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なぜ専門家会議の議事録を隠すのか!

8月21日、フジニュースネットワーク(FNN)が、2月19日に実施された第2回「新型コロナウイルス対策専門家会議」の速記録を「情報公開請求」で入手したところ、ほとんどが黒塗りにされていることが明らかになった。

この文書は、38ページ(1,352行)もあるにもかかわらず、公開されたのは挨拶や議題提示などの数十行にすぎない。かろうじて「学校におけるコロナ対策」が議論されたらしいことはわかるが、その内容はまったく不明である。この会議の翌週、政府は突然、全国の学校に「一斉休校」を要請した。

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この民主主義国家にあるまじき「隠蔽」について、西村康稔・新型コロナ対策担当大臣は、「発言者の個人攻撃につながりかねない」・「出席者に公表を望まない人がいる」ことを理由に挙げている。つまり、彼は他人事のような言い訳を並べているわけだが、そもそも最初から「隠蔽」の方針を定めたのは、西村氏本人ではなかったのか? 彼は、そのことさえ自覚できていないのだろうか?

というのは、西村氏本人が、5月29日の記者会見で「専門家の立場で、自由に率直な議論をしてもらうことが大事であり、そうした観点から、1回目の会議で、発言者を特定しない形で議事概要を残すことを説明し、理解をいただいている」と述べているからである。つまり、彼こそが、最初から「発言者を特定しない」・「議事概要を残す」(議事録は残さない)という方針を、会議のメンバーに「説明」し「理解をいただいている」という人物なのである。

そこで私は、6月1日の関連記事に、次のように書いている。

逆に言えば、この会議では、発言者を特定すると「自由に率直な議論」ができないのだろうか? あるいは、会議のメンバーは、自分の発言に責任を持てないのだろうか? もしかして、匿名でなければ話せないような「表に出せない」話をしているのだろうか?

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さて、私が一研究者として、あるいは一国民として知りたいのは、専門家会議でどのような議論が行われたのかについてである。いかなる論点に対して、どのような意見や反論が出されたのか、その議論の中身を知りたいのである。どの特定の個人が何を発言したのかについては、まったく興味がないし、知る必要もないし、知りたくもない(笑)。

要するに、専門家会議のメンバーが「個人攻撃」を恐れるというのであれば、すべての「発言者名」を黒塗りにして、発言内容はすべて「情報公開」すればよいのである! その公開方法に、いったい何の問題があるというのだろうか? ぜひ心あるジャーナリストには、政府が情報を「隠蔽」する「本当の理由」を追求してほしい!

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