誰でもあの時こうしておけば良かったと思う

ああ参っている。ただでさえ、鬱で辛いのに身体症状も辛いときている。吐き気や体の痛みや痒み、違和感が気になる。喉の違和感まででてきやがった。どうなっているんだ。ただおそらく何も問題ない。これらの症状は鬱になってから起きるようになったのだ。そして、一通り検査もしてもらっている。何も問題ないのだ。ああ、僕の人生はどうなってしまうんだろう。この調子で社会復帰できるのだろうか。普通に働いているところを想像できない。普通に働けるようになるまでリハビリが必要なのだ。だから今は精神科のデイケアに通って、作業所の手続きを進めている。ケースワーカーみたいな人と相談したのだが、まずはB型作業所に慣れて、次にA型作業所に行ったら良い、という話だった。B型作業所にどれくらいで慣れるかによる。週4日程度朝から夕方くらいまで安定して働くことができたら、アルバイトや就職活動ができるのではないかと思っているが、もうどれくらい良くなっているかは分からない。

まさか自分が精神科のデイケアや作業所を利用することになるとは思わなかった。人生どうなるか分からないな。僕はいたって普通の子供だった。中学3年生くらいから吐き気で悩んで不安障害みたいなのになって引きこもったことはあったが、何とかなるだろうと思っていた。引きこもっては社会復帰を繰り返していたのだが、この時は鬱までいかなかったので勢いでなんとかなっていたのだ。ただ、今回は勢いで解決しそうにない。それは初めて鬱を経験したからなのか、それとも歳をとってしまったからなのかは分からない。もう勢いすらないのだ。まあ、とにかく自分が精神科のデイケアや作業所を利用するようになるとは思わなかった。ほんと、何が起こるか分からないな。

これは誰しも思うことかもしれないが、あの時ああしていればよかったと最近思う。鬱でくたばりながらそう思っているのだ。普通に小学校や中学校に行って、工業高校の電気科なんか行って、彼女を作って、電気工事士になって、結婚して、子供を作って、とこんな具合で良かったじゃないか。まあ、結局、中学の時に吐き気がでるようになる、不登校になり、引きこもりになってしまったので、そこから何かが変わってしまった感覚がある。環境を変えたら良くなるだろうと思い、高校に行ったが、常に吐き気や不安との戦いだった。友達を作るとか勉強どころではなかったのだ。また、僕の場合は何かしらつまずくので、こうはうまくいかなかっただろう。電気工事士なんて厳しい世界は挫折していたかもしれない。僕は佐伯一麦の『ア・ルース・ボーイ』みたいなのに憧れるのだ。中学生くらいの頃にこの小説を読んでいたら、僕の考えも変わっていたかもしれない。僕は影響されやすいのだ。ただ、僕は18歳頃まで文章が読めなかった。読みやすい子供向けの本はもちろん、漫画すら読めなかった。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのようなRPGもできなかった。なぜなら文章が読めないので、次に何をしたらいいか分からないのだ。文章が読めないといっても、もちろん、文字の意味や短い文章の意味なら分かるが、長いものになると全く読めなかった。もしかすると僕は知恵遅れなのかもしれなかった。あるいは、ただ単に集中力がなく、勉強をしてこなかったことのツケなのかもしれなかった。だから自分の気持ちも言葉にできなかった。だからコミュニケーションも言語的なコミュニケーションというよりは感覚的なコミュニケーションだった。まあ中学3年生の段階でその限界がきたのだと思っている。18歳頃に本を読めるように訓練したのだが、これが良くも悪くもあった。良かった点は、自分の気持ちを言葉にすることができるようになったことと、小説などを読んで、自分の生活を客観視できるようになったのだ。小説を読むときは小説内の人物を三人称視点で客観的に眺める。そんな具合に自分の生活も客観的に見れるようになったのだ。悪かった点は、本にはまりすぎて、現実を疎かにしてしまったことだろうか。まあこれは必要な過程だったのかもしれない。本は本で素晴らしいが、やはり現実が大事だよなと思ってしまう。だから本ばかり読んでいてはいけないのだ。気質的に本の虫には向いていないのに、本の虫になっているから調子が悪くなってくるのだ。

まあそんなことはともかくとして、人はあの時こうしておけばよかったと誰しも思うのだろう。あの時ちゃんと勉強しておけばよかったとか、あの時もっと考えて行動しておけばよかったとか、後になって振り返る。ただ、当たり前だけどそれは意味ないんだな。過去には戻れないのだから。大事なのは今なのだ。今どうしていくかなんだ。もうその時にとった行動が一番ベストだったと思うしかない。それがいくら無駄なように見えても、今に反映されているのだから。そういう風に無駄だと思えたことも今に活かされていると良い風に解釈するしかない。

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