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英国ボーディング留学に適切な年齢と統一試験(AレベルとGCSE)の関係

前回のnoteでは、イギリス教育のレセプションと呼ばれる就学前教育から高等専門学校のAレベルまで流れを簡単に説明しましたが、我が家の14歳になった上の例を取ると、留学にベストだと思われる時期は、このAレベルと呼ばれる大学入学資格試験が大きく関係してくることがわかりました。

イギリスの大学とAレベル

イギリスの大学と日本の大学との大きな違いの1つは、イギリスの大学は3年制であることです。イギリスの大学生は、日本の大学生のように一般教養課程を学ぶ段階がなく、大学に入ってすぐに専門的な内容を学ぶことになります。これは、Aレベルの過程で一般教養を学ぶためです。そのため、イギリスは日本の高校卒業資格を大学入学資格として認めていません。日本の学校を卒業した場合、IBやAPなどを受験していない限り直接イギリスの大学に入学することができないのです。日本の高校を卒業してイギリスの大学を目指す場合は、ファウンデーションと呼ばれる大学進学準備コースを受講する必要があります。しかし、大学によってはファウンデーションを認めていないところもあるそうなので要注意です。その場合は、Aレベルプログラムを受講する必要があります。


イギリスのシニアスクールで最後の2年間(Year 12-13)を6th formと呼び、こ子で3〜5教科に集中して専門的な勉強をしていきます。そしてYear 13の4〜6月のタームにAレベルの最終試験を受験し、Aレベルの評価が決まります。大学側はこのAレベルの評価によって入学許可を判断します。日本のセンター試験のような入試はありません。全てはYear 13のAレベルの結果で進学する大学が決まります。つまり、Aレベルでどれだけ良い結果が残せるのかということが大切なのです。

Aレベルはこの最終試験で高スコアが取れたら高評価がつくというわけではありません。それまでの過程も含めて評価されるのがAレベルです。普段から課題を期日までに提出できているかと言うことはもちろん、普段の授業で行われるCourse Workの出来なども評価の対象とされます。日本のセンター試験のように一発勝負の試験ではないということです。ということは、Aレベルが始まるYear 12までには高いレベルのエッセイが書けたり、アカデミックな議論のできる英語力もしっかりつけなければなりませんし、上述した通りAレベルで大学一般教養レベルの学習や専門的な学習も始まりますので、選択する教科の知識もある程度なければ、Aレベルの授業についていけない可能性もあるわけです。

GCSEと留学適齢期

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*ボーディングスクール見学にて

最近はお子さんの留学について相談を受けることが多くなり、特に留学はいつからするのがいいのか?という相談が多いので、ここからはイギリスの教育システムの側面からみたお話をしたいと思います。

繰り返しになりますが、日本の高校卒業資格ではイギリスの大学には入学できないこと、Aレベルでより高評価を得るためには編入する時点で高い英語力、高い学力がついていなければならないことを書きました。これを考えると、Year 12(9月時点で16歳)からの留学は、例えば高い英語力がついていないというお子さんには無謀なものになるかもしれません。そして、我が家の上はまさに英語力の心配があります。小学生の時に3年間留学し、中学1年生の時に英検準一級を取得しました。(英検の上級=必ずしも英語力が高いとはいえませんが…)それでもイギリスのシニアスクール特に6th formからの留学は不安だらけ…。我が子には、無謀な進路かもしれません。エッセイやディスカッションは英語の授業で毎週行っていますが、ネイティブの先生からは本当に留学するの?と言われてしまいました…。

上は勉強を積極的にするタイプではありません。となると、いきなりAレベルからの留学はリスクだらけと考えてました。では、Aレベルが始まる1年前のYear 11からの留学はどうなのか??ズバリ、イギリス人のママ友やブリティッシュ系インターにお子さんが通う日本人のママ友たちは口を揃えていいます。GCSE2年目から入るのはお勧めしない。本当に勉強が大変だし、Year 11になるとすぐにモックテストも始まるから、行くならGCSE1年目(Year 10)からがいいよ、と。GCSEは謂わばAレベルで学ぶための下準備でもあるわけで、このGCSEという土台がなければAレベルで本領を発揮できず終わってしまう可能性があると言うことなのです。

GCSEというのは、General Certificate of Secondary Education の略で、Year 11(16歳)で受ける全国統一試験のことです。GCSEでは9〜11教科を選択します。コースは14歳(Year 10)から始まり2年間をGCSEで学びます。GCSE1年コースを行なっている学校もありますが、これは15,16歳で転入した人のためのコースで、もともとGCSEを受けていた、もしくは相当意欲の高い人でなくてはついていくのは難しいようです。また、GCSEは成績によっては6th formにおける科目選択、そして進学先を左右することになる、重要な試験になります。

そんな事情もあって上の留学時期のベストはGCSEを1年目からスタートできる今年だったのです。上はイギリスカリキュラムでは今年がYear 10です。しかし、今年から留学というのは、昨年、都内の中高一貫校に入学、ジュニアユースへ入団して生活の基盤を築いていた上には早過ぎて考えられませんでした。そこでやむなく考えたのが来年Year 11としてではなく、学年を1つ落としてYear 10としてボーディングスクール留学をスタートさせるという選択肢でした。

次回へ続く

最後までお読みいただき、ありがとうございました♡


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