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【予告】この夏、あらたな「越境」小説集が日本へ! グカ・ハン『砂漠が街に入りこんだ日』

 韓国からフランスへ渡り、仏語で小説集を書きあげた新鋭、グカ・ハン。
フランス各誌が驚愕し「大事件」とまで評された、デビュー作にして傑作!『砂漠が街に入りこんだ日』が、8月1日に発売となります。

そこは幻想都市、ルオエス(LUOES)。
人々は表情も言葉も失い、亡霊のように漂っていた。
「私」は、それらを遠巻きに眺め、流れに抗うように移動している。
どんな居場所も、手がかりも与えてはくれない、破滅寸前の世界で
ルールを知らないゲームの中を歩く、8人の「私」の物語。
騒音から抜けだし、あらたに「発見」したものは ——。

書影帯付き


ルオエス / 雪 / 真珠 / 家出 / 真夏日 / 聴覚 / 一度 / 放火狂
近日発売【ご予約受付中!

◆フランス各誌のレビュー

2020年1月にフランスで刊行された本書は、これまでに数多くの媒体に取り上げられ、大きな注目を集めています。

この作品が暴いてみせるのは、アントワーヌ・ヴォロディーヌとアピチャートポン・ウィーラセータクンの中間に位置するような苦悩と夢の世界で、読み始めたとたん、一気に心を鷲掴みにされてしまいかねない。
常に破滅の危機にある世界において、グカ・ハンの言葉はどこか不穏な清澄さを帯びている。これは新年の大事件のひとつと言っていいだろう。        《Diacritik》2020年1月 Johan Faerber氏による記事
物語の語り手たちはみな、他者から、人生から距離を置いているように見える。まるで右往左往している自分たちの姿を、映画のスクリーンを通して眺めてでもいるかのように。(中略)
8つの物語は同質でよくまとまっている。
グカ・ハン「当時、私はジェイムズ・ジョイスの『ダブリン市民』を読んでいました。そして私もルオエスという世界の肖像を描いてみたいと思ったのです」。
その結果できあがったのが、『砂漠が街に入りこんだ日』というわけだ。(砂漠が)入りこんだのは、ひょっとしたら(「街(ville)」というより)むしろ「人生(vie)」ではないだろうか?
グカ・ハン「とてもいい問いですね。でもそれに答えるのはあなた自身です」。
      《Le Soir》2020年2月 Jean-Claude Vantroyen氏による記事
衝撃と言ったら言い過ぎだろうか。衝撃は衝撃でも、音のない内にこもった衝撃だろう。その印象は、内面の奥底から現れたエクリチュールといったところである。しかも、自分自身に向けられた視線は、しばしば極めて無慈悲である。
        《Vanity Fair》2020年4月 Philippe Azoury氏による記事

★その他、本書にかんするフランス各誌の記事は、原書の版元VerdierのWEBサイト内〈Revue de press〉からご覧いただけます。(著者がご出演されたラジオもお聴きいただけます)

『砂漠が街に入りこんだ日』 は、8作の短編からなる「越境」小説集。
164頁/四六変形/並製/リトルモアより、2020年8月1日発売予定です。
【ご予約受付中!】全国の書店、またはLittleMore オンラインSHOPにて

こちらのnoteにて、随時情報を更新していきます。続報をおたのしみに!


◆著者略歴
グカ・ハン(Guka Han)1987年韓国生まれ。ソウルで造形芸術を学んだ後、2014年、26歳でパリへ移住。パリ第8大学で文芸創作の修士号を取得。現在は、フランス語で小説を執筆している。翻訳家として、フランス文学作品の韓国語への翻訳も手掛ける。

◆訳者略歴
原 正人(Masato Hara)1974年静岡県生まれ。訳書にフレデリック・ペータース『青い薬』(青土社)、トニー・ヴァレント『ラディアン』(飛鳥新社)、ジャン・レニョ&エミール・ブラヴォ『ぼくのママはアメリカにいるんだ』(本の雑誌社)、バスティアン・ヴィヴェス『年上のひと』(リイド社)、アンヌ・ヴィアゼムスキー『彼女のひたむきな12カ月』、『それからの彼女』(いずれもDU BOOKS)などがある。

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