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140字小説『blue mermaid』

うたた寝をしてる間に逃げられた。
慌てて海へ走る。
必死に捕まえたのに。
「どこだ!」
いない。
雲が月を隠す。
波が大きく立ち上がり、笑う。
「返せ」
「あいつは海のものだ。諦めろ」
そんな。
やっと自分の本音を言える存在に出逢えたのに。

「お前は一生、独りだ。可哀想に」

俺はまた。
独りで。

夜を彷徨うだけ。



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