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「衣・食・住・集・動」、5つのキーワードから読み解くサステナビリティ。LODGEとslowzのコラボプロジェクト

こんにちは、オープンコラボレーションスペース LODGEです。

LODGEはこの度、株式会社NoMaDoSの運営するサステナブルマップアプリ「slowz」と、都市とサステナビリティをテーマとしたイベント「SUSTAINABLE CITY PLANET」を開催しました。

サステナビリティについて話し合い・交流する場として、そのコンセプトを体現したVR空間をLODGEとslowzで共同で制作しました。制作したVR空間は今後もサステナビリティに関連する交流の拠点としての運用を検討しています。

都市におけるサステナビリティを「衣・食・住・集・動」の5つのキーワードで構成するというコンセプトは、VR空間を制作する際のLODGEとslowzの議論のなかで生まれました。

そのコンセプトになぞらえ、各分野ごとにゲストを招いてのトークイベントを実施し、YouTube Liveに加え、ソーシャルVRプラットフォーム上でも配信を行いました。


VR空間 【SUSTAINABLE CITY PLANET】


コラボレーションの背景

LODGEは新しい技術・価値観のものづくりの取り組みの一つとして、再生素材を用いたプロダクトの実験活動を行っていました。こちらのプロジェクトのslowzとの連携相談をきっかけに交流が生まれました。

お互いに議論をすすめる中で「サステナビリティ」について考え、コミュニケーションする機会の少なさ、敷居の高さについての課題意識がうまれました。

様々な分野の人が集まり、交流するハブとなる役割を担っていたLODGEとしては、テーマに基づいた交流の場作り、機会の創出を行うことはチャレンジングな取り組みだと思い、今回の企画を一緒に進めさせていただくことになりました。


若い世代のフロントランナーから見る「サステナビリティ」。イベントダイジェスト

アートボード 2

本プロジェクトに関する両者間でのディスカッションの末、5つのキーワード「衣・食・住・集・動」を設定。

slowzのプロデューサー・事業責任者である田中さんキュレーションのもと、キーワードに関連した若い世代のフロントランナーたちに集まっていただきました。

各イベントをダイジェストでご紹介します。

「サステナビリティ」をそれぞれの分野から捉えた視点はとても新鮮で、聞き応えのある内容になりました。ぜひ本編のアーカイブもご覧になってください!

「衣」~UNDER30世代が描く、無理を生み出さないものづくりの思考~

【Speaker】
大河内 愛加(renacnatta デザイナー)
松田 崇弥(株式会社ヘラルボニー代表)
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【Summary】
伝統工芸を継承する企業や職人とのタッグを組み商品づくりをしている、renacnatta、障害のある作家のアート作品のプロデュースを手がける株式会社ヘラルボニー。作り手、買い手など、モノをとりまく全てのステークホルダーが「共存する」ものづくりの例を通じ、無理を生み出さないものづくりのあり方を考えました。

「食」〜「恵比寿の山田さんが作ったにんじん」に気づいた時、都市は変わる。〜

【Speaker】
大竹 洋平(アクアポニックスデザインラボ主宰)
大庭竹 梨沙(FOOD STORY PROJECT代表、食・体験の実験施設SEASiONプロデューサー)
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【Summary】
都市における「食」の課題として、生産者と消費者の距離の隔たりがあげられました。作り手が、食に対する価値観の多様性の理解し、それぞれにとっての適切な選択肢を用意、アクセスできるようにすることが課題解決の糸口になるかもしれません。大竹さんが小豆島でプロデュースした、その土地の食文化を体験できるレストランのお話や、大庭竹さんが展開する、生産性・環境配慮の両立ができる農法、アクアポニクスの事例などを通じ、食のサステナビリティのヒントを探りました。

「住」~機能を超えた街・場・暮らしは「生き物」になる~

【Speaker】
稲田ズイキ(僧侶、フリーライター/編集者)
吉備友理恵(一般社団法人FCAJ/日建設計 リサーチャー)
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【Summary】
都市の住人は、その利便性と引き換えに、求められる時代の過剰なスピード感に置いてかれてしまったり、そこに住みながらも、排他されてしまう傾向にあります。吉備さんからは、「参画できる場づくり」の成功事例として下北沢BONUS TRACKの紹介や、僧侶の稲田さんからは、「住と無常」など、仏教の考え方を引用した独特な切り口のお話がありました。
都市において参画できる余白を残すことが「住」と「人」が気持ち良く共存できる鍵になるのではないでしょうか。

「動」~機能を超えた街・場・暮らしは「生き物」になる~

【Speaker】
鈴木 綜真(株式会社Placy代表)
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【Summary】
場所の価値は、私たちの「動」と紐づいており、トラフィック量で測られていることがほとんどです。コロナ禍で私たちの「動」が大きく変わった今、レビュー重視の評価軸と異なる、価値基準を考えることが重要です。音楽で場所を探せる地図アプリ「Placy」が作られた背景、音楽を通じて場と人が繋がった、鈴木さん個人のエピソードなどを交えながら、ニューノーマルにおける、「動」の価値づくりのあり方を考えました。


「集」~文化人類学から考える、都市と人類のサステナブルリレーションシップ~

【Speaker】
松村圭一郎(岡山大学文学部准教授)
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【Summary】
「集」のなかでは、意思決定を素早く行うための多数決、経済を円滑にする貨幣を用いた交換活動など、さまざまな効率化が潜んでいます。こうした効率化は利便性の反面、個同士の対話・譲歩といったプロセスを排除してしまます。人が生きる上では、プロセスこそが重要であり、人と人との関係に物語性を取り戻すキーワードとして「贈与」や「非効率性」が挙げられました。私たちはそれらを生活に織り混ぜることによって、日々行う小さな活動の一つ一つがが「集」を構成し、参画者であるという実感をもつことができます。

キーワードは「共生」
LODGEとしてのまとめ

「衣・食・住・集・動」5つに共通していたキーワードは「共生」でした。

作る側・使う側といった分断された役割ではなく、ステークホルダー全員が参画できるように関係性を整えることが、プロジェクト、コミュニティなどを持続可能性の高いものにするというヒントが得られました。

いわゆるインクルーシブとサステナビリティの関係性に気付き、その具体例を生の声で聞けたことが今回のイベント全体の収穫だったと考えます。

LODGEとしても、今回の気付きを生かしてながら、様々な業界・業種の方を巻き込んだプロジェクトを進めていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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LODGEでは業種・業界問わず、企業・自治体の皆さまと様々なコラボレーション企画を進めています。
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📩 info-lodge@mail.yahoo.co.jp

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