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天は自ら助くる者を助く

有名な、格言。

その通りだと思う。

30歳前後、結婚を焦っていたことがあった。

苦難を経験し、博士課程での研究と助手の話を受けることができずに人生に絶望した、27歳。

ボロボロになった心と身体を休めることが必要だった。

故郷に帰り、実家でしばらく休ませてもらった。

父や母だって、悔しかった、悲しかったと思う。

手塩にかけて育てた娘が、傷ついた姿を見るのは。

と、書いていたら、涙が出てきてしまった。

家族との間にも、いろんなわだかまりもあるかもしれない。

課題がなければ、私たちはこの世には生まれてはこないのだから。

家族の縁は、自分が成し遂げると決めてこの世に生を受けた、その学びの課題の最たるものの一つだと思う。

皆、人には話さなくても、いろんな悩みを抱えていると思う。

私も、生まれの家族との間にも、色々な思いを抱えている。

縁が深いからこそ、何かあったらすぐに切れる縁ではないからこそ、

「家族」という縁からは、学ぶこと、学ばざるを得ないことは多くなる。

だから、やはり、家族に対し、今までしてもらってきたことに対する恩は、返さないといけない。

父や母には、いつまでも元氣で、笑っていてほしいと思う。



私の試練はまだまだ続いた。

傷ついて故郷に帰ってきたその年、弟が結婚。

今の私の姿を知ってくれている人からしたら、信じられないかもしれないけれど、

当時の私は、心も身体もボロボロで、外を歩くこともままならなかった。

その年の年末に、仙台光のページェントを家族で見に行った時には、フラフラして1人で階段を降りることができず、鼻血を出した。

それでも、弟の結婚式には出なければならない、と一応ちゃんとおめかしをして、妹とともに着物を着付けてもらって、遠方で行われた結婚式に参列した。

おめでたいことなんだけれど、私の心のなかは半ば、悲しみでいっぱいだった。

それをこらえ、その時期わたしは、人前では明るく振るまうだけで精一杯だった。

弟には、次々と子どもが生まれた。

そして、数年後には妹も結婚。

この時には私は、少し回復して、働くようになってはいたものの、

まだまだ辛かった。

そして、妹達も、次々と子を授かった。

カッコつけずに正直にいえば私は、この頃本当に辛くて辛くて仕方なかった。

ーなんで私だけが、こんな思いをしなければならないのか?

何度も何度も自問自答し、お正月やお盆に実家に皆が揃うときには、精一杯明るく振る舞いながらも、わたしは内心は辛さをこらえていた。

子どものいない私は、いつも母の家事を手伝った。

弟や妹はそれぞれ、家族連れで賑やかに帰ってくる。

子どもたちも3人ずついるので、とにかく賑やか。

賑やかであればあるほど、私の心のなかには、寂しさが募った。

これも、私が選んできた人生だったのだろう。

その時は(しばらくは)、弟や妹と自分を比べて、苦しんだ。

こんなこともあり、私は30歳前後は、私も早くパートナーが欲しい、と思っていた。



でも、自分の心が焦っていて、問題の解決の糸口を外に求めている時には、神様は私たちに良縁を授けてはくれないらしい。

この時期、出会いを求めて巷で行われているいわゆる"婚活パーティー"みたいなのにも、2、3回出てみた。

でも、結果は全滅。

そんな場所に、いい出会いなんてなかった。

そんな私が、その後5年ほど付き合うこととなる人と出会うことができたのは、

2011年、震災を経験し、

何があっても、どんなひどい条件でも、絶対に生きていく

と、自らの心に誓った、その後のことだった。

その人とは、結局は別れてしまったが、

その時期の私を支えてくれ、励ましてくれた、かけがえのない人だった。

同い年だったけれど、自ら厳しい試練を選びとって生まれてきた人だったので、

大人びていて、そしてとても優しかった。

彼を尊敬していた。

彼には今でも感謝している。

自分の状況がよくなった時には、恩返しをしたいと思う人の一人。

震災で、文字通りの天変地異を見た私は、

覚悟が決まったのだった。

震災直後には、私の身の回りで、亡くなった人はいなかった(そんなに人付き合いも多くはなかったこともあったと思う)

でも、その年の暮れに、ずっと一緒に暮らしてきた実家の祖母は亡くなった。

その数年後、妹の旦那が亡くなった。

ー3人の可愛い子を残して。


人はなぜ、生まれてくるのだろう?

なぜ、私たちの人生には、辛いことがたくさんあるのだろう?

こんなことを、自問自答することが多かった。

なぜ、欲しいものが何一つ手に入らないのだろう?ーと。

でも、一歩一歩、歩みを進めていくなかで、

私たちは確実に、何かを得ている。

一見、辛いだけ、

苦しいだけ、

同じことの繰り返しの日々の中においても、

そこには必ず、気づきがある。

出会いがある。

変化がある。

そして、自分の中の疑問や心の声には、徹底的に忠実に従った方が良い。

悩み尽くす。

苦しみ尽くす。

こだわり続ける。

問うことを、やめない。

なぜなら、そこには自分の人生で自分が求めている答えにたいする、ヒントが隠されているから。

悩むとか、苦しむ、って楽しくもないし、なんにもいい事なんかないじゃないか、と思うかもしれない。

でも、頭で考えて、状況を無理矢理変える、ということは、できない。

頭ではない。

腹落ちしたことしか、人生は動かない。

人も動いてはくれない。

ましてや、自分のために人を動かそうとしても、そんなのはすぐに相手に見破られ、

逆に信頼関係を壊す。

だからやっぱり、

自分に向き合うしかないのだ。

そして、辛くてもなんでも、

自分でなんとかしよう、と思った人、行動した人、もがいた人のことを、

神様は見ていてくれるのだ。

なんにもできない時があったって、いいのだ。

苦しくて、悔しくて、涙を飲む、人を羨むことしかできない日が、あったっていいのだ。

それも、自分が経験してみたかったことなのだから。

天は、自ら助くる者を助く。

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