任に会いたくない!学校にも行かない!

はいここで質問です。この担任って「悪い先生」でしょうか?

この問いも決まった正解はありません。私はこの先生は一生懸命な「良い先生」だと思います。

進路のことを心配してくれている、忙しい勤務の中で時間を割いて家まで来てくれた、など。また担任は若い先生です。もしかすると学年主任などの先輩教員に「絶対に連れてこい!」って言われてたら…って考えたらどうでしょうか。

布団を無理矢理引っぺがすなんてやりたくないけど、主任にも言われてる(後押しとも言える)し、やっぱり進路にテストは関わってくるし…っていう状況になりませんか?

一生懸命やっているのに上手くいかないし、先生の思いが伝わらないところが不登校対応の難しさだと私は思っています。

もし何か担任が間違っているとしたら、一生懸命だけれども「A子の気持ちを理解していないこと」だと思われます。

けれども、先生という「立場」や先生特有の「価値観」によって、目の前にいる子どもの気持ちを読み取れず、誤った「認知」になってしまうんですよね。ならば、やっぱり本人から誤解のないように気持ちを聴くのが重要ですよね。

ですが・・・「布団に引きこもって、自分と会うのを拒否する人間の心を開いて気持ちを聴く」ってできるんでしょうか…

これができるのってドラマぐらいです…。だから不登校対応は一朝一夕でできるものじゃあありません。

じゃあどうすればいいのか?

無理せず時間をかけて子どもと向き合って関わって信頼関係を築いていく。

これしかありません。いいですか!「無理せず」が大事です。自分が無理をしていると不登校の子どもはおそらく見抜きます。こちらの辛さは相手に辛さとして伝わります。気楽に前向きに心に余裕をもって関わること。

じゃあ、気楽に前向きに心に余裕をもって関わるってどういうこと?

これは次回に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?