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海士町という離島で生活してみた。働いて、暮らして、思ったこと。

10月某日、とある島に着いた。
フェリーで本土から3時間。

日本海に浮かぶ小さな島・海士町で3か月暮らすことに。した。

その島の詳細をこちらの記事で書きました。
海士町ってどんなとこ?~3か月住んでみた~|由依|note

私は休学して海士町に行ってみたのですが、
その過程を少しお話できたらと思います。

なんで休学?

大学以外の場で学びをつくり出したかった

大学での授業で、教授が授業をする、それを聞く、テストをする、レポートを書く、が当たり前に行われている。

でもなんのために授業を受けてんの?って聞かれたら、「単位のため」ってなっちゃうことがある。せっかく授業料を払ってるのに、オンライン授業をいいことに授業中に他のことをしたり、なんてこともしばしば。

たぶんこれは授業を受けられることが自分の中で当たり前になってしまっているから。そしてなんで授業を受けているのか自分で考えていないから。

それでも単位は取れるし、友達となんとなく授業を受けるだけで生きてもいける。急に友達に「なんのために授業を受けているんだろうね?」とか言っても、真面目モードだとちょっと壁をつくられることもある。
壁をつくられるくらいならその場ノリでなんとなく授業を受けててもいいか、と思ってしまっていた。

それでも、就職活動を前にして、「なんかこのままじゃ嫌だな」と思った。こういう受け身状態に甘んじている自分は好きじゃないなと思った。学びってそもそも自分で「why?」を考えて、調べて、実行して、の繰り返しで得られるはず。自分で学びをつくった方が絶対楽しいじゃん。

だから一旦受け身状態でもやっていける大学を離れることにしました。別の場所で体験から、言語化を通して、自分の中で学びに昇華したいと思い、休学を決めました。

なんで海士町にしたんだい?

ノリ笑

まあ休学はそうやって決めたんですけど、どこ行くか問題発生。
で、「島 体験」とかで検索しまくった結果、大人の島留学が見事ヒット。1年間の島留学は時期的に無理だけど(開始が4月。私が休学始めたのが10月なので。)、まずは3か月間行ってみよっか、ということで10-12月の島体験の参加を決めました(島留学と島体験の違いは期間。1年か3か月か。内容はほぼ一緒)。

「海士町はおもしろいよ!」と教えてくれる人もいて(何がおもしろいのかは聞いてなかった)(聞いときなさいよ)、「なんかよくわからんけど行ってみるか!」と決めました。 

余談:親にも祖父母にも「海士町って島!!!?大丈夫????」と聞かれまくりましたが、島体験のHPやnoteの記事を見せたらなんとか安心してくれました。運営の皆さま記事を書いてくださりありがとうございます!

何してた?

週4勤務週1研修土日休み!

そもそも島留学&島体験はこういう風に書かれています。

本制度の魅力は、島で暮らし、島で働くことを通して
一人の島民として、最前線の現場で島の街づくりを担えるところにあります。

大人の島留学HPより

まあざっくりいうと、島で働くことと暮らすことを体験してみ!っていう制度です。勤務先の事業所は自分の興味に合わせて選ぶことができます。そして週1回の研修で、今週の自分をふりかえります。

働く@小学校

私は海士町の小学校で授業サポートをさせてもらいました。子どもたちと存分に遊ぶ中で、島の小学生だからできる授業などもたくさん体験させてもらいました。

突然ですが!私から見たおもしろ授業!トップ3!

①子ども議会(総合)
小学6年生が1人ひとり町長に町が良くなるためのプレゼンを議会で行います。
1.自分たちの地元をよく知る
2.正解のない問いに対する考え方を身につける
3.自分たちが町を変えられる、という意識を生む
といったような目的があります。

休学理由が「受動的な学びからの脱出」でもあったので、まさに自分たちで「もっと海士町がこうだったらいいのにな」を描き、「じゃあどうする?」を考え、アンケートなどをとるなど工夫している姿に「私も小学生のうちにこういうのしたかったな」と思いました。

ちなみにこれは町長に提言して終わり、ではなく、実現に向けて動くこともあります。10年前に提言された「桜並木をつくりたい」というプロジェクトは現在実行中なんだとか。やりっぱなしで終わらず、実際に町が変わっていくなんて素敵ですよね。6年生とは一緒に子ども議会での提言に向けて、調べたり何をやったらいいのか考えられるようにサポートしたりしました。

②隠岐のでき方を知る(理科)
隠岐(海士町は隠岐郡の一部)のでき方は特殊なので、気になる方は是非調べてください笑。何が特殊なのか、どうやってできたのか、等をNPO法人のしぜんむらさんに教えてもらいながら、隠岐にしかない岩や土地の様子を見に行きました。

海岸に行きました

③給食
授業じゃないけども。おいしかったんだよおお。写真は給食センターのfacebookよりお借りしています。いつも温かい給食を食べられます。そして地産地消率もとても高いのです。

必ず果物がつきます
たまに炭水化物パレード

暮らす@シェアハウス

女子4人でシェアハウスしてました。これはまっくろくろすけ出るんじゃないか?というお家で、最初の3日間くらいは「絶対住めない!!!」と私は騒いでいたんですけど、そんなことなかったです。住めば都ってほんとなんですね。街灯の無い道も、慣れてしまえばこっちのものです。

とはいえ暗すぎか。家までの道。街灯なし。

コンビニも映画館もないけど、サイクリングしたり、日の出日の入りを見に行ったり、図書館に行ったり。ないものは多いけれど、島にあるもので十分生活できました。楽しめました。

行ってよかったです。

選択肢が増えました

今までは本土で会社に入って、、、だから就活頑張んないと、、、と思っていました。島体験を通して、「まあ就活ダメだったらここに帰ってこよう」
と思えるような場所になりました。島で働く、という選択肢もなきにしもあらずだな。

あと子どもいたら楽しそうだなと思いました。これは小学校に行ったからなんですけど、日々できることが増えていく子どもの様子を見るのがとても楽しかったし、それに自分が関われていることに喜びを感じました。これがもっと長い期間子どもを育てられるなら、もっと喜びと出逢えそうです。

こうやって選択肢を知っていくこと、選べる状態にいることが、自分で自分の人生を決められる一歩だと思います。

リスペクト大事

ちょっと前に「尊敬とリスペクトは違う」という記事を書きました。
どうやら「尊敬」と「リスペクト」は違うらしい|由依|note
一緒に頑張るために、双方向が意見を聴きあう「リスペクト」が必要、ということです。海士町の人へのリスペクトは言わずもがな。でも、一緒に働いてくれる人、一緒に住んでくれる人、島の方から私に向けてのリスペクトをたくさん感じました。

その環境にいられたことが有難かったし、私が島体験を頑張れる理由でした。海士町にまた帰ってきたいなと思える理由でした。



体験から言語化して学びに昇華させる、というプロセスを何度も踏んだ島体験。残りの休学期間も学び続けます。



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