私が英語を話せるようになるまでの話 ~大学編その2~
自己紹介すらできない
オーズィーたちとの遭遇(そして彼女たちの軽いマウント)、英語ジョークにウケたフリ、アメリカに帰りたい宣言・・・Oops! (って何?)
心がバッキバキに折られたオリエンテーションの翌日、最初の授業は始まりました。昨日登場した先生のうちのお一人が、またジョークを交えながら(私はまたみんなに合わせてウケたフリをして)これから何をするのか英語で説明されました。自己紹介をするのでグループに分かれろとおっしゃっているようでした。私は指をさされた先にあるグループの一員になりました。指示内容はざっくりとこんな感じだとグループの子から教わりました。
グループ内で順番に自己紹介をしよう
その情報をメモっとく
他のグループの人たちに、自分のグループの別の人のことを紹介しよう
全部英語でね
なるほどですね。「じゃあ私から!」と言ったのは、もちろん私ではなく隣の子(帰国子女)で、手を挙げてスラスラと自己紹介を始めました。へえ、カナダに3歳から10年間住んでいたんですね。弟さんとご両親の4人+犬一匹と暮らしているのですね。趣味はショッピングとお菓子作り・・・
すげぇ。全部英語で話してる(当たり前)。それ以上に、自己紹介の文章とスタイルが完璧に出来上がっている。欧米文化とは人にここまでの自信と表現力を与えるのか。
と、感心している場合じゃない!自分の自己紹介を考えなければ!でも気の利いた自己紹介文は用意できてない!そもそも英語で何をどうやって話せばいいんだ!!そうやってアワアワしているうちに自分の番がまわってきました。もう、ここは、言うしかない。名前を・・・
"My name is XXX."
やばい、挨拶を忘れた!
"Hello, nice to meet you."
私は・・・
"I am… I am a…"
私は・・・
"I am a… student."
私は学生です。
・・・しまった!!!「私は学生です」!?
なんでそんなことを言ったんだ私!!!いやみんな知ってるよそんなこと!!!それってもう「This is a pen(これはペンです)」くらいどうでもいい情報ではないか!
なんでこんなことを言うに至ったかというと、つまりこれは自己紹介なので、「私は~です」と言いたくなり、後先考えず "I am" と言ってしまい、その後に続く単語として絞り出せたのが "student" だったから・・・。
英語の初心者あるあるではないでしょうか。
教室を見渡すと、目を丸くしている生徒が半分、あと半分は一呼吸おいてから、クスっと苦笑いしていました。ああ、今すぐ消えたい・・・。そのあとにどうにか言えた英語は次の通り。
I live in XX. (私はXXに住んでいます)
My hobby is movie.(私の趣味は映画です・・・せめてmovieじゃなくてwatching moviesとか言えたらよかったのに)
I didn't go to abroad.(私は海外に行きませんでした・・・??私は海外に行ったことがない、I have never been abroadとか言えたらよかったのに。そしてtoはいらん)
Thank you.(もう終わりかい)
パラパラと生徒から拍手がありました。別の人の紹介は、グループ内の私以外のほかの子が対応しました。なんと薄っぺらい自己紹介なんだろう。あんなに頑張って難しい文法を勉強したのに、いざ喋ろうとなると、なにも頭に浮かばない。この日も深い深い失意の中、家に帰りました。
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