動き出す小さな力
陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也
-暦便覧-
いよいよ春分の一歩手前まできました。
啓蟄は地中から虫が外にはい出て来る頃、という意味です。
虫とは古来は「毒蛇」や人の「欲」を表す、とても多様な意味のある漢字でした。人間にとって、これらは時に害としてはたらくこともあるけれど、きちんと付き合っていくことで生き生きとした生命力を与えてくれる力でもあります。
そんな細やかな「虫」が目覚めてくる感覚を大事にしたいですね。
わたしは啓蟄で思い出す歌があります。
この気持ちは何だろう
この気持ちは何だろう
ぼくの腹へ胸へそしてのどへ
声にならない叫びとなってこみ上げる
この気持ちは何だろう
-合唱曲「春に」より-
春に。
谷川俊太郎さん作詞ですね。
わたしは中学校の合唱コンクールでこの曲の伴奏をしたのですが、毎年この時期が来ると青春時期特有の悶えや、その中にしかない美しさを思い出して胸が熱くなります。
毎年、わたしはこの時期に誕生日が来るので、自分の人生を振り返るのもあるかもしれません。。
啓蟄の時期は卒業式がありますね。
日本各地で歌われる卒業ソングには、今まで守ってくれていた冬という環境に別れを告げ、新しい春へと巣立っていく、強くもあり、何とも言えない繊細な美しさがあります。
みなさんはどんな卒業ソングが好きですか?
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