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140字小説『切ない過去になるけれど』

「フラれました」
「そう。それは残念」
いつものコーヒーを出す。
「少し砂糖を入れたよ」
「今日は甘いほうがいい。ありがと」
雨粒が窓を叩く。
「こんな日に告白したんだね」
「思い出にしたかった。辛い記憶になるとしても」
「そう」

この先。
届かなかった君の想いは、どこへ。
「苦い」

涙と笑顔が交る空。

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