『コボちゃん作文』って知ってますか?
「円周率とか台形の面積の求め方とか、将来何の役に立つの?」
並みに、小学校3年生の頃私が毎日思ってたことがある。
『何で毎日コボちゃん作文をやるの?』
(コミックナタリー)
小3の時の私の、担任はちょっと変わってた。
仕草とか、話し方とか、「家にテレビが無い」って自慢気なところか。
そして毎日『コボちゃん作文』を私たちにやらせること。
『コボちゃん作文』を毎日やっていたことは思い出せるんだけど、
どんな風に作文を書いていたのか思い出せなかったので、改めて調べてみた。
1.4コマ漫画『コボちゃん』が印刷されたプリントと、原稿用紙が配られる。
2. 漫画の内容を要約して書き出す。
※吹き出し内の言葉は使ってはいけない。
(例)今日は赤ちゃんが生まれた日。家族みんなで、病院に行った。
どんな名前がいいかな?と話し合っていると、お爺ちゃんが案を出してくれた。...
というもの。
確か、先生は時間制限もつけていた。
漫画の内容が毎日違うのはもちろん、
後半の方は漫画の吹き出しを空欄にして埋めさせた。
そして、答え合わせの時間はない。
みんなの前で発表することもない。
先生はニヤニヤしながら、みんなの作文を読んで返す。
本当にこれだけ。これを毎日毎日やる。
そして一番困ったのが、
この『コボちゃん作文』は1日の中で突然始まるというところ。
朝一番でいきなり配られることもあれば、
授業の冒頭でやる日、1日の終わりにやる日。
しかも国語の時間ではあえてやらずに、
全然関係のない理科の時間にやることもあった。
不思議だった。
何で毎日コボちゃんの漫画を見て作文を書いているのか。
うちのクラスしかやらないこの作文の時間。
私たちより、お母さんたちの方が不思議だったらしい。
「ちゃんとした授業をしてほしい」と私の母もちょっと引いてた。
誰も、このコボちゃん作文を何のために、誰のためにしているのか分かってなかった。
だって、先生は
「これはみんなの想像力を伸ばすためです」とか、
「作文を楽しく書けるようにするためです」とか、
そういう前置きは一度もしなかったから。
いや、もしかしたらどこかでちゃんと伝えてたのかもしれない。
でも私が聞くと、「だって面白いじゃない!」くらいテキトーな感じで返事をされていたような気がする。
大人になって分かったけど、このコボちゃん作文は
想像力を豊かにしたり、説明する力がついたり、作文力が身につくのにとても良いらしい。
途中からみんな、この作文を書く事が当たり前になって
「なんでこんなことやらなきゃいけないの!」すら言うことがなくなった。
代わりに、コボちゃん作文が終わった後に
「どんな事書いた?」ってみんなで話したりしてた。
自分と違うストーリー性があって、面白かったのも覚えてる。
今考えると、それこそが先生の”ねらい”だったのかもしれない。
想像を働かせて物事を考える練習。
頭で考えるだけじゃなくて、表現すること。
自分のアイディアを発表すること。
感想を友達と共有すること。
この『コボちゃん作文』が何だったのか、
十数年後に改めて考える日が来るなんて。
この作文を小さい時、やっていた人がいたらぜひ話してみたい。
このおうち時間に、親子でそれぞれ作文を書いて、発表し合うのも楽しそう。
今日から毎日、またチャレンジしてみようかなって思ったけど、
ニヤニヤしながら読んでくれる先生がいないと、
やっぱりちょっとつまらないかも。
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