【レビュー】「今ここ」神経系エクササイズ
ポリヴェーガル理論について、専門書は読み進めているものの、噛み砕いてわかりやすく書かれている本がないなと思っていたところ、いろいろと調べ見つけたこちらの本。
著者はポリヴェーガル理論の関連書籍を訳され、ソマティック・エクスペリエンシングというトラウマへの身体的なアプローチ療法のコンサルタントなど様々な方面でご活躍されている浅井咲子さん。
「はるちゃんのおにぎり」というストーリーがはじめに描かれていて、そのお話の中のアクションや、人との関わりを例に出しながら、神経系について書かれています。
【神経系の仕組み】
ポリヴェーガル理論で語られる神経系の仕組みが、イラストでわかりやすく書かれています。
どの神経系が働くとどんな感情を感じるか、ということもわかりやすく書いているので、私は子どもたちに見せながら、今どんな気持ちかな?と聞いてみました。とてもかわいいイラストなので、子どもたちも楽しみながら話してくれました。
姉妹喧嘩の後泣きながら私のところに来たときに聞くと、今は「ライオン🦁の絵で怒った気持ち」とか、でも本当は「お馬さん🐴❤️同士がすり寄っているみたい」になりたいとか、いろんな気持ちを教えてくれました。
神経系のエクササイズ、というものもあるのですが、これも子どもたちと遊び感覚で取り組みやすかったです。
きょろきょろ、と言って周りを見回して見えたものの名前を言うことで腹側迷走神経を刺激するやつとか、すごく朗らかな雰囲気になります!
(腹側迷走神経は、人との繋がりを感じられる神経系です)
今は特に休園の影響で親も子もフラストレーションが溜まりがちですが、イライラしてきたぞ・・というときにこれを遊び的に取り入れるのは良さそうだなぁと思っています◎
【愛着のパターンと神経系の仕組み】
愛着のパターンについては最近よく知られてきているように思いますが、それを神経系の仕組みから紐解いている本はなかなかないように思います。
養育者の関わりがどういうとき、子はどんな神経系になるか、についてはもちろんのこと、[不安型、回避型、無秩序型のとき、セラピーではどうしたらよいか]も書かれています。
だからこそ、安定型じゃなかったときに絶望したり、自分を責めたりするのではなく、「これからどうしていけばいいか」を見つめられる本になっていると感じます。
タイトルにある「他人の批判が気にならなくなる」は、長い間トラウマを抱えている場合気にならなくなるまでには時間はかかるとは思います。なので、読んだら他人の批判が気にならなくなる、というわけではないと思いますが、その「土台」の作り方をガイドしてくれる1冊だなと思いました。
個人的にはわかりやすいおかげで子どもたちと一緒に心地よい神経系の作り方を学べることがとても嬉しいです。
自分の神経系を心地よくすることは、相手の神経系にも心地よさを与えるということ。
自分を癒やすことが誰かの癒やしにもなる。とても素敵なことだと思いました。
参考文献:浅井咲子(2017)「今ここ」神経系エクササイズ 「はるちゃんのおにぎり」を読むと、他人の批判が気にならなくなる 梨の木舎.
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