こじま@地域包括支援センター

東京都内の地域包括支援センターで働いている社会福祉士・介護支援専門員です。 見守りネッ…

こじま@地域包括支援センター

東京都内の地域包括支援センターで働いている社会福祉士・介護支援専門員です。 見守りネットワーク事業を担当しています。困っている高齢者へのアウトリーチに尽力しています。

最近の記事

「わたしの想い」Vol.3~家族を亡くされた介護者のその後~ 地域包括支援センターときわぎ国領

調布市地域包括支援センターときわぎ国領では、住み慣れた地域で生活されている認知症の方や家族介護者同士で対談を行い、小冊子『わたしの想い』を作成し文章で発信しております。なかなか知ることのできない当事者の皆様の想いにぜひ触れてください。 わたしの想い Vol.3 ~家族を亡くされた介護者のその後~ (令和5年11月作成) 登場人物…Tさん/Uさん(家族介護者) 道脇/佐藤(当センター職員) 佐藤:皆様おはようございます。 一同:おはようございます。 佐藤:私は、地

    • 星の砂

      ⼩さなガラスのボトルに⼊った、⾊とりどりの⼩さな砂を⾒ていた。 「星の砂」と書かれた⼩さなラベルが貼ってある。 私の数秒の視線に気づいたAさんが声をかけてくる。 『友⼈が沖縄に⾏ってお⼟産をくれたの、綺麗でとても気に⼊っているの。 こじまさんもよかったら1つどうぞぉ』 いや結構ですよ、と少し笑い丁重にお断りする。 うふふふ、とAさんも少し笑う。 その砂を思い出していた。 私が⼊職後、初めて相談対応したのがAさんだった。 下肢の疾患で⼊退院。 介護保険で「要⽀援」の認定を

      • わたしのアウトリーチVol.1(地域包括支援センター職員編)

        地域の高齢者を見守り支える支援者や専門職がどんな想いをもって日頃仕事をしているのか・・・をお伝えしていきたいと思います。第1回は地域包括支援センター勤務7年目以上のベテラン職員4人によるインタビューです。 地域包括支援センター(包括)で働き始めたのはなぜ 田中 福祉の大学出て、そのまま老人ホームで働いてて・・・入居者100名の特養なんですけど。 まあそれなりにやっぱり毎日忙しく、その方の生活・・・できるだけ家に近い感じを目指して。色々大変だったんですけど、10年以上働いて

        • 地域包括支援センターのソーシャルワーク#4~ACPの普及啓発「もしバナゲーム」~

          先日、高齢者が集まって体操・カラオケ・お茶会をやっている地域サロンに行き、「もしバナゲーム」の体験会をやりました。 ACP(アドバンス・ケア・プランニング)・・・本人の今後の医療やケアについて、 家族や親しい人そして医療・介護の関係者等が繰り返し意向の確認と共有を行い、本人による意思決定を支援するプロセス 「人生会議」とも表現されているこの「ACP」の考え方を一般の方にも広めようと、私の働く自治体では包括が中心になってこの「もしバナゲーム」を活用しています。もともと米国で

        「わたしの想い」Vol.3~家族を亡くされた介護者のその後~ 地域包括支援センターときわぎ国領

          地域包括支援センターのソーシャルワーク#3~児童館での認知症講座~

          地域の高齢者やご家族の支援が主軸である地域包括支援センターですが、子どもと関わる機会がたまにあります。その1つが児童館での認知症サポーター養成講座(認サポ)です。 昨年、地区協議会の会議で児童館の館長に「認サポやらせてください!」と懇願して実現し、年1回のイベントとして定着しました。通常の認サポは一般の方に認知症がどんな病気でどんな症状が出るのか、認知症の方と接する時の心構え等をお話しますが、子ども、特に小学生向けの場合は内容を簡潔にし、おとしよりに声をかける場面の寸劇や、

          地域包括支援センターのソーシャルワーク#3~児童館での認知症講座~

          地域包括支援センターのソーシャルワーク#2~高齢者の異変への気づき~

          ご近所で「あれ?この高齢者の方、大丈夫かな?心配だな・・・」と思ったことは誰でも一度くらいありませんか。高齢者の見守りで大切なことは「異変に早く気づくこと」と「専門機関に繋げること」です。 困っている(困っていそうな)高齢者はSOSを発信できない(発信したくない、発信すべき状況だと理解できていない、発信先を知らない、解決や軽減できる方法を知らない)可能性もあるため、異変に気づいた時に地域の方から地域包括支援センターに繋げてもらいたいと思っています。 異変への気づきのポイ

          地域包括支援センターのソーシャルワーク#2~高齢者の異変への気づき~

          地域包括支援センターのソーシャルワーク#1~地域の高齢者を見守り支え続けるには~

          小嶋と申します。地域包括支援センターで社会福祉士として勤務しており、介護支援専門員(ケアマネジャー)でもあります。自分の担当地域では住民の皆様に包括のことを知ってほしい、という活動を熱心にやってきたつもりですが、今年からもう少し自分の見識やアウトプットを広げるため、ちょっとずつ広域に発信したいと思っています。 とてもざっくり言うと、地域包括支援センター(包括)は「高齢者とご家族のよろず相談窓口」として全国の中学校区を単位として設置されていて、行政が直接運営していたり、社会福

          地域包括支援センターのソーシャルワーク#1~地域の高齢者を見守り支え続けるには~

          「わたしの想い」Vol.2~夫の介護を経験して~ 地域包括支援センターときわぎ国領

          調布市地域包括支援センターときわぎ国領では、住み慣れた地域で生活されている認知症の方や家族介護者同士で対談を行い、小冊子『わたしの想い』を作成し文章で発信しております。なかなか知ることのできない当事者の皆様の想いにぜひ触れてください。 わたしの想い Vol.2 ~夫の介護を経験して~(令和4年11月作成) 登場人物…Aさん/Bさん(家族介護者) 小嶋/佐藤(当センター職員)  佐藤:お世話になっております。私、調布市地域包括支援センターときわぎ国領で認知症地域支援推進員

          「わたしの想い」Vol.2~夫の介護を経験して~ 地域包括支援センターときわぎ国領

          「わたしの想い」Vol.1~認知症とともに生きる~ 地域包括支援センターときわぎ国領

          調布市地域包括支援センターときわぎ国領では、住み慣れた地域で生活されている認知症の方や家族介護者同士で対談を行い、小冊子『わたしの想い』を作成し文章で発信しております。なかなか知ることのできない当事者の皆様の想いにぜひ触れてください。 わたしの想い Vol.1 ~認知症とともに生きる~(令和3年11月作成) 登場人物・・・野村さん/Aさん(当事者) 小嶋/佐藤(当センター職員)  「イントロダクション」 小嶋:よろしくお願いいたします。この場の趣旨を簡単に説明しま

          「わたしの想い」Vol.1~認知症とともに生きる~ 地域包括支援センターときわぎ国領