正常本能

今日僕は、自分の中の一つの世界の終わりを見た気がする。もしくはあれは腐敗だったのかもしれない。全ては主観であった。そこには自分の人生を生きる上で自分の力で何かを変えるというのを諦めている僕がいた。それが言葉を持って伝えられたわけでもなく、それによって苦しんでる姿を見たわけでもなかったけれど、あれは確実に世界の終わりであったし、腐敗であり同時に、今生きてる僕の現実でもあったように思える。それはなんとなくある夜の、まだ行ったことの無い駅の電車の乗り換えの中に潜んでいて、また、なんとなくある:00時閉店の物販付きのカフェにて、店員に「もうすぐ閉店です」と告げられ時計を見て51分だと気付く時に潜んでいて、また夕方の三軒茶屋の商店街を歩いている時にそれは潜んでいるのだった。あれは一種の僕の中の本能、生存本能、とやらが今の僕の人生を見て危険信号として最後に僕に見せたビジョンだったのかもしれない。僕は思った。僕の中にまだ正常が潜んでいたのかと。

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