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2歳の天才少女!

カシェ・クエスト(Kashe Quest)は、2018年6月、カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれた。父親は、法律事務所に勤務するアフリカ系アメリカ人、母親は、幼児教育を専門とするインド系アメリカ人である。

カシェは、生後18ヵ月で色や形の違いを識別できるようになり、英語とスペイン語の単語を覚え始めて、両親や小児科医師を驚かせた。24ヵ月になる頃には、完全な英語構文で会話し、4~5歳向けの絵本を自分で読むことができるようになった。

母親は、娘の記憶力が異常に優れ、知的好奇心が非常に旺盛であることに気付いたが、娘の知能を伸ばしてくれそうな保育園は周囲にない。そこで彼女は、自宅に保育園を設立して、知能の高い子どもたちと一緒に娘を教育することにした。

その結果、カシェは、アメリカ50州すべての名前と形と位置、州都所在地、周期表の全元素を記号で暗記し、英語とスペイン語を理解し、手話も使えるようになった!

ちなみに、カシェの母親の教育方針は、本や単語カードや図形の模型といった「昔ながらのツール」を用いるもので、パソコンやタブレットは一切使用していないという。

メンサ

さて、1946年10月、イギリスの生化学者ランスロット・ウエア(Lancelot Ware)は 、弁護士ローランド・ベリル(Roland Berrill)と共に、IQが高くなければ会員になれないクラブをオックスフォードに設立した。このクラブが、後にラテン語で「テーブル」を意味する「メンサ」(Mensa)となって、全世界に広まったのである。

もともと、ウエアがこのクラブを設立したのは、彼の妹が利発すぎる才女だったからだ。彼女は、周囲の男性の発言をことごとく論破してしまうため、誰も彼女に近づかなくなった。ウエアは、妹が結婚できなくなることを心配して、妹の知能に匹敵するIQの高い男性を集めることにした。そのおかげで、ウエアの妹は、実際にメンサの会員と結婚することができた(笑)!

メンサでは、現在、世界約100ヵ国で約14万5000人の会員が認定されている。組織としての目的は、知的能力の研究を推進し、社会や人類の向上に貢献するということで、人種・宗教・政治などのあらゆる権力から独立した非営利活動を行っている。

会員になるためには、スタンフォード・ビネー式知能検査で知能指数132点以上を獲得しなければならない。ちなみに、平均的なアメリカ人の知能指数は100点であり、132点以上を獲得できるのは人口の「上位2%」である。さらに、メンサの会員の中でも知能指数145点以上は、「真の天才」と呼ばれている。

メンサの史上最年少会員

さて、2021年5月、メンサは、2歳のカシェ・クエストを史上最年少会員として認定した。彼女の知能指数は、なんと146点である!

6月に3歳の誕生日を迎えたカシェの知能は、すでに5歳~6歳を遥かに超えたレベルだから、小学校に入学してもよいはずだが、母親は「飛び級はさせない」と述べている。母親は、幼児期には幼児として育て、余計なプレッシャーを与えず、何も強制せず、カシェが興味を持ったテーマを学びたいタイミングで学ばせるように心がけているという。

そういえば、大天才フォン・ノイマンも、伸び伸びと自由に、興味を持ったテーマを学びたいタイミングで学べるという、実に恵まれた家庭環境の中で育った。今後のカシェ・クエストが、何に興味を抱き、どのように成長していくのか、非常に楽しみである。ただし、ノイマンのように「人間のフリをした悪魔」と呼ばれるようになってほしくはないが……(笑)!

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